日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年5月26日「人と話す時、緊張する!」その解決策とは?


★人と話すときに緊張する人は多い


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースには、「人前で話す機会が増えてきたけど、あがり症なのでうまく話せない」という人が数多く受講されています。確かに、世の中には大勢の人前で話すことが苦手な人はとても多いようです。
しかし、大勢の前でなくても、職場でのちょっとした雑談やご近所との世間話をする時にも緊張してしまう、という人もよく見かけます。場面を問わず話すことに緊張してしまう人は少なくないように感じています。

話すことはコミュニケーションの基本です。その大切な話すことに緊張していては良い人間関係もなかなか築けないでしょう。
では、緊張をある程度和らげて人と話すにはどうすればよいのでしょうか。今回は、雑談する場面でも緊張せずに話せるようになるポイントについて解説します。


★緊張する原因は大きく2つある


日常多くの人が何気なく行っている雑談にも目的があります。それは『人間関係を良くする』こと。この目的に沿うよう、雑談は楽しく、そしてできれば気楽に行いたいものです。
緊張する原因を理解し、それを改善することで緊張は徐々に和らげることができます。その原因は大きく2つあります。

 
◎何を話せばいいかわからない

1つ目は、話そうとしても何を話せばいいのかわからない、言葉が出てこないことです。

「今度の3連休、久しぶりに九州に旅行に行くんだ。あなたは3連休どうするの?」
「うーん、特に何も・・・」

「最近、急に暑くなったり寒くなったりして気温差が激しいよね~」
「うん、そうだね・・・」

雑談が苦手な人は、自分から話題を持ち出すことが中々できません。また、この例のように、相手が何か話題を振ってもそれにうまく答えることができないことがあります。本人は(何か話さないと!)と焦りますが、話すことが思い浮かばないため緊張してしまいます。

 
◎上手く話せない

2つ目は、話すことがあっても相手が理解できるような話し方ができないことです。

「昨日見たドラマ、すごく感激したよ。主人公のセリフがちょっと変なんだ」
「え? どんなドラマ? 何に感激したの? セリフが変だから感激したの?」

「昨日少し熱っぽかったんだけど、お風呂に入ったんだ」
「ん? それでどうしたの?」

話していることがよくわからなったり言葉が足りなかったりすると、相手は何が言いたいのか分からず戸惑ってしまいます。そうすると会話は続きません。また2つ目の例のようにオチのない話をすると、相手は「それが何?」という反応になります。こういう経験を度々した人は、「こんな話し方ではまた分からないと言われるかな」「話がつまらなくて相手を白けさせないかな」と思ってしまいます。話すことに自信がないので緊張してしまうのです。


★話すネタをストックする


では、上にあげたような原因を改善するにはどうすればよいのでしょうか。これから幾つかその改善方法についてお話します。
但し、これらは何れも時間をかけて継続的に実行する必要があります。話し方を改善するためには、方法を理解するだけでは不十分です。ある程度準備やトレーニングをする期間を設けなければなりません。この点、ご留意ください。

まず、1つ目は話の材料をストックすることです。
話をしようとしても話すことがないというのは、話が苦手な人に共通する原因ですが、意外にこのことに気付いていない人が多いようです。特に雑談では話すネタがないと楽しく会話を続けることは難しいでしょう。

では、話のネタはどのように集めればよいでしょうか。

 
◎自分の中のネタをストックすする

まず、自分のことに関するネタを集めましょう。上の例で「この3連休、どうするの?」と聞かれて何も答えられませんでした。これは何をするか考えていなかったこともありますが、真の原因は自分のことをきちんと理解していなかったからです。自分のことを理解していれば、まだ何も考えていないとしても
「そうだね~、録り溜めているドラマを一気見しようかな」
「久しぶりに鎌倉に行ってみてもいいかな」
「雨女なので外出せずに家でゆっくりしようかな~」
などと答えられたことでしょう。

