日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年12月7日話には必ず自分の気持ちや意見を入れよう!

私は日本話し方センターの各コースを受講されているほとんどの方とお話をさせていただいていますし、教室でされているスピーチも聞かせていただいています。なので、一般的に話を苦手とされいる方の特徴などは理解しているつもりですが、そういう方々に意識していただきたいと思うことがあります。
それは、自分の気持ちを言葉にすることは大切だ、ということです。このことについて、話し方セミナーの参加者Hさんとのやり取りを例にお話したいと思います。



Hさんは話をまとめるのが苦手で、上司などから「それで、何が言いたいの?」と言われてしまうことが悩みで2日間集中セミナーに参加されました。1日目に話のまとめ方の講義を受け、実際に失敗談というテーマでスピーチ練習をしました。この時点で話をまとめるコツを少しつかまれたようでした。そしてセミナーの2日目に嬉しかった体験談という実習テーマに取り組まれました。

Hさんはこの実習で、奥様やお子様からHさんの誕生日にお祝いのメッセージをもらったという話を題材にスピーチ練習をされました。
当初、Hさんの話は次の様なものでした。
・家族からそれぞれ次のメッセージカードをもらった
・奥様からは「お誕生日おめでとう、また家族で旅行に行こうね」
・お嬢様からは「おめでとう、家族の前で私のヴァイオリンを聞いてもらいたいな」
・ご子息からは「おめでとう、新幹線に乗って温泉に行きたいな」
・とても嬉しかった

私はこのスピーチを聞いて、ちょっと踏み込んだ質問をしました。
「すてきなご家族ですね~。ところでHさんは、何を嬉しいと感じたのでしょうか?」
ご家族のメッセージを聞かせていただくと、私には、Hさんが単にカードをもらったことを喜んでいるだけではないように感じたのです。
「えっ! 何が嬉しかったか、ですか・・・そうですね・・・何が嬉しかったんだろう・・・」
しばらく考えていましたが、やがて明るい表情で、
「私はこれからも家族と仲良く、色々なことができるんだな、ということがとても幸せに思えたんです。それが嬉しかったんですね」
と仰いました。
自分の気持ちをことばにしてそれを口に出して確認すると、今まで気付かなかったことに気付くことができるんですね」
ととても嬉しそうに話してくださいました。

私はHさんの様子を拝見して、改めて自分の気持ちや考えを言葉にすることは大切だな、と思いました。私たちは日頃様々なことに出くわし、それについて何かを感じているはずですが、大半のことは余り深く追求せず流してしまっています。しかし、その出来事について少し考えて言葉にしてみると、深い気付きが得られることも少なくないはずなのです。

これは上司への報告やお客様との話にも言えることです。事実の報告に終始する話は聞いていてももの足らないものがあります。
例えば、次の例をご覧ください。

①:「P商事に請求書を届けてきました。期日までにお支払いいただるそうです」
②:「P商事に請求書を届けてきました。期日までにお支払いいただけるそうですが、皆さん忙しそうで人の出入りも以前より多かったです。かなり受注が増えているようなので、ウチも営業かければ仕入れを増やしてもらえるかも知れません」

①は請求書を渡した報告だけですが、②は報告だけでなく自分の意見などのプラスアルファの情報を添えていますね。どちらが価値のある話し方かは一目瞭然です。ぜひ気持ちや意見を言うようにしてみてください。

今回ご紹介したように、ベーシックコースや2日間集中セミナーは、参加された多くの方に、様々な気付きを得ていただいています。
ぜひホームページの「受講の成果」をご覧ください!
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