2022年5月30日人前で話す際に気をつけるべきこととは?
★話には目的がある
政治家や企業の幹部が記者会見で話をしている姿をよく見かけます。私はその映像を見て「残念だなぁ、もったいないなぁ」と思うことが度々あります。それは話す目的を意識して話しているようには思えない人が多いからです。
話には必ず話す目的があります。そして、その目的は話す場面によって異なります。例えば、世間話や雑談には、人間関係をよくするという目的があります。だから、相手に話を合わせて聞いたり話したりすることが重要になってきます。また、ビジネストークには、効率的・効果的に情報や自分の意思を伝えるという目的があります。従って、短い言葉で言いたいことが的確に相手に伝わる話し方が求められます。では、人前で話す目的はなんでしょうか。
それは聞き手に共感を持ってもらい、自分への信頼を高めることです。話をする場面によって微妙に異なるでしょうが、人前で話す場合は概ねこの目的があると思います。
では、この目的のためにはどういう話し方が必要なのでしょうか?
以下に主なことを挙げてみます。

★適切な言葉を使う
人前での話に限りませんが、まず大切なことは適切な言葉や言い回しを使うということです。特に最近の政治家や経営者が多用している「させていただく」という言い回しがとても気になります。「私が当選したあきつきには、経済対策をしっかりとさせていただくことを、お約束させていただきます」など。謙虚な姿勢を丁寧に表現したいという気持ちから、このような言い方になるのでしょう。しかし、余りに丁寧すぎるので、聞き手は「自信がないのかな?」「本当にやる気があるのかな?」と不信感を持ってしまいます。また、言葉数が多いので話が長くなり、ダラダラした印象にもなります。「私が当選したあきつきには、経済対策をしっかりと行うことをお約束します」と短く言った方が分かりやすいし、歯切れがいいので信頼感も出てきます。
また、この例にある「しっかり」という言葉にも引っかかりを感じます。「しっかり」という言葉に具体性を感じないからです。話を聞いている聞き手の頭の中にイメージが浮かべば、その話は具体的だと言えます。しかし、「しっかり」という言葉は抽象的で何をどこまでやるのかイメージできません。この言葉も聞き手に「何をどこまでやろうとしているのか分からないな」「本当にやろうとしているのかな?」という疑問を抱かせてしまうでしょう。
話をする目的に沿った言葉や言い回しを意識しましょう。
★原稿から目を上げて話す
人前で話す際に、原稿ばかり見て聞き手の方を見ない人をよく見かけます。原稿を見ながら話をすると、聞き手は自分たちに向かって話しているという意識が持てず、無視された感覚になり、話を聞こうという気持ちがなくなっていきます。また、原稿を読み上げている姿を見ると、聞き手は「本当にそう思っているのかな?」と話している内容にも不信感を持ってしまいます。話はどんな場合でも聞き手の方を見ながら話すのが大原則です。原稿に頼りながら話す場合でも、原稿を見るときは黙って見ましょう。そして、話す時は顔を上げて聞き手の方を見ながら話しましょう。こうすれば、より信頼感のある話し方ができるようになります。
★話に気持ちを乗せる
誰でも、世間話や雑談をしている時は、面白い話は笑いながら、悲しい話はしんみりとした口調で話します。しかし、人前で話すと、そうした感情表現は引っ込んでしまい、一本調子の棒読みのような話し方になってしまうという人はとても多いです。人前に出ると緊張するので世間話のようには話せないかも知れません。しかし、聞き手に共感してもらうためには、感情表現はとても大切なのです。そのためには話に気持ちを乗せて話しましょう。例えば、会社や部門の方針を話している時は力強い音調で話すことがとても効果的です。また、前期の業績が思わしくなかった時は残念な気持ちを言葉に表すと「この人は本当に悔しい思いをしているんだな」と、話し手の人柄も聞き手に伝わります。
話に気持ちを乗せることをぜひ意識してください。
★表情で語る
「話は目で聞かれる」という言葉があります。話し手の表情と話の内容が合っていないと、聞き手は表情の方を信頼しようとします。例えば、「私は何としてもこの事業を成功させます」と眠たそうなトロンとした目で話をされたら、あなたはこの人が本気でそう思っていると思うでしょうか。ほとんどの人が「この人は口で言っているだけで本気じゃないな」と判断してしまうでしょう。どういう話をするにせよ、その話と表情が一致していれば、聞き手の共感性や信頼性は倍増します。ぜひ話す表情にも気を配ってください。
★日本話し方センターで学びましょう!
今回は人前で話す際の留意点を幾つかご紹介しました。日本話し方センターでは、人前での話し方についてこれ以外にも様々な切り口で知識を伝え、その人その人に合ったご指導をしています。多くの方にあがり症を克服して堂々と話せるようになっていただいています。ぜひ受講者の声をお確かめの上、受講をご検討ください!