日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年2月5日聞き返されないようハッキリと発音しよう!

日本話し方センターの各コースでは、単に「話の仕方」をトレーニングするだけではなく、コミュニケーション全般について講義を行い、実習で具体的なご指導をしています。その中で、相手にきちんと聞こえる話し方もトレーニングの対象としています。

ベーシックコースでは毎回、スピーチ実習を行っています。受講生は様々に個性豊かな話をしてくださいますので、聞いていてとても楽しいです。しかし、話し方のトレーニングを受けに来ていただいている皆さんですので、当然ながらその話し方や話の内容には改善の余地があります。そして、多くの人に共通する改善点に、言葉をハッキリと発音するということがあります。

先日、受講生のKさんがスピーチ実習で「この間、友達とフェスに行きました」と話しました。しかし、私にはその「フェス」という単語がハッキリと聞き取れず、「フェウ?」「フェン?」「フェイ?」など色々と推測してしまいました。そして、そうしているうちにスピーチが頭に入らなくなってしまいました。Kさんは全体的に早口で滑舌にも改善の余地がありました。このスピーチは、Kさんがフェスで遭遇したことが話題なので、どこに行ったのかを聞き手にちゃんと理解してもらわないと後の話がわからなくなります。従って、この一文では「フェス」という単語はとても重要なのです。

では、大切な単語をきちんと聞き取ってもらうにはどのように話せばよいでしょうか

★ポイント1:聞き取りにくい言葉はできるだけ避ける
「フェス」という単語は短いし弱い発音になるので、聞き取ってもらいにくい言葉です。「ジャズフェスティバル」や「バンドコンテスト」など聞き取りやすい言葉にした方がよいでしょう。こうした聞き取りやすい言葉は話しやすい言葉でもあるので、はっきりと発音しやすくなるというメリットもあります。

★ポイント2:大切な言葉は話し方を変える
「フェス」という言葉を話すなら、①「フェス」の前と後に少し間を置いて、②「フェス」をゆっくりと大きめの声で発声します。テキストでこれを表現するのは難しいのですが「この間、友達と フ ェ ス に行きました」という感じで話します。こうすることで、聞き手が大切な言葉を聞き逃すことが少なくなります。

★ポイント3:滑舌をよくする
日本人は一般的に滑舌が悪い人が多いといわれています。滑舌が悪い理由は主に2つです。

口をきちんと開いていない
「あ」なら口をタテに大きく開く、「い」なら口の端をしっかりと引く。口の形をきちんと作らないまま発音するので、歯切れが悪くあいまいな音になってしまいます。話し方教室では、口をきちんと開けるように「口の体操」を毎回やっています。これを家で毎日やっている人は滑舌が格段によくなってきます。

子音の発音が弱い
日本語は母音が強いので、普通に発音すると子音がとても弱く聞こえます。先述の「フェス」も「ス」の「S」の発音が弱いと、途端に何を言ったのか分からなくなります。滑舌が悪い人の話を聞いている人は、はっきりと聞こえない部分は推測して埋めながら話を聞いています。だから、すごく疲れます。人に気持ちよく話を聞いてもらうために、滑舌をよくすることはとても大事です。

人から「今、何て言ったの?」と聞き返されることが多い方は、上に述べたことを実践してみてください。きっと聞き返される回数が減っていくはずです。

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースでは、コミュニケーションの取り方全般について様々な切り口で、受講生一人ひとりに合ったご指導を行っています。その成果は多くの受講生が実感されています。ぜひ一度「受講生の声」をご確認ください!
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