2024年6月5日話が上手くなるためにやるべきこととは?
★話し方に悩む人は多い
先日、少し時間に余裕があったので、本屋に行って何気なく並んでいる本を眺めました。
ビジネス書のコーナーだったのですが、驚いたことに、話し方やコミュニケーションに関する本が数多くありました。
平積みされている書籍も少なくありません。
それだけ、話すことに苦手意識を持っている人が、世の中に多いのだと思います。
私も普段色々な人と接する中で、「ああ、この人は話が苦手なんだなぁ」と感じる人がいます。
そうした人はきっと「話が上手くなりたい」と思っていると思います。
日本話し方センターの話し方教室(ベーシックコース、2日間集中コース)には、そういう思いの人が集まり、仲間意識を持ちながら話し方上達に取り組まれています。
私たちの話し方教室では、話の組み立て方、発声の仕方、話す態度や表情など、話し上手になるために必要なあらゆる面に焦点をあててご指導しています。
その中でも大切なことは、話す前の準備です。
今回はその準備の中から、次の2つのことについて解説します。
- 話すことを準備する
- 話す前に考える

1.話すことを準備する
まず大切なことは、話すことを準備することです。
私たちの話し方教室では、コースの早い段階で『話の材料の集め方』という講義を行っています。
上手く話せない、という人は、話すことが思い浮かばない、という人が多いです。
つまり、そもそも話すことがないことが、話せない大きな原因なのです。
しかし、多くの人はこのことに気付いていません。
話が上手くなるためには、まず話すことを準備することから始めるべきなのです。
私たちの話し方教室では、この『話すこと』を『話の材料』と呼んでいます。
では、この話の材料はどうすれば準備できるのでしょうか。
それは、普段からこまめに集めるしかありません。
話す時になって、話すことが頭の中に勝手に浮かんでくることはあり得ません。
まず材料を自分の頭の中に蓄積しておかねばなりません。
そのためには、普段からコツコツと話の材料を集めて自分の中にストックしておくことが必要です。
では、具体的にどうすればその材料を集められるのでしょうか。
★集めることを意識する
まず何よりも、材料を集めよう、と意識することが肝要です。
私たちの日常には、話の材料になるものが実にたくさんあります。
しかし、私たちはそのほとんどを心に留めずに見逃しています。
これはとても勿体ないことです。
「集めよう!」と意識するだけで、以前よりも物事に対して興味や関心が持てるようになります。
そうすると、今まで何気なく見ていたテレビ番組やネットの記事でも
「そうか。この人のように前向きに考えると、落ち込んだ時でも少し気持ちが楽になれるな」
「へぇ~、新幹線の座席が2列と3列になっているのはこういう理由なのか!」
と、以前よりもそれらの物事に心に留めながら、見聞きすることができるようになります。
話の材料を集めることを意識することが、材料集めの第一歩です。

★日常の体験も意識する
話の材料として集めやすいのは、テレビやネットの記事などですが、実は、私たちの日常で身の回りに起こっているちょっとした出来事もかなり良い材料になります。
- 友人との待ち合わせの時間を午後7時だと思っていたが、実際は17時だった。
あわてて現地に行ったが友人をかなり待たせてしまった。
時間は事前にきちんと確認せねばならないと思った。 - 明日までに会議資料を作らねばならない同僚が切羽詰まっていたので、残業して手伝ってあげた。
無事に資料ができあがり、その同僚からとても感謝された。
感謝されたことがとても嬉しく、これからもできるだけ人の役に立とうと思った。 - 電車で優先座席に座っている人の前に、かなり高齢の方が立っていた。
その人は優先座席に座って寝ていたので、高齢の方が前に立っていることに気付いていなかった。
これを見て、私は優先座席に座っても決して寝ないようにしようと思った。
このような日常の中でのちょっとしたことは、誰でも経験していることです。
こうしたことも立派に話の材料になるので、ぜひ意識してください。
2.その物事について考える
次に必要なことは、日常接する物事について考えるということです。
材料集めを意識して日常の物事に目を向けるようになっても、それらを表面的に見ているだけだと、残念ながら話に使える材料にはなりません。
「これはなぜこうなっているんだろう?」
「あの人はなぜあの時に喜んだんだろう?」
など、見聞きしたことについて考えることがとても重要です。
例えば、
「物価の上昇により投資への関心が高まっている」
という記事を見て、単に
「投資への関心が高まっているようです」
ということを材料としてストックしても、話としてはかなり物足りないでしょう。
それは、事実をそのまま述べているだけだからです。
話は、聞いた人に共感、納得してもらうことがとても大事なのですが、事実を述べただけでは、単なる報告に過ぎないので、共感も納得も得られません。
聞いた人は「だからどうなの?」という反応になるでしょう。
共感、納得してもらうためには「本当に投資をする人が増えるだろうか」などと掘り下げて考えることが大切です。
そうすると、
「物価が上昇すると預金などの価値が目減りするので、それを投資で補おうとする人は増えるだろう。しかし、日本人は元本を減らしたくないという保守的な考えの人が多いだろうから、当面はリスクの少ない商品に投資するのではないか」
と、少し深みのある話ができます。
このように、気になった出来事やニュースなどについて、自分の考えや意見を添えてください。
これによって、話はグッと引き締まったものになります。
ここまで述べてきたように、話の材料を日常意識して集めることで、話をする際、
「何を話したらいいんだろう。何も思いつかない」
という状態から、
「どれを話そうかな。これからいいかな、あれがいいかな」
という状態にに変化します。
そうすると、気持ちに余裕ができてきて、話すことに対する抵抗感が、以前よりも格段に薄らぐはずです。

