日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2024年9月21日効果的なスピーチをするための留意点とは?


1.スピーチの目的は相手に共感してもらうこと


話には、必ずその話をする目的があります。

例えば、世間話や雑談には、人間関係をよくするという目的があります。

だから、相手に話を合わせて聞いたり話したりすることがとても重要です。

また、ビジネストークには、効率的・効果的に情報や自分の意思を伝えるという目的があります。

従って、短い言葉で言いたいことを分かりやすく相手に伝える話し方が求められます。

 

では、朝礼や会合、会議の場などでスピーチをする目的はなんでしょうか。

それは聞き手に共感を持ってもらい、自分への信頼を高めることです。

また、場合によっては聞き手に自分が言ったとおりに動いてもらうことです。

話をする場面によって微妙に異なるでしょうが、人前で話す場合は概ねこれらの目的があると思います。

では、この目的を達成して効果的なスピーチをするためには、どういうことに留意すればよいのでしょうか?

以下に主な留意点を3つご紹介します。

2.原稿から目を上げて話す


1つ目は、原稿から目を上げて話すことです。

スピーチをしている時に、原稿ばかり見て話している人がよくいます。

特にあがり症の人に多い傾向です。

しかし、原稿を見ながら話すと、単に原稿を読んでいるだけなので、スピーチではなく朗読になってしまいます。

そうすると、聞き手は自分たちに向かって話しているという意識が持てません。

「自分たちを無視して勝手に話している」と思って、スピーチを聞こうという気持ちになりません。

また、書いてあることを単に読み上げているだけなので、聞き手は「本当にそう思っているのかな?」と話している内容にも不信感を持ってしまいます。

話はどんな場合でも聞き手の方を見ながら話すのが大原則です。

原稿に頼りながら話す場合でも、原稿を見るときは黙って見ましょう。

そして、話す時は顔を上げて聞き手の方を見ながら話しましょう。

これはスピーチをする上で、とても大切なことですのでぜひご留意ください。

 

3.適切な言葉を使う


2つ目は、その場に応じた適切な言葉を使うことです。

最近の政治家や経営者が「させていただく」という表現を頻繁に使っています。

私は、この過剰な敬語がとても気になります。

例えば、

「私が当選させていただきましたあきつきには、経済対策をしっかりとさせていただくことを、お約束させていただきたいと思います」

といった話し方をする政治家がいます。

謙虚な姿勢を丁寧に表わしたいという気持ちから、このような言い方になるのでしょう。

しかし、余りに丁寧すぎるので、聞き手は「自信がないのかな?」「本当にやる気があるのかな?」と不信感を持ってしまいます。

また、言葉数が多いので話が長くなり、ダラダラした印象にもなります。

「私が当選したあきつきには、経済対策をしっかりと行うことをお約束します」

と短く言った方が分かりやすいし、歯切れがいいので信頼感も出てきます。

また、この例にある「しっかり」という言葉にも引っかかりを感じます。

「しっかり」という言葉には全く具体性を感じないからです。

話を聞いている人の頭の中にイメージが浮かべば、その話は具体的だと言えます。

しかし、「しっかり」という言葉は極めて抽象的で、何をどこまでやるのかイメージできません。

この言葉も聞き手に「何をどこまでやろうとしているのか分からないな」「本当にやろうとしているのかな?」という疑問を抱かせてしまうでしょう。

聞き手が納得でき、信頼を感じる言葉や言い回しを意識しましょう。



4.話に感情を込める


3つ目は、話に感情を込めることです。

誰でも、世間話や雑談をしている時は、面白い話は笑いながら、悲しい話はしんみりとした口調で話します。

しかし、スピーチではそうした感情表現がなく、一本調子の棒読みのような話し方になってしまうという人がとても多いです。

人前に出ると緊張するので、世間話のようには話せないかも知れません。

しかし、聞き手に共感してもらうためには、スピーチをする際の感情表現はとても大切です。

ぜひ人前でスピーチする際は、感情を込めて話しましょう。

例えば、会社や部門の方針を話している時は、力強い音調で話すことで説得力が倍増します。

また、前期の業績が思わしくなかった時は残念な気持ちを言葉に表すと「この人は本当に悔しい思いをしているんだな」と、話し手の人柄が聞き手に伝わります。

感情を込めて話すことをぜひ意識してください。

 

5.日本話し方センターで学びましょう!


今回はスピーチをする際の留意点を幾つかご紹介しました。

日本話し方センターでは、人前での話し方についてこれ以外にも様々な切り口で知識を伝え、その人その人に合った話し方のご指導をしています。

多くの方にあがり症を克服して堂々と話せるようになっていただいています。

ぜひ受講者の声をお確かめの上、ご受講ください!
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