日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年9月6日中学生が訪問してくれました


先日、話し方センターの近くにある中学校の生徒さん2名が来られました。

目的は、自由研究の課題として「話し方」を選んだので、その取材として話を聞かせてもらいたい、とのことでした。

話が面白い、説明がうまい先生は話し方にどういう特徴があるのか、また、クラブ活動でキャプテンとして話をする場合、どうすれば伝わるか、ということが主な問題意識でした。

今回は、その際の問答の一部をお伝えします。

【 質問 ① 】
人に何かを伝えるときに、一番気をつけなければならないことは何ですか?

【 答え ① 】
これを伝えたい、という強い思いがあることです。

話には、その人の思いがそのまま表れます。
どんなに上手な話し方をしても、伝えたい! わかって欲しい! という強い思いがなければ、その話は、他の人には絶対に響きません。
逆に、伝えたい! という強い思いがあれば、話し方はうまくなくても、確実に話し手の思いは聞き手に届きます。

【 質問 ② 】
伝え方が良い人、悪い人の特徴と違いは何ですか?

【 答え ② 】
相手に理解して欲しいことに絞って、短い話をしているかどうか、です。

伝え方が悪い人は、まとまりなく、同じ話を繰り返しながら、ダラダラ話すイメージがあります。
これは、自分が話したいことを整理せずに話していることに原因があります。

伝え方が良い人は、理解して欲しいことを整理して話をしています。
一番よいのは、自分がこれからどういう話をするのか、最初に短いことばで言うことです。
「さっきさぁ、AさんにBさんがパスしたじゃない。その時にさぁ~」と事実や感想を先に話すと、聞き手は「で、何が言いたいの?」とイライラしてしまいます。
「もっと素早く動こう。」「お互いに声かけ合おう。」
と、言いたいことを短く先に言えば、話は聞いてもらいやすくなります。

【 質問 ③ 】
キャプテンとして部員に何かを伝えるときに、気をつけないといけないことは何ですか?

【 答え ③ 】
マイナスのことばではなく、プラスのことばで伝えることです。

「さっきのような動きじゃダメ。」「なんでもっと大きな声が出せないの!」
これらのことばは、その人の足りないところを指摘する、マイナスのことばです。場合によっては、相手の反感を買う可能性があります。
「もう少し腕の振りをコンパクトにするといいよ。」「もっと大きな声を出せば、他の人との連携がよくなるよ。」
これらは、これをやると今よりもよくなるよ、というアドバイスを伝える、プラスのことばです。

キャプテンは、ことばでメンバーの信頼を得ねばなりません。そのためには、マイナスのことばで否定するのではなく、プラスのことばで肯定的に励ますべきです。

こうした質疑応答を30分程度、とても楽しくさせてもらいました。

なぜ、私は楽しかったのか?

それは、このお二人の話の聴き方が素晴らしかったからです。
終始笑顔で、うなずきながら聞いてくれました。そして、私が答えているときに、「あっ、そうなんだ!」という表情で、反応してくれたのです。

話は、することも大切ですが、それ以上に、聴き方が重要です。その点、この二人の生徒さんはすごいな、と感じ入りました。

そして、何よりも、若いうちから「話し方」に興味を持ってくれていることに、とてもありがたいな、と思いました。
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