日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年1月22日説得力のある話をするには?

先日、ベーシックコース無料体験教室に来られた方は、このようなお悩みをお持ちでした。

「最近、職位があがって部下に話をしたり訓示したりする場面が出てきました。

しかし、自分は早口でとりとめなく話をしてしまうので、部下が納得できる話ができません。

何とかしたいと思い、見学に来ました。」

管理職やマネジャーの方には、同様の悩みをお持ちの方も多いのでは、と思います。

では、部下やその他の人を納得させるために、上司はどういう話し方をすればよいのでしょうか?



1つ目に大切なことは、上司自身が強い気持ちで「ぜひ分かってもらいたい!」と思える話をすることです。

職場での朝礼などでの上司の話は、義務感で話をしている、何か話さねばならないから適当に話をしている、ということが散見されます。

話し手の気持ちは、その話し方で聞き手にストレートに伝わります。

自分でもどうでもいいと思っている話は、その「どうでもいい」感が態度や音調に現れてしまいます。

部下に聞いてもらえる話がしたいのなら、まず上司が何を聞いてもらいたいか明確にして、ぜひそれを聞いてもらいたい、と強く思うことが必要なのです。

 

人を納得させる話し方で2つ目に大切なことは、何を分かって欲しいのか、短い言葉でまとめることです。

往々にして上司は、話ながら思いついたことも含めて、長々と話をすることがよくあります。

場合によっては話があちこちに飛んでしまい、聞いている人は何が言いたかったのかさっぱり理解できなかった、ということも珍しくありません。

「今日は、安全運転を心がけて欲しい、という話をします」

「今から人事制度の変更点について説明します。ポイントは、在宅勤務がしやすい制度になる、ということです」

これらの例のように、分かって欲しいことを短いメッセージにして伝えながら、話をすると聞き手は格段に理解しやすくなります。

また、短い言葉は記憶に残りやすいので、上司の話を部下がその後も覚えている確率が高まります。

 

3つ目は、2つ目で述べた短いメッセージを、必ず主語と述語を含んだものにする、体言止めにしない、ということです。

「安全運転を心がけて欲しい」

「在宅勤務がしやすくなる」

のように主語と述語を入れて話すようにしてください。

避けて欲しいのは次のような話し方です。

「今日は安全運転について話します」

「今から在宅勤務に関する人事制度の変更点について説明します」

この話し方では、「安全運転」や「在宅勤務」が何なのかよくわからず、聞き手の記憶に残りにくいのです。

主語と述語を入れた表現にすれば主張が明確になり、圧倒的に理解してもらいやすくなります。

 

そして4つ目は、できるだけエピソードや例話を入れて話をする、ということです。

話に必要なことは、聞き手がその話に共感できることです。

人が共感を抱きやすいのは、何と言っても「ストーリー」です。

話にストーリー性を持たせるためには、エピソードや例話を入れるのが効果的です。

例えば、安全運転を心がけて欲しい、という話をするのなら、次のような例を入れると効果的です。

「運転手が左折する際、一瞬確認を怠ったために高校生の自転車を巻き込んでしまった。

その高校生は一命は取り留めたものの意識が戻らない状態が何年も続いている。

裁判所は運転手に1億7千万円の賠償命令を出した。

一瞬の気の緩みがあなたや他人の一生を台無しにしてしまうこともある」

このような例話を入れると、聞き手も共感を覚えて、気を引き締めて運転しよう、と思うのではないでしょうか。

 

人に納得してもらう話をすることはなかなか難しいことですが、以上の4点を意識すればぐっと説得力のある話をすることができます。

 

日本話し方センターのベーシックコースでは、上のような人を納得させる話し方も含めてコミュニケーション全般について幅広くご指導しています。

ぜひ一度無料体験教室にお越しください!
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