日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年3月26日話の前置きは必要なことだけ話す

日本話し方センターのベーシックコースでは、話し方のトレーニングとして受講生が2分間のスピーチを行っています。

開講後間もない頃は、多くの受講生が制限時間の2分を超えた話をしてしまいます。

2分が3分になってもそんなに長いと感じないのでは、と思われるかも知れません。

しかし、実際に2分を超えるスピーチを聞いていると、多くの方が、長いな、と感じるはずです。

それは、話が間延びして面白くないからです。

そして、その原因は余計なことを話しているからです。



日本話し方センターでは「必要なことを、必要な時に、必要なだけ、話す」ということをお伝えしています。

余計な話をすることは聞き手に、話が長い、と思われるだけでなく、話がわからない、と思われることにもつながります。

話はなるべく短くした方がよいのです。

2分のスピーチであれば、話は2分で終わらせなければなりません。

では、長い話のどの部分が余計なのか?

それは、「前置き」です。

例えば、話したいことが、

「あわてて家を出たので、鍵をかけるのを忘れてしまった。どんなに急いでいるときでも、落ち着いて今何をすべきか考えるべきだと思った。」

ということだとします。

こうした場合、多くの受講生は、前置きにこうした話をされます。

「その日は、高校時代にとても仲がよかった友人5人と10年振りに会うので、ずっと楽しみにしていた。

その友人たちとはクラブがずっと一緒で、県大会出場を目指して高校3年の夏まで、毎日毎日、お正月も夏休みもなく厳しい練習を耐え抜いた。

県大会には出場できなかったけど、その時にできた絆はとても強いものになった。

私が東京に出てきてなかなか会う機会がなかったので、ついに会える、と思うと、うれしくてたまらなかった。」

実は、この前置きで必要なのは、「高校時代にとても仲がよかった友人5人と10年振りに会うので、楽しみにしていた」という部分だけです。

その他は2分間のスピーチでは余計です。

2分間のスピーチでは、だいたい500字くらいしか話せません。多くのことは話せないのです。

このスピーチでは、あくまで「あわてていても落ち着いて確認しよう」ということが言いたいのです。

であれば、前置きはできるだけ短くすべきです。

そして、

・何故あわてて家を出たのか

・鍵をかけ忘れた時はどんな心理状態だったのか

・結局家は無事だったのか

などを具体的に話すべきです。

「あわてていても落ち着いて確認しよう」ということを聞き手が理解するためには、それに必要なことだけを話さねばなりません。

そのためには、先に述べた長い「前置き」は不要です。

高校の時にどういう活動をしていたかはこの話では不要なのです。

再開を楽しみにしていたことが聞き手に伝わればそれでよいのです。

「言いたいこと」と「人に聞いて理解して欲しいこと」は異なります。

しかし、多くの人はこのことを意識して話をしていません。

言いたいことを理解してもらうために前置きは必要なことだけを話す、ということを意識してください。

 

日本話し方センターの各コースでは、聞き手に伝わる話し方のポイントを話し方や話す態度、言葉の使い方、発生の仕方などあらゆる面からご指導しています。

その成果は多くの受講生が実感されています。

ぜひ「受講生の声」をご確認ください!
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