日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年6月9日聞き返されない話し方をするためには?



★滑舌は改善しにくいもの


日本話し方センターのベーシックコースを受講されている皆さんは、回を重ねる毎に聞き応えのある話をされるようになります。しかし、人にはそれぞれ話し方のクセというものがあり、これはなかなか改善できない場合が多いです。


最近、3ヶ月のコースもそろそろ終わる頃の受講生Hさんのスピーチを聞いて、感心すると同時にもったいないなぁ、と思うことがありました。Hさんは、以前に比べて大きな声でまとまった話ができるようになっています。「しっかりと話せるようになってきたなぁ。かなり練習しているんだろうなぁ」と思いながらスピーチを聞いていました。しかし、途中で、「私の卒業した学校のショクリョウ説明会で話してくれないか、と頼まれました」という部分があり、私は「ん?」と引っかかってしまいました。「ショクリョウ説明会って何だろう? Hさんは農業関係の学校を卒業したのかなぁ・・・」。その後も、スピーチの中で何度か「ショクリョウ説明」という言葉が出てきて、その度に「何だろう?」と思っていました。スピーチ終了後、Hさんに確認してやっとわかりました。Hさんは「職業説明会」と言っていたのです。卒業した学校の在校生に、Hさんがどんな仕事をしているか、話して欲しいと頼まれたそうなのです。Hさんは、上に述べたようにかなり話が上手になってきたのですが、滑舌がなかなか改善していなかったのです。




Hさんの例に限らず、滑舌が良くなくて聞き間違いをされるという人は少なくないようです。では、滑舌が悪い人はどうすればいいのでしょうか。



★「口の体操」をする


1つは、「口の体操」をすることです。
これは、口の周りの筋肉を柔らかくする運動のことで、「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」とよくアナウンサーがやっていますね。あの体操です。滑舌が悪い原因の一つに口の周りの筋肉がキチンと動いていないということがあります。そのために発音が曖昧になってしまうのです。この体操を毎日続けることで、口の周りの筋肉を敏捷に動かせるようになり、クリアな発音ができるようになっていきます。ちなみに、日本話し方センターの講師は、毎日、口の体操をしています。



★子音を強く発音する


改善策の二つ目は、子音を強く発音することです。
日本語は母音がとても強い言語です。従って、意識しないと子音はとても弱く聞こえます。上に紹介したHさんはこの典型的な例です。子音が弱いので「ショクギョウ」が「ショクリョウ」に聞こえてしまうのです。英語を母国語として話している人は、かなり子音を強調して話しますよね。あれと同じ感じで、子音を強く発音することを意識すると滑舌は改善していきます。



★聞き間違いをされない言葉を使う


ところで、滑舌の改善以外に聞き取りやすい話し方ができる方策がもう一つあります。それは、聞き間違いをされにくい言葉を使う、ということです。
「ショクギョウ説明」ではなく「仕事の説明」と言えば、聞き間違いをされる可能性はかなり低くなるでしょう。ポイントは、聞き手が漢字を思い浮かべないと理解できない「漢語」を使わず、聞いてすぐに理解できる「話し言葉」を使うということです。例えば「飲食する」は「飲んだり食べたりする」、「跳躍する」は「飛び跳ねる」、「購入する」は「買う」と言った方が聞き間違いは少なくなるはずです。


音声の品質が余り良くないオンラインでのコミュニケーションが増えるにつれて、聞き取りにくいという場面も増えていくでしょう。自分の言葉をしっかりと相手に伝えるために、ぜひ滑舌を意識してください。



★発音の仕方も学べます!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、話の仕方や話の組み立て方などとともに、滑舌も含めた発音の仕方もしっかりとアドバイスし、トレーニングしていただけます。ぜひご受講をご検討ください!

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