2020年3月15日知識→気付き→実践→スキル→習慣→人柄
日本話し方センターの話し方教室では、話し方やコミュニケーションの取り方に関する様々な知識をお伝えしています。
スピーチの始めに主題を言いましょう、一文を短くしましょう、などが知識の一例です。
そして、なぜ初めに主題を言うのか、なぜ一文を短くするのか、という理由や、それに関する例話などを講義の中でお伝えしています。
これは、物事をどのように理解するかは人それぞれ違うからです。
ある人は理由を言えば納得されるでしょうし、他の人は例話によって理解するかもしれません。
なので、理由や幾つかの例話を通してできるだけ多くの人に理解してもらうようにしているのです。
しかし、知識を理解するだけでは話し方は上達しませんので、受講生にはスピーチ実習で知識を実際に使っていただいています。
この実習でも人それぞれのクセや特徴が出ますので、それに応じたレベルアップができるよう講師がアドバイスをしています。
この実習を通して、なるほどこうすればいいのか、という感触をつかんでいただきます。
これは一種の「気付き」ですね。
また、教室でお伝えしている知識やその例話などを聞いて、なるほど、と思うこともあると思います。
これも「気付き」です。
私は、こうした「気付き」があって初めて、話し方上達のステップがスタートすると思っています。
人は「なるほど」と思わないと、やってみようとは思いません。
行動を起こさなければ、人は何も変わりません。
さて、「気付き」があると、教室だけでなく、日常の中でもその気付いたことを「実践」してみようとします。
「実践」とは、仕事上の報告やプレゼンなどの場面で、主題を言う、一文を短くする、などを実際にやってみる、ということを指します。
受講生の多くはこの実践をしていただいていています。
そして、その結果、多くの方が成功されるという体験をしていただいています。
大なり小なりの成功が経験できれば、その実践したことを継続しようとします。
そしてこの実践が継続されることで、主題を言う、一文を短く話すなどの知識がしっかりと実行できるようになります。
この段階でこの知識はその人の「スキル」になったと言うことができるでしょう。
やがて、そのスキルを更に継続することで、その人の当たり前の行動になっていきます。
あまり意識しなくても、常に話の前に主題を言う、一文を短く話すなどができるようなります。
つまりそれらの行動は、その人の「習慣」となります。
そして、この「習慣」の段階まで達すると、それはその人のコミュニケーションスタイルの一つとなります。
常に、主題を先に言う、一文を短く話すなどのおかげで、
「あの人の話はわかりやすいね。」
という評価が定着すると、それらはその人の「人柄」を構成する要素となります。
多くの知識を習慣にすればするほど、それらはその人の「人柄」となって、他の人に与える印象も大きく変わることでしょう。
コミュニケーションスタイルが以前とガラッと変わると、人生が変わる、と言い表すことができるほどのインパクトがあります。
実際に、卒業される際に、
「話し方教室に通って人生が変わった。」
と言っていただいた受講生も少なくありません。
日本話し方センターの話し方教室では実習を大切にしています。
また、教室では「継続は力なり」という言葉を何度もお伝えしています。
それらは、上で述べたように、知識を人柄にまで昇華させるために必要なことだからだ、と私は思っています。