日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年3月1日ビジネス会話を円滑にする効果絶大な秘訣とは?

先日、私が参加したミーティングでこんなやり取りがありました。



A:「Bさんの提案はいいな、と思うのですが、実際に実現できるんでしょうか」
B:「この提案の実現には3つのステップが必要でして、1つ目のステップはすべての関係者の合意を得ることです。これには、関係各部の協力がどうしても必要になります。2つ目のステップは・・・」
A:「あの~、Bさん。私の質問に答えて欲しいんですが」
B:「ですから、この提案を実現するための3つのステップを説明してるんです。それで、2つ目は・・・」
A:「いやいや、ステップの説明の前に、この案が実現できるとお考えかどうか聞きたいんです」
B:「そもそもこの案は、今後、我々の働き方を変えていくことが必要であり、そのための具体策として考えました。今のままだと世の中の働き方改革に・・・」
結局、BさんはAさんの疑問にストレートには答えませんでした。こういう場面は、どの組織のミーティングでもよく見かけます。この場合、BさんはAさんが「実現できるか」という質問しているのですから真っ先に「実現可能です」と答えるべきです。その後に「但し、前提条件が3つあります」と説明すればAさんは安心してBさんの説明を聞くことができるでしょう。

話の最初に自分がこれから何を言いたいのかを短い言葉で話す
これを実行するだけで話は驚くほど伝わりやすくなります。逆にこれを最初に言わないから上の例のように聞き手は「つまり何が言いたいんだろう?」とずっとイライラしながら話を聞くことになるのです。
ビジネス会話では効率性・効果性、つまり「早く、正しく」伝わることが肝要です。そのためには、相手に自分の発言の方向性をいち早く知らせることがとても効果的なのです。特に、会議での発言では、何が言いたいのか最後まで聞かないとわからない、という話し方をすると時間をロスしてしまいますし、聞き手にも伝わりにくいです。「Aさんの意見に賛成です」「3つの中では、2つ目の案が良いと思います」などと、まず自分の主張を短く言うと、ぐっと話がわかりやすくなります。

これは、上司などに相談をする場合でもとても大事なことです。
「Yさん、ご相談があります。昨日、P商事にお邪魔したら部長がいなくて課長と話をしました。今度納入する商品について話をしたんですが・・・」といきなり、詳細な事実を話し始める人がいます。これは相談される側からするとどういうことを相談したいのかわからないまま話を聞くことになるので、とてもストレスに感じます。「私の判断でよいか確認させてください」「先方の真意がわからないので、アドバイスをいただきたいです」「誰に相談すればいいかアドバイスが欲しいのです」など、何を相談したいのかを先に言うと相手は安心して話を聞くことができます

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