日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2022年2月17日話を具体的にしてわかりやすい話にしよう!

日本話し方センターの各コースでは、話す態度、声の出し方、話の組み立て方、抑揚のつけ方、話に表れる心の持ち方など、話し方全般について講義を行い、それを実習で実践してもらっています。話し方の上達は自転車に乗れるようになったり、泳げるようになったりするのと同じで身体に覚えさせるトレーニングが必要です。このため、実習では2分間のスピーチを行います。2分間というのは話をするにはとても短い時間です。大抵の受講生は初めの頃は2分を数十秒超える時間話をします。また今一つ何が言いたいのか分からない話も少なくありません。しかし実習の回を重ねるにつれて2分以内でわかりやすい話ができるようになっていただいています。



受講生のスピーチを聞いていると、初めのうちは表面的な事実を中心に話す人が圧倒的に多いです。例えば、失敗談というテーマならそのあらすじだけを示せばこのようなスピーチをします。
「お酒を飲み過ぎて記憶を失い、カバンをなくしてしまった。駅に問い合わせたところ、誰かが拾って駅に届けてくれていた。ホッとした。」
この例では、出来事の経緯の説明に力点が置かれています。ホッとしたという気持ちは述べられていますが、もう少しどんな気持ちだったのか知りたいところです。こうした話は、残念ながら、今一つ面白みに欠けますし聞き手の印象にも残りません。なので、講師は上のような話をした場合、このような質問をします。
「お酒をどれくらい飲みましたか?」
「何時頃まで飲んでいたのですか?」
「カバンには何が入っていたのですか?」
「カバンがないと気がついたとき、どう思いましたか?」
「駅に問い合わせる時、どんな気持ちでしたか?」
「見つかった時、心の中でどう思いましたか?」
「これからどうしようと思っていますか?」
そして、受講生が答えたことを短い言葉にして話に盛り込んでくださいとアドバイスします。

話で大切なことは聞き手の頭の中にイメージが浮かぶように話すということです。人は頭の中でイメージを作ることで初めて話を理解できるのです。では、イメージを持ってもらうために必要なことは何でしょうか。それは、具体的に話すということです。先に紹介した講師の質問はこの具体性を掘り起こすために行ったものです。お酒を飲み過ぎたと聞いてもイメージは湧きにくいですが、ウィスキーをボトル半分くらい飲んだと聞けば「ああ、それは結構飲んだんだなぁ」とイメージが湧きます。
また、カバンをなくした事に気づいた場面を「うわぁ、どうしよう!財布もスマホも会社の大切な書類も入っていたのに!ああ、どうしよう!どうしよう!」とその時の感情をありのままに話せば、聞き手も「ああ、すごくあわてたんだなぁ、そりゃそうだよなぁ」と共感しやすくなります。さらに言えば、ホッとしたとき、きっともう二度とこんな思いはしたくないと考えたに違いありません。そのために、これからどうするのかということを具体的に話せば引き締まった話にすることができます。

ところで、聞き手が頭の中でイメージできるように話すことは、スピーチに限らずビジネストークでもとても重要です。上司への報告、お客様への説明でも「何を言っているのかよくわからない」と言われてしまう大きな原因の一つが、話が抽象的だということです。できるだけ具体的に話をすれば、納得感はグッと高まります。

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