日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年2月21日効果的な就活の準備とは?


★面接では具体的に話すべき


私たちの話し方教室には、就職活動を控えた大学生がよく受講されています。

  • 就職面談できちんと話をする自信がない

  • 実際にインターンで面接を受けたが失敗した


という人が、面談で落ち着いて話せるようになるために切磋琢磨されています。

しかし、私はそういう受講生と話をしていて、とても気になることがあります。

それは、話がかなり抽象的で具体性に欠ける、ということです。

 

話はどんな場合でも、どんな相手に対してでも、具体的に話す必要があります。

特に自分のことを分かってもらわねばならない採用面接では、具体的に話すことは必須です。

従って、私たちの話し方教室では、具体的に話すことに特に力を入れてご指導しています。

そして、そのコツをつかんだ多くの就活生に、具体的に話せるようになってもらっています。



話を具体的にする秘訣は、過去の経験をもとに話すことです。

具体的な過去の事実をもとに話すと、相手は格段に理解しやすくなります。

また、話に真実性が加わり、相手の信頼につながります。

しかし、それだけでは少し物足りなく感じることがあります。

単に過去の事実だけを話したのでは、話に深みがなく、あなたの本質が十分には表現できないのです。

では、この点を解消するためにはどうすれば良いのでしょうか。

話し方教室を受講した就活生のDさんの例をもとに解説しましょう。



★就活生Dさんの例


話し方教室の受講生のDさんは、自分の話が抽象的なことは自覚していました。

しかし、どのようにすればわかりやすい話ができるのかわからず、悩んでいました。

このことをDさんから相談された私は、小学生から今まで経験してきたことで、自分の特徴が出ていると思うエピソードや心が動いたエピソードを書き出すようお願いしました。

先に述べたように、具体的な事実を集めることをお願いしたのです。

数日後、Dさんは私がお願いしたエピソードを書き出してきましたが、何だか浮かない顔です。

「書き出してはみましたが、どれもピンと来なくて・・・」

Dさんが書き出した内容は、次のようなものでした。

  1. 高校時代は数学が好きだった。数学の公式に当てはめて解くのではなく、なぜそういう公式になるのかという本質まで掘り下げて理解して解くようにした。なぜなら、誰でもできることをやるのは嫌で、自分ならではの方法で解きたいと思ったからだと思う。

  2. 小学生から今まで友達は多かったし、今も友達と関わることが楽しいと感じている。

  3. 小学校高学年の時、友達と秘密基地を作るのに熱中した。自分たちだけの落ち着ける空間を作るのが楽しかった。


私はこれを見て「ああ、Dさんはいい材料を持っているな!」と思いました。

話が少し具体的になってきましたし、1.~3.は相互に関連すると感じたからです。

試しに、「Dさんにとって友達とはどういう存在ですか?」

と確認すると

「自分にとってなくてはならないものです。でも、友達には自分と似たような人が多いですね・・・お互いに競い合う存在かも知れません」

という答えが返ってきました。


★話と話をつなぐ


ここで大切なことは、話をつなぐ、ということです。

多くの就活生は、上の1.~3.をバラバラに捉えます。

しかし、これらに共通する特徴がないかな、と考えると、よりハッキリしたものが見えてきます。

例えば、私は次のような仮説を考えました。

  • 1.と3.から、Dさんは自分の個性を活かした、自分ならではのユニークさを大切にしている。また、何かを創り出す、ということにとても興味がある。

  • 2.~3.と追加の応答から、Dさんにはお互いに切磋琢磨する存在が不可欠である。


この仮説をDさんに話してみたところ、

「あっ! そうです! 何だかとってもしっくりきます!」

という反応が返ってきました。

そうであれば、Dさんがどのような会社に勤めたいと思っているか、ということもイメージできてきます。

  • 独創性豊かなものを生み出すことにチャレンジしている会社

  • 新しいものを創り出すことに社員同士が情熱を傾けている会社


Dさんにこれも伝えたところ、

「そうですね。とても納得できます~」

とうれしそうでした。

 

★具体的なエピソードを探してつなぐ


当初浮かない顔をしていたDさんは、エピソードを書き出すのが精一杯で、話をつなぐという視点が弱かったのです。

人間は集中して考えていると極端に視野が狭くなるので、Dさんが気付かなかったのは、ある意味、当然のことです。

しかし、上に述べたように、一つひとつの話を解釈した上でつないでいくことで、新たなものが見えてきたり、新たな発想ができるようになります。

就活においては自分の性格や特徴、考えを端的に語って相手に納得してもらわねばなりません。

その際に裏付けとなる事実=エピソードを話すことは必須です。

そして、それらのエピソードから紡ぎ出される自分の特徴を整理せねばなりません。

これから就職面接を受ける人は、過去の自分のエピソードをできるだけ書きだして、それらを客観的に見てつなぎ合わせてみてください。

きっと新たな発見があり、面接で話す材料が次々にできてくるはずです。


★話の組み立てるスキルを磨きましょう!


今回は、就活生の話を例にして、具体的なエピソードを話すこと、そして、そのエピソードを掘り下げたりつなげたりすることで、より本質的で不快話ができる、ということをお話しました。

特に就職活動を控えた人にはぜひ実行していただきたいことです。

しかし、これを自分だけでやろうとしても、なかなか思考がすすみませんので、焦らずにじっくりと取り組むことが肝要です。

そして、そうしたことが難しい、と感じられる方は、ぜひ日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースを活用してください。

これらの話し方教室では、体験談をもとに話を端的かつ具体的にまとめるトレーニングを行っています。

受講された多くの就活生が、面接をクリアして内定を勝ち取られています。

話をまとめることが苦手な方も、ぜひ受講をご検討ください!
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