★話す前に考える
さて、上に述べたことを実行して、話の材料は集まってきました。
次に行うべきことは、話す前に考えることです。
「結局、あなたは何が言いたいの?」
あなたは、こんなことを言われた経験はありませんか?
話すことがあっても、それを相手に適切に伝えないと、話し上手とは言えません。
私たちの話し方教室(ベーシックコース、2日間集中コース)を受講される方の多くが、こうした『言いたいことが伝わらない』という悩みを抱えています。
言いたいことが伝わらない原因は色々あります。
- ダラダラ話していてまとまりがない
- 話があちこちに飛んでしまう
- 必要なことを飛ばして話している
- 自分の考えを適切な言葉に言い表せていない など。
これらの根本的な原因の一つに、『言いたいことを絞り込んでいない』ということがあります。
話が苦手な人は、自分でも何が言いたいかはっきりさせないまま話し始めることが多いのです。
話し方教室の受講生と話をしても、これが原因と思われる人が少なくありません。
では、どのようにすれば言いたい事を絞り込めるのでしょうか。
★話す前にキーワードを作る
その解決策はキーワードを作ることです。
自分が話したいことの主旨を、頭の中で短い言葉にまとめておくのです。
但し、キーワードといっても「絆の強化」や「生産性向上」「責任と権限」というように、一つか二つの名詞を並べたものではありません。
ここでいうキーワードとは、主語と述語でできた短い文章のことです。
「既存先の営業に力を入れるべきだ」
「ネガティブな発言はやめよう」
「誰に相談すればいいか教えて欲しい」

★キーワードが大事な理由
では、なぜキーワードが大切なのでしょうか。
それは、そもそも人は聞いた話を短い文章にして理解し、記憶しようとするからです。
例えば、日常会話でもビジネス会話でも人の話を聞いている時に、
「ああ、あなたが言いたいことは、今度の同窓会で私に幹事をして欲しい、ということね」
「つまり、今のやり方では成果は出ない、ということかな」
というように、話を聞いている人が、話している人の言いたいことをまとめることがあります。
人間は長い文章は理解しにくいし、覚えられません。
話を理解し記憶するためには、短い文章が必要なのです。
しかし、上の例のように、話を聞いている人に「つまり、~」と要約してもらうのは、不誠実な話し方だと言わざるを得ません。
聞き手に、その分余計な負担をかけてしまうからです。
長い文章を聞きながら論旨をつかむのは、かなりの能力を消費する作業です。
ストレスも感じることでしょう。
それを聞き手に強いるような話は、わかりにくい、と評価されても仕方ありません。
従って、ぜひ話をする前に、言いたいことを端的にまとめたキーワードをまとめておいて欲しいのです。
そして、それを話の冒頭に言って欲しいのです。
「この提案にはさらに調査すべきことが2つあります」
「A社は今後取引する上で資金繰りに懸念があります」
「この制度変更案では社員の納得が得られません」
聞き手はそのキーワードが頭に入っているので、安心して話を聞くことができます。

★実践することが大事
「なんだ、そんなことか」と思った人もいるかも知れません。
しかし、私たちは日常、この話の主旨を短い言葉で伝えるということが、驚くほどできていないのです。
話し方はスキルですので、実際に行うことがとても重要です。
こんな単純なことでも、よほど意識しないと習慣になりませんので、ぜひ日々意識しながら実行いただきたいと思います。
★効果的な話し方を学びましょう!
今回は話が上手くなるためにやるべきことを2つ、お伝えしました。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、今回紹介した話の材料集めや話す前に考えることを始めとして、話し方やコミュニケーション全般について、幅広く体系的な講義を行い、それに基づいたトレーニングを行っています。
その効果は話し方教室を受講した多くの人が実感しています。
ぜひ受講者の声をご覧いただいた上で、受講をご検討ください!