2022年5月26日喋るのが苦手な人がやるべきこととは?
「話すのが苦手」という人はとても多いですね。
特に最近はSNSが普及し、いわゆるテキストコミュニケーションの割合が多くなっています。
実際に人と会って話す場面が減ってしまい、話すことに臆病になっている人も増えているのではないでしょうか。
今回は、苦手意識を持たずに喋るためにやるべきことについて解説します。
★喋るのが苦手な人の特徴とその原因
一言で「喋るのが苦手」と言っても、その特徴は幾つかのタイプに分かれます。
まずどういうタイプがあるのか確認してみましょう。
◆何を話せばいいかわからない
そもそも話すのが苦手なので自分からは話をしないという人がいます。
私たちの話し方教室でも、このタイプの受講生は少なくありません。
こういう人に「どうして話そうとしないんですか?」と尋ねると「話そうと思っても何を話せばよいのかわからないんです」という答えが返ってきます。
「何か話さないと!」と焦れば焦るほど、頭に何も浮かばなくて黙ってしまう。
そうしたことが積み重なると、ますます苦手意識を持ってしまい、悪循環となって余計に話せなくなってしまいます。
この原因として、そもそも話すネタを持っていない、ということがあげられます。
意外に見落としがちなのですが、日常会話でも朝礼のスピーチでも、話す材料がないと話はできません。
どんなに腕の良い料理人でも食材がないと料理は作れません。
それと同じで話すにしても話すネタがないと話はできないのです。
しかし、多くの人はその時に話すことを思いつかないことだけに意識を向け、そもそも話すことが自分の中にストックスされていないことには気付かないのです。
また別の原因として、自分から何かを話さないといけない、と思ってしまうことがあります。
朝礼のスピーチやビジネストークなどでは、自分から話さねばならないでしょう。
しかし、世間話や雑談などでは、必ずしも自分から話す必要はありません。
しかし、そうした場面でも「何か気の利いたことを言わねば」「自分も何か話題を提供せねば」と強く思ってしまうと、気持ちばかり焦って何も話せなくなってしまうのです。
◆言葉が出てこない
話すことがあって話そうとするけれど上手く言葉が出てこない。
こういう悩みを、私たちの話し方教室を見学された方からよく伺います。
そもそも自分の言いたいことを表す言葉が見つからないということもあるでしょう。
また、「こんな言い方をしたら嫌われるかな?」「この言い方だと面白くないかも知れないな」など、相手に受け入れられる言葉や言い方を考えているうちに話せなくなってしまうこともあると思います。
言葉を探したり選んだりしている間にもどかしくなってしまい、段々と話せなくなってしまうのです。
一般に、言葉が出てこない原因は、話をすることに慣れていないことがあげられます。
普段から話をすることに慣れていれば、適当な言葉が出てくるものですが、話し慣れていないと「これをどういう言葉で表せばいいんだろう」「ちゃんとした言葉を使って変に思われないようにしないと」と思ってしまいます。
そうした思いが自らを緊張させてしまい、余計に言葉が出なくなってしまうのです。
◆言いたいことが相手に伝わらない
このタイプの人は、話は普通にするのですが、相手によく「何を言っているのか分からない」「結局何が言いたいの?」と言われてしまいます。
こういう経験は誰にでもあると思いますが、度々言われると「話すことが苦手」という意識になってしまいます。
特に上司への報告などをする際にこうしたことを言われる人が多いようです。
ビジネスでは効率を重視しますので、短く要領よく話すことが求められます。
それができずに要領を得ない話をしてしまうと「よくわからない」という反応が返ってくるのも致し方ないことです。
しかし、本人にはそれがトラウマとなって、話に対する苦手意識が益々強まる結果になります。
なぜ相手に伝わらない話し方をしてしまうのか。
それは、言いたいことが漠然としているからです。
または、そもそも言いたいことが自分でもハッキリしないまま話し始めてしまうからです。
私たちは日常、話し始めてしまったけど、結局言いたいことが何だったのか分からなくなってしまうということがよくあります。
考えながら話しているうちに話があっちこっちに飛んでしまい、まとまりがない話になってしまうこともあるでしょう。
これらは何れも、言いたいことがハッキリとさせていないことが原因なのです。
★喋れるようになるために
さて、ここまで喋るのが苦手な人の特徴とその原因について述べてきました。では、どのようにすれば話せるようになるのでしょうか。
◆普段から話のネタを集める
まず自分の中に話すネタをストックするようにしましょう。
