2020年3月5日相手の立場に自分を置き換えて物事を考える
先日、話し方教室ベーシックコースで、受講生のCさんがこんなスピーチをされました。
「お客様に資料を作成してお届けする約束をしていました。
しかし、約束の日になっても予想以上に作成に手間取りそうだったので、
『すみません。作成が少し遅れていますが、今日の夕方には必ずお届けします。』
と、お客様に連絡しました。
お客様は、『夕方なら宅配便の発送に間に合うからいいですよ。』
と言ってくださいました。
ところが、その日の夕方、お客様から電話がありました。
『もう6時半だぞ!いつまで待たせるんだ!』
大変怒っておられたので、すぐに上司に報告してお詫びいただきました。
資料はそれからしばらくしてできあがったのですぐにお届けしましたが、
お客様のお怒りは治まりませんでした。
これからは仕事はもっと前倒しでやろうