日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年4月20日Web会議で気をつけるべき話し方、発声の仕方とは

少し前にこのブログで、「Web会議で効果的な話し方とは?」という記事を書きました。

今回はその続きで、Web会議で効果的な話し方、発声の仕方についてお伝えします。



 

Web会議をしていてストレスに感じるのは、発言している人の声が聞き取れないことが少なからずある、ということです。

インターネット回線の混み具合によって音声や画像の品質が悪くなったり、ハウリングが起こったりします。

特に緊急事態宣言発令以降、オンラインでの会議や面接などが急激に増えたせいか、不安定な状態になることが多いように感じます。

 

こうした状況でも自分の話がきちんと聞き手に伝わるために、私たちが話し方で注意すべきことは、次の2つです。

1つ目は、書きことばではなく、話しことばを使う、ということです。

書きことばには、漢字の音読みで表現した熟語が多く使われます。

ところが、日本語は同音異義語が世界一多い言語と言われていて、話の中で熟語を使われると、聞き手は混乱することがあります。

例えば、会議の参加者が

「この会社のセイカギョウを営んでいます。」

という発言をしたとします。

「セイカギョウ」には、青果業、生花業、製菓業、製靴業などの漢字が当てはまるので、聞き手は混乱してしまいます。

または、きっとこれだろう、と勝手に漢字を当てはめます。

何れにしても、きちんと話が伝わらない恐れがあります。

一方、話しことばは、漢字の訓読みを使いますが、書きことばほど多く使いません。

上の例であれば、

「この会社は、野菜や果物を販売しています。」
「この会社は、お菓子を作っています。」

などと言えば、聞き手は混乱しないでしょう。

また、「当部門の業績は、対前年同月比5%増収で進捗しています。」などという表現も、

聞き取りにくい状況では、聞き手にストレスを与えてしまいます。

そもそも聞き手は、上のような表現を聞いても、頭の中で、

「ああ、売上は増えているんだな。」

と話しことばで解釈します。

であれば、はじめから話しことばで話した方がストレスがありません。

例えば、「私たちの部門では、昨年よりも売上が5%増えています。」

というように言えば、聞き手はストレスを感じることはないでしょう。

 

2つ目に注意すべきことは、滑舌に注意する、ということです。

滑舌が悪い理由は主に2つです。

一つは、子音の発音が弱いことです。

日本語は母音が強いので、普通に発音すると子音がとても弱く聞こえます。

Web会議では特に、子音を強く発音した方がよいです。

以前、日本話し方センターの話し方教室ベーシックコースを受講されている方が、

タクシーの運転手さんに、行き先を「日比谷」と告げたところ、「渋谷」に連れて行かれた、

という話をされていました。

普段でも子音を強く発音しないと聞き間違いをされやすいです。

Web会議で相手の声が聞き取りにくい状況では、意識して子音を強く発音してください。

 

滑舌が悪いもう一つの理由は、口をきちんと開いていないことです。

「あ」なら口をタテに大きく開く、「い」なら口の端をしっかりと引く。

口の形をきちんと作らないまま発音するので、歯切れが悪くあいまいな音になってしまいます。

話し方教室では、口をきちんと開けるように、「口の体操」を毎回やっています。

これを家でも毎日やっている人は、滑舌が格段によくなってきます。

 

上で述べたことは、日本話し方センターのベーシックコースでお伝えしていることです。

これ以外にも、受講される方に応じたアドバイスをしています。

無料体験も行っていますので、ぜひ一度お越しください!
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