日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年8月16日会議の前に話す機会を設ける

前回は「自宅でのオンライン会議は「職場モード」を意識する」という記事を書きました。

自宅でのオンライン会議では、聞き手は無表情になるなど話し手が話しにくい表情になりがちなので、職場にいるときと同じくらい、人の話を聞く表情、態度に気をつけましょう、という趣旨の記事でした。

ところで、オンライン会議では、沈黙の時間がリアル会議以上に続いたりすることが多いように思います。

画面越しだとリアルよりも気軽には発言しにくい雰囲気がありますね。

聞き手が表情に気をつけるだけでは、オンライン会議での発言を活発にして会議の効果性を高めることは難しいかも知れません。

そこで、出席者がより話しやすくするために、1人ずつ話をする機会を設けてはどうでしょうか。



オンライン会議が始まるまで、会議システムにログインした人は、

「どうも。」「お疲れ様です。」

など、自分の声が聞こえることの確認の意味も含めて簡単にあいさつします。

しかし、その後はずっと黙ったまま、ということが一般的ではないでしょうか。

何となく壁のようなものを感じたまま、出席者が揃って会議が始まります。

この状態では発言しようという気持ちになり難いのが実際のところだと思います。

かと言って、在宅勤務が続いてしばらく顔を合わせていない人たちを相手に、ログインした後、雑談をしようとしても難しいかも知れません。

そこで、会議に入る前に出席者の気持ちをリラックスさせるために、会議開始後、全員が話をする時間を取ってはいかがでしょうか。

 

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、講座が始まる前に受講生全員が話すタイミングを設けます。

1対1で1分間会話をすることもありますし、数人のグループで進行役を決めて3~4分間話をすることもあります。

これは受講生にリラックスしてもらい、前向きな気持ちで講座に参加してもらうことを狙いにしています。

実際、硬い表情だった受講生がこの会話をした後は、穏やかでリラックスした表情に変わり、講座が格段に進めやすくなります。

それくらい、会話は気持ちをリラックスさせる効果があるのです。

 

オンライン会議が始まる前、次のようなテーマで、1人1分ずつ、話をしてもらうとよいでしょう。

・自分が好きなもの
・休日、時間があるときにしていること
・今、興味を持っているもの

楽しそうに話せるテーマがお勧めです。

話し方センターの教室では、自分が好きなものを幾つか紙に書いてもらい、その紙を見ながら話をすることが多いです。

好きなものについて話をしているととても盛り上がります。

「最近あった、うれしかったこと」なども考えられますが、以外に、最近のうれしかったことをすぐに言える人は多くないので、要注意です。

もちろん、話を聞いている人はうなづいたり、あいづちを打ったりしながら笑顔で聞くようにしてください。

受け入れられている、と思えると心理的安全性が飛躍的に高まります。

 

そして、できれば、ある人が話をしたら、その話について次の番の人が1つ質問するとよいでしょう。

一方的に話すのではなく、会話形式にすることで、更にリラックスできます。

 

こうした軽いテーマで話をすると、少し人間関係が近くなった感じがして会議での発言がしやすくなります。

在宅勤務が増えて社員同士接触する機会が減ってきていますので、お互いの人柄を確認する機会としても有効では、と思います。
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