日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年1月13日人の話を積極的に聞いて考える力を養う


話し方教室ベーシックコースではご見学を受け付けています。

教室に入っていただき、授業を聞き、受講生のスピーチを聞いていただいています。

ある程度スピーチを聞いていただいたら、教室終了の30分くらいに前に教室から別の会議室に移っていただき、簡単にアンケートを書いていただいて、質問などにお答えしています。

先日、ある見学者がアンケートを書き終わってから、

「受講生のスピーチ、最後まで聞かせてもらってもいいですか?」

と言われ、教室に戻られました。

スピーチを聞き終えたこの方は、

「皆さん、いいお話をされますね~」

と満足されたようで、ぜひ受講したい、と言ってくださいました。

私は、この方の人の話を積極的に聞こうとされる姿勢をとてもうれしく感じました。



私は、話し方を学ぶ上で、人のスピーチを聞くことはとても大事だと思っています。

それは、人の話を聞くことで、多くのことが学べるからです。

話を聞くことで、自分も疑似体験ができます。

また、話を聞いて考えることで、自分の意見を持つ訓練にもなります。

 

例えば、先日、ある受講生がこのようなスピーチをしてくださいました。

ある日実家に帰ると弟さんがいました。

その弟さんとはあることがあってから気まずくなり、十数年、口をきいていませんでした。

その状態が良くない、と思っていたその受講生は、話し方教室であいさつの大切さの講義を聞いていたので、思い切って弟さんに

「おはよう、元気?」

と話しかけました。

すると、弟さんはビックリしながらも、

「う、うん。おはよう、兄貴は元気?」

と返事をしてくれました。

それから、

「今どうしてるの?」

などと近況をお互いに報告し合い、会話が続きました。

そして、最後には、

「じゃあ、今度久しぶりに飲みに行こうか」

ということになったそうです。

 

仲が良くなかった人と、その関係が修復するという経験は中々できるものではありません。

思い切ってあいさつすることで、次の会話がスムーズに生まれ、言葉を交わすことでお互いの気持ちが和んでいく。

私はこのスピーチを聞いてとても感動し、人と言葉を交わすことは本当に大切だなぁ、と改めて思いました。

 

また、ある人はこんなスピーチをされました。

旅行でハワイに行くために、家を出て成田空港に向かいました。

ところが、台風の影響で交通機関が遅れ、電車、バスを乗り継ぎ、最後はタクシーで出発時間ギリギリに成田空港に着きました。

やれやれとチェックインカウンターで手続きをしようとしたところ、パスポートがありません。

よくよく考えて見ると、途中のバスの中で忘れたことに思い至りました。

仕方なく、その日はバス会社でパスポートを受け取って家に帰りました。

翌日の飛行機は満席で、ビジネスクラスしか空きはありません。

旅行を中止にしようかと迷いましたが、現地で待っている先輩を裏切ってはいけないと思い、翌日、思い切って片道30万円するビジネスクラスでハワイに行きました。

 

これもすごい体験です。

いくら先輩が待っているからといっても、片道30万円は中々出せないなぁ、本当に誠実な人だなぁ、と感銘を受けました。

もっとも、パスポートを途中のバスで忘れてしまうことはいけませんので、大切なものは油断せずにこまめに確認しないといけないな、と改めて思いました。

 

話し方教室に限らず、人の話を聞く機会は様々にあります。

それらの話を積極的に聞き、自分の中にストックしていくことで、話のネタが増えていきます。

また、その話について様々な切り口で考えることで、自分の意見を持ちやすくなります。

参考にしていただければ幸いです。
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