日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年7月9日Webセミナーの講師が気をつけることは?

4月から約2ヶ月の休講期間の後に再開した6月スタートの教室は、おかげさまで火曜教室、土曜教室ともに満員で開講しました。



皆さん、とても積極的に講義を聞き、また、スピーチに取り組んでいただいています。

大変ありがたいことです。

 

一方で、私は相変わらずWebで会議をしたり、たまにオンライン飲み会をしたりしています。

そうした中、今週、初めてWebセミナーに参加しました。

そのセミナーで講師として気をつけるべきことを感じましたので、今回はそのことについて書きたいと思います。

 

1つ目は、参加者に頻繁に問いかけることです。

そのセミナーでは、講師の方が、

「今日、Webセミナーを始めて受けたという方、どれくらいいらっしゃいますか?」

などと、頻繁に参加者に質問していました。

Webセミナーでは、参加者はリアルよりも参加意識が薄くなりがちです。

同じ場を共有しているという感覚が少ないし、メールなどが入ってくるとそちらの処理をしたりして、とかく気が散りがちです。

そうした環境でしっかりとセミナーを聞いてもらうためには、できるだけ参加者の気持ちをそらせないことが必要です。

その手段として頻繁に、

「ここまでの説明、わかりましたか?

わかった、という人は手でOKと知らせてください。」

などと問い掛けをします。

これによって、参加者の意識をWebセミナーに集中させ続けるのです。

 

2つ目は声のトーンに気をつける、ということです。

私が参加したセミナーの講師の方は、若干声が高めでキンキンした感じの話し方でした。

その声を長時間聞いていると、だんだん耳が疲れてきます。

一般的に高い声は明るく親しみを感じさせるのですが、高すぎる声は聞き手に疲れを感じさせる原因になります。

オンラインではイヤホンやヘッドフォンで聞いている人も多いので、その疲れが余計に表れやすくなります。

オンラインで長時間話す場合は、声を聞きやすいトーンに保つことが大切です。

 

3つ目は話すスピードに気をつける、ということです。

一般的にYouTubeなどの動画では、話し手はかなり速いスピードで話しています。

ゆっくりした話し方では聞き手が飽きてしまうからです。

YouTubeが早口で話してもよいのは、ビデオで収録しているので声がはっきり聞こえるからです。

しかし、Webセミナーでは通信状態によって音声が飛んだり、ノイズが入ったりします。

そういうときに早口で話をしてしまうと、参加者はその音声が飛んだりした時に、講師が何を話したのか、わからなくなります。

さっき何を話したんだろう、と考えていると、それから後の話もつい聞き逃してしまいます。

従って、Webセミナーでは、適度にゆっくりと話すことが必要です。

また、ことばもできるだけ話しことばを使う方が聞き手にはわかりやすいでしょう。

「ご馳走を堪能した」と言うなら

「おいしい料理を楽しんだ」

と言った方がわかりやすいでしょう。

また、「電車が遅延した」なら

「電車が遅れた」と言った方が聞き間違いは少なくなるでしょう。

 

オンラインはリアルとは違う環境ですので、参加する聞き手の立場に立った心配りが必要ですね。
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