日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年11月19日上司にわかりやすい報告をする秘訣とは?

あなたは上司などに「何を言っているのか分からない」と言われたことはありませんか? 話がまとまらないというお悩みをお持ちの方は多いですね。今回はまとまった話をするための改善ポイントについてお話します。



例えば、このようなやり取りがあったとします。
上司:「今日のX商事さんへの新商品の説明、どんな感触だった?」
T:「そんなに悪くなかったように思うんですが・・・」
上司:「ん? どういうこと?」
T:「先方の課長にお話したんですけど、パンフレットを長い時間ご覧になってまして、私の説明もうなずきながら聞いてくれてました」
上司:「じゃあ、いい感触だったんだね?」
T:「えぇ~、でも課長から特に何も聞かれなかったし、最後は『ありがとう』とだけ言われたので・・・」
上司:「じゃあ、よかったの? 悪かったの? どっちなの?」

どうでしょうか? もしあなたが上司で、Tさんからこんな話をされたら間違いなくイライラしますよね。
では、Tさんはどういう点を改善すればよいのでしょうか?

まず1つ目は「訪問終了後すぐに相手の感触がよかったのか悪かったのか、判断しておく」ことです。
話がまとまらないという人は考えがまとまっていない、つまり考えていないということがよくあります。Tさんも上司に尋ねられるまで、X商事の感触がどうだったか考えていませんでした。X商事を出た後、道を歩きながらでよいので、まず、感触のよし悪しをハッキリさせましょう。

2つ目は、感触がよし悪しが認識できた後「なぜそういう判断をしたのかを考える」ということです。
これには自問自答するのがとても効果的です。「どうして課長の感触はよかったと思ったんだろう?」そして、自問した結果浮かんだことを短い言葉で個条書きにしてみるのです。メモするのがベストですが、頭の中で整理するだけでもよいでしょう。
例えば課長の感触が良かったとしましょう。
・パンフレットを長い時間見ていた
・話をうなづきながら聞いてくれた
・パンフレットを見ながら「これ、うちで使えそうだな」と独り言を言っていた
こうしたことを整理するのです。

そしてこの整理をしていると、悪い感触につながることも頭に浮かんできます。
・全然質問がなかった
・最後は「ありがとう」だけで検討するという言葉もなかった

では自分はどうして「感触はよかった」と判断したのか。ここでもう一度考えます。そうすると「課長は余計なことは言わないけど必要なことは質問する人だから、今日質問がなかったのはパンフレットと説明で納得できたということだ」という考えが浮かびます。

実は、漠然と「感触はよかった」と判断したとしても潜在意識の中ではこれらのことを考えているのです。それを顕在化して言葉にすれば、説明でできるようになります。

そして3つ目は、上司に報告する際「感触はよかったです」と「まず話の方向性を言う」ことです。
これを言うことで、上司は安心してTさんの報告を聞くことが出来ます。

以上の改善点を踏まえるとTさんの報告は次のようになります。
上司:「今日のX商事さんへの新商品の説明、どんな感触だった?」
T:「感触はよかったです。パンフレットをしっかりご覧になり私の説明にも笑顔でうなづいていました。最後は『ありがとう』ととしか仰いませんでしたが、課長は余計な話はされない方なので検討いただけると思っています」
これならまとまった報告と言えますね。

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