話をしようとしても、その時すぐに話すことを思いつくことはまずありません。
話は材料が命です。
その材料は普段の生活の中で見つけておいて、自分の中にストックしていく必要があります。
私たちの日常には、意識すれば話のネタになるものが実にたくさんあります。
しかし、私たちはそのほとんどに意識を向けないため、スルーしてしまっています。
これは本当に勿体ないことです。
ネットなどでちょっと面白いな、と思ったものをブックマークしておくのもいいでしょう。
また、人から聞いた話をメモしておくのもとても有効です。
しかし、一番話しやすいネタは実は自分の体験談です。
日常の中でちょっと心が動いたエピソードをメモしておくのです。
忘れ物をしたとき、子供の言葉に感動したとき、仲間と言い争いになって悲しい気持ちになったとき、などなど。
ぜひ意識して材料を集めてください。なお、こちらのブログも参考にしてみてください。
◆他の人に話してもらう
上でも述べたように、世間話や雑談などでは、焦って自分から話す必要はありません。
人は本質的には話すことが好きなのです。
であれば、他の人に話してもらうように促せばよいでしょう。
ただし、他の人の話を聞いているばかりでずっと黙っていてはいけません。
世間話や雑談をする目的は、人間関係を取り結ぶことにあります。
黙っていては他の人に存在を認めてもらえないので、よい人間関係を作ることはできません。
ではどうすればよいのでしょうか。
それは「話を聞く」姿勢を見せることです。
具体的には「質問をする」「相槌を打つ」ことを意識してください。
「それからどうなったんですか?」
「それにハマったのはなぜですか?」
「お気に入りのお店はありますか?」
など、相手が話しやすい軽い質問をしてみましょう。
そして相手が話してくれたら、次はあいづちを打ちましょう。
「ああ、そうなんですね」
「そのお店がお気に入りなんですね」
「一度やってみたくなりました」
軽い質問をしながら、あいづちを打って他の人に話してもらうように促すと、自分は喋らなくても話に加わることができます。
そして、常に話を聞く姿勢を示すことで「この人は話を聞いてくれる。いい人だ」という印象を持ってもらうことができます。ぜひ他の人に話してもらう工夫をしてみてください。
◆常に頭の中で自分と会話をする
言葉がすぐに出てこないという人には、常に頭の中で自分と会話をすることをお勧めします。
話はいくら知識が増えても話さなければ上手くなりません。
話すことでしか上手くならないのです。
しかし、在宅勤務やメールでのコミュニケーションが増えている昨今、人と話す機会が減っていることは事実です。
こうした状況でも自分とであればいつでも会話ができます。
「自分と会話をする」とは、思ったことや考えたことを独り言のように頭の中で言葉にするということです。
例えば、「さっきの人、エレベータ降りるときに『開』ボタン押している人に『ありがとうございます』って言ってたな。
自分は今まで『すみません』と言ってたけど、確かに感謝のことばを言った方がいいな」
「今日は5月らしい暖かい日だな。こういう日は穏やかな気持ちになるなぁ」
といった具合です。
見たことや思ったことを言葉にすることを意識し続ければ、話すときにも言葉が出てきやすくなります。
◆話す前に言いたいことを短い文章にする
「何を言っているのか分からない」「結局何が言いたいの?」と言われてしまう人は、話す前に言いたいことを整理しましょう。
そのためには、言いたいことを表す短い文章を考えることをお勧めします。
「A社を訪問しましたが、しばらく新たな注文はなさそうです」
「B商事の部長が交代されるようです」など。
私たちは話をしている際に相手の人から「ああ、要はあなたが言いたいことは△△ということだね」と言われることがあります。
この「△△」にあたる短い文章を事前に考えておいて、話の冒頭に言っておくのです。
そうすれば、相手はあなたの言いたいことが最初に分かっているので、安心して話を聞くことができます。
会議などで意見を言うときにも「今の意見に賛成です」「提案について3つ質問があります」などと言ってから発言すると、分かりやすい話をすることができます。
ぜひ短い文章で言いたいことをまとめてから話してみてください。
◆話し方のトレーニングをしましょう!
今回は喋るのが苦手な人の特徴と原因、そして改善方法をお話しました。
これらのことを自分だけで行えればいいのですが、現実には継続しにくいし、どこまでやればよいのか分からないという面があります。
日本話し方センターのベーシックコースでは、上に述べたような話し方に関する知識を伝えた上で、話すトレーニングを行っています。
その際、講師は受講生お一人おひとりに合ったアドバイスを差し上げています。ぜひ受講をご検討ください!