日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年7月4日自分の中にある材料を掘り出そう


話し方教室では、すべての教室で同じカリキュラムで講義を行いますが、ワークなどは、講師毎に独自のものを実施しています。

先日、ある講師が「1分間スピーチ」というワークを行っていました。

これは、講師がその場で出したテーマについて、即興で1分間のスピーチをする、というものです。

テーマは、「私が好きな季節」や「今持っているボールペンについて話す」などなど。
これを繰り返し行うことで、人前で話すことに慣れるとともに、話の材料を即興で探し、組み立てる訓練にもなります。

この間、講師から出されたテーマが、「子供の頃に好きだったもの」でした。



私は、受講生ではないのでスピーチはしませんが、このテーマを聞いたとき、「私だったら、何を話すかなぁ・・・」と考えて見ました。

ところが、自分でも驚いたことに、しばらく考えても、これ、というものが浮かんできません。

私は現在、59歳。子供の頃の記憶は段々と薄れてきています。そのせいか、つまらないことは思い出しますが、「そうそう、これ!」というものはすぐには出てきませんでした。

でも、子供の頃の話なので、ネタは確実に私の中にあるはずです。

案の定、少し時間をかけて真剣に思い出してみると、次第に色々なことが思い出されてきました。

「日が暮れるまでソフトボールの練習をしていた」

「暇があればよく鉄道時刻表を見ていた」

「春には田んぼで、きれいな夕日を見ながらレンゲの蜜を吸った」・・・

私は、この時、「ああ、私は自分のこと、まだまだわかってなかったなぁ。自分のネタ探し、してなかったんだなぁ。」と思いました。

子供の頃、中学・高校の頃、大学の頃、それ以降の各年代でのエピソードや好きだったことなどを思い出して、すぐに話ができるようにしておけば、もっと自分のことが語れるはずです。

話し方教室では、話のネタを、体験談や見たもの、聞いたもの、読んだものから探しましょう、とお伝えしています。

それに加えて、上に書いたような、自分の中に隠れているエピソードやその時に感じたことなどを掘り出して、まとめておく。

そうすれば、より自分のことが具体的に理解できて人に語ることができます。

そればかりではなく、自分がどういう人間かということを深く理解できますので、就職面接などでは、どんな質問にも答えられるようになるでしょう。

また、人生における様々な岐路で、悔いのない判断ができるでしょう。

皆さんも、ご自身が経験されてきたエピソードを思い返して、まとめてみてはどうでしょうか。
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