日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年10月1日オンライン会議の前に雑談をしよう!

自宅でオンライン会議に参加すると聞き手は無表情になるなど話し手が話しにくい表情になりがちです。なので、職場にいるときと同じくらい、人の話を聞く表情、態度に気をつけましょう、ということを前回のブログで書きました。
ところで、オンライン会議ではリアル会議以上に沈黙の時間が続くことが多いです。画面越しだと気軽に発言しにくい雰囲気がありますね。聞き手が表情豊かに話を聞けば発言者は確実に話しやすくなりますが、発言を活発にして会議の効果性を高めるまでの効果は期待しにくいかも知れません。

そこで、出席者がより話しやすくするために、会議の冒頭に参加者が雑談をする機会を設けてはどうでしょうか。



現状、会議が始まる時間になるまでシステムにログインした人は「どうも~」「お疲れ様で~す」など、自分の声が聞こえることの確認の意味も含めて簡単にあいさつしたりするでしょう。しかし、その後はずっと黙ったままということが一般的ではないでしょうか。何となく壁のようなものを感じたまま出席者が揃って会議が始まります。この重苦しい状態では気楽に発言できないのが実際のところだと思います。かと言って在宅勤務が続いてしばらく顔を合わせていない人たちを相手に、ログインした後、自発的に雑談をしようとしても難しいかも知れません。

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースでは、講座が始まる前に受講生全員が幾つかのグループに分かれて会話をするタイミングを設けています。1対1で1分間会話をすることもありますし、数人のグループで進行役を決めて5分間話をすることもあります。これは受講生にリラックスしてもらい、前向きな気持ちで講座に参加してもらうことを狙いにしています。実際、硬い表情だった受講生がこの会話をした後は穏やかでリラックスした表情に変わり、講座が格段に進めやすくなります。それくらい会話は気持ちをリラックスさせる効果があるのです。

オンライン会議でも始めに雑談をすれば参加者がリラックスできて会議での発言がしやすくなります。例えば次のようなテーマを設けておくとスムーズでしょう。
・自分が好きなもの
・休日、時間があるときにしていること
・今、興味を持っているもの
お勧めは誰もが楽しく話せるテーマです。話し方センターのベーシックコースでは、自分が好きなものを幾つか紙に書いてもらいその紙を見ながら話をすることが多いです。好きなものについて話をしているととても盛り上がります。最近のうれしかったことなどもテーマとしては考えられますが、以外に、最近のうれしかったことをすぐに言える人は多くないので要注意です。

そして大事なことは話を聞いている人はうなづいたり、あいづちを打ったりしながら笑顔で聞くようにしてください。受け入れられている、と思えると心理的安全性が飛躍的に高まります。そして、できればある人が話をしたら、その話についてその前に話した人が1つ質問するとよいでしょう。一方的に話すのではなく会話形式にすることで更にリラックスできます。こうした軽いテーマで話をすると少し人間関係が近くなった感じがして会議での発言がしやすくなります。

会議やミーティング、セミナーなど人が集まるところでは「場作り」がとても大事です。オンラインではその「場作り」がとても難しいのですが、今回ご紹介した方法は比較的実行しやすい「場作り」の方法です。ぜひお試しください!
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