日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年7月5日自分の本当の考えや気持ちをつかむには?

昨日、ネットでちょっと面白い記事を見つけました。

今週末の日曜日、ユニクロで白T買って泣く



要約するとこのような話です。

筆者の家にユニクロのバイト面接に行くRくんが来ました。

履歴書の志望動機には、

「シンプルで合わせやすいユニクロの服をたくさんの人たちに知ってもらい、着ていただきたいと思ったから。」

と書いてあります。

これが本当の志望動機なのかな、と疑問に思った筆者はR君に色々と質問します。

すると、R君は、自分で初めて服を買ったのがユニクロだったこと、その時にちゃんと選んだ服を着るだけで自信がついた、服ってすごいな、と思った、といったことを話します。

これを聞いた筆者はR君に、それが本当の志望動機だ、と伝えます。

そして、R君が書き直した履歴書の志望動機には、

「自分を変えたい人の、“最初の一着探し”を手伝いたい」

と書かれていました。

 

この記事はもっと感動的に書かれていますので、ぜひご一読ください。

私はこれを読んで、この話には私たちが話し方教室で伝えている大切なことが含まれているな、と感じました。

当初、R君は、ユニクロの服をたくさんの人に着てもらいたいから、という志望動機を書いていました。

多分、これを書いた時のR君は、本当にこれが志望動機だと思っていたと思います。

しかし、なぜユニクロなのか、他のブランドの店舗ではないのか、と問われて考えた時、本当の志望動機に気付くのです。

 

話し方の学習という観点で考えると、このエピソードには、学ぶべきポイントが2つあります。

1つ目は、本当に伝えたいことはじっくり考えることで見つかる、ということです。

話し方教室で受講生のスピーチを聞いていると、その話の本質は別のところにあるのかも知れないな、と思うことがあります。

例えば、ある受講生が

・急いで家を出た後、財布が亡いことに気付いた
・色々探したが見つからない
・数日後、いつも使っているカバンの奥の方にあるのを発見した
・あわてている時こそ落ち着いて忘れ物がないか確認しようと思った

というスピーチをしたとします。

これでも聞き手に伝わるいいスピーチですが、もう少し深く考えると別の捉え方に気付けます。

財布をなくした当初、色々探したのにカバンの奥を確認しなかったのはなぜか。

多分、そこにはない、と決めつけていたのでしょう。

この話題を取り上げようとしたのは、いつも使っているカバンから出てきたという驚き、意外性が心に残っているからだと思います。

そうであればこの話は、落ち着いて確認しよう、ではなく、思い込みには気をつけよう、という主題(テーマ)の方がふさわしいはずです。

私たちは物事を表面的に捉えがちですので、少し立ち止まって、もう一段深く、なぜ、ということを考えると、自分の気持ちの本質に迫ることができます。

 

2つ目は、自分の考えや気持ちは過去の具体的な事実の中に表れている、ということです。

R君は、筆者になぜユニクロなのか、と質問されて過去の自分の行動や気持ちを思い出しました。

そして、その行動の中に彼がユニクロを志望する真の動機が隠されていたのです。

このように、人の考えや思考は具体的な言動にはっきりと表れます。

ですから、就職活動など、今一度自分を見つめ直すタイミングではできるだけ過去の自分の言動をもとに考えた方がよいのです。

 

私たちの話し方教室には「話の材料の集め方」の講義があり、話のネタの集め方を様々な角度から解説しています。

その中で、一番強力な話の材料は自分の体験だ、ということをお伝えしています。

また、スピーチの実習では、その話で本当に言いたいことが何なのか、ということを講師がチェックし、アドバイスしています。

興味のある方は、ぜひ一度無料体験教室にお越しください!
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