日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年5月16日話す「場」を作ろう

新たな感染者の数が少なくなってきました。

東京都も緊急事態宣言を解除できる目処がついてきた感触があります。

しかし、しばらくは「新しい生活様式」と呼ばれる環境で過ごさなければいけません。

引き続き、気を緩めずに過ごしたいものです。

 

さて、今回は、話す場を作りましょう、というテーマでお話します。



日本話し方センターの話し方教室では、毎回、2分間のスピーチ実習をしています。

多くの受講生の悩みは、そのスピーチの「ネタ」探しに毎回とても苦労する、ということです。

確かに、受講期間中は頻繁にスピーチを作製する機会がありますので、大変だと思います。

しかし、私は、人前で話す機会があることはとても重要なことだと思っています。

 

私たちは常日頃、新聞やテレビ、インターネットなどから様々な情報を得ています。

しかし、自分の仕事に関係するものや興味があるもの以外は、翌日には何を聞いたか、何を見たか、さっぱり覚えていないということが大半です。

人は、せっかく得た情報も、それを使うことがなければ記憶に留めようとしないのです。

逆に、得た情報を活用する場面があれば、より多くのことを記憶しようとします。

職場での朝礼など、定期的に人前で話をする機会があれば、もっと色々と情報を集めようとするのではないでしょうか。

そして、どんな話題にしようか、その話題をどのように話そうか、など色々と考えるはずです。

 

また、人に聞いてもらう話をしようとすれば、話す話題を見つけるために常に情報を広く集めますし、観察力も磨かれるでしょう。

見つけた話題をいい話に仕上げるために思考力や洞察力も鋭くなっていくはずです。

つまり、人前で話をすることは、自身の視野を広げ、思考を深くすることに繋がるのです。

 

人前で話す機会は、職場であれば、朝礼や定期連絡会など、少ない努力で作れると思います。

在宅勤務が定着している場合でも、Webを通して開催できますね。

 

ところで、人前で話すことには、もう一つよい効果があります。

それは、少しでもいいことを言おうとするということです。

人は日常に没入していると、現実的なことしか意識しないので、いきおい視野は狭くなり、考え方も狭い、自分中心のものになるでしょう。

しかし、前述のように、自分の考えを人前で表現する場があれば、そう現実的な話ばかりもしていられません。

人前でする話は、教訓的なものであったり、ポジティブなものであったり、何れにしてもいい話をしようとします。

そうした話をし続けることで、その考え方が自らにも浸透していきます。

結果、以前よりも良いものの考え方をするようになっていくのです。

こうして、人前で話すにつれて、考え方が人に良い影響を与えるものに変化していきます。

そういう人が職場で増えていけば、きっと職場の雰囲気、風土もポジティブなものになっていくのではないでしょうか。

 

ここまで述べてきたように、

  • 人前で話す場があることで、広く情報を集め、深く考えるようになります。

  • その考えは人にいい影響を与えるものになっていくでしょうし、それを口にすることで自身の価値観として定着していきます。

  • 人前で話す場数を踏むことで、話す態度も落ち着いた堂々としたものになっていきます。


まさにいいことずくめですね。

是非皆様も、職場などでお互いの考えを述べ合う定期的な場を作ってみてはいかがでしょうか。
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