自分への理解を深めるには、過去の経験やエピソードなどから自分に関するネタをストックしておくことをお勧めします。日常、私たちは色々な経験をしていますが、そのほとんどに気に留めずやり過ごしています。それらを改めて掘り起こして心に留めて置くようにすることでネタはストックされます。
・子供の頃に好きだったことを10個思い出す
・休みの日にすることで楽しいと感じることを書き出す
・過去の出来事で「これは許せない」と思ったことを思い出す
・過去にどういう性格の人と親しくなったか考えて見る
・今まで旅行に行った先で感動したこと、よかったことを書き出す
これらはほんの一例ですが、時間を取って過去の出来事などに目を向けて見ることで自分への理解が深まり、それらを話のネタにすることができます。

 
◎幅広い情報をストックする

また、日常生活する中で見たり聞いたりしたことをできるだけ幅広くストックしておくことも効果的です。
私たちは日々、ネットニュースやテレビ番組、友人の話、仕事で接する情報など、とても多くの情報に接しています。これらの中から「これ、面白いな」「これは大事だな」などと心が動いたことを記憶に留めたり記録したりしておくのです。それらをストックしていくことで、話題として使うことができます。
また、あなたには興味がない情報にも目を向けておくことをお勧めします。雑談では相手が興味のあることをちょっと話すだけで、相手が喜んでそれに関する話をしてくれるものです。例えば、あなたがプロ野球に興味がなくてもニュースなどで各球団の順位やトピックを少し見ておくと、野球が好きな相手に「この頃阪神は調子いいですね」「佐々木朗希は相変わらずすごい活躍ですね」などと話すことができます。そうすると相手は喜んで話をしてくれるでしょう。

 
◎自分の意見、感想を持つ

ところで、上に述べたように話のネタをストックする際に留意いただきたいことがあります。それは、そのネタについて自分の考えや感想を持っておくということです。これは自分から話題を持ち出すときに特に必要になります。例えば、「来週、台風が直撃しそうだね」だけだと、相手も「うん、嫌だね~」と言って会話が続かない可能性があります。しかし、「来週、台風が直撃しそうだね。その日は在宅勤務にしようと思ってるんだ。在宅制度があって良かったよね」など、自分が考えていることを付け加えると、「ああ、私もそうしよう。以前なら雨風の中出勤してたから大変だったよね」などと、会話を続けることができます。


★短く話す


緊張せずに話すポイントの2つ目は、短く話すことです。
ストックしたおかげで話すことができたとしても、あなたが長々と話してしまうのは控えましょう。そもそも人は長い話を聞くことが苦手ですので、あなたの話が長いと相手は聞くことに疲れてしまい、会話を続ける気がなくなってきます。また、長い話は理解されにくいので相手は白けてしまうでしょう。相手のつまらなそうな表情があなたの緊張を誘うのです。
雑談では会話のキャッチボールがとても大切です。そのためには、できるだけ話を短くして相手と会話を交わし合うようにしましょう。

 

★質問する


3つ目のポイントは、質問で話を進めることです。
雑談では(自分から話さねば!)という強迫観念のようなものを持ってしまうと緊張してしまいます。実は多くの人は「自分の話をしたい!」思っています。雑談でも自分の話をしたいと思っている人は多いはずです。そうであれば、自分から話をするのではなく、相手に話をしてもらう方が楽ですし、変な緊張をしないで済みます。
「今度の3連休はどうするの?」
「子供の野球の試合があるのでその応援に行くよ」
「ああ、そうなんだ。お子さんのポジションは? 君も子供の頃、野球をやってたの?」
このように質問で進めることで、相手に気持ちよく話してもらうと緊張しないばかりか、「この人は私の話を楽しそうに聞いてくれる」と思ってもらえて人間関係もよくなっていきます。


★話し方のトレーニングをしましょう!


以上、今回は雑談で緊張せずに話すことについてお話しました。繰り返しになりますが、話し方は一朝一夕には改善しません。継続的な努力と準備で徐々によくなっていきます。ぜひ実行してください。

日本話し方センターのベーシックコースでは、最初の講義で日常会話についてお伝えしています。日常会話の目的や効果的な進め方などを具体的にお話しています。それ以外にも、あがり症の克服の仕方や相手に信頼してもらえる話の仕方など、より良いコミュニケーションを取るために必要な要素を網羅的にご指導しています。実に多くの受講生がその効果を実感されています。ぜひ受講者の声をご一読の上、受講をご検討ください!

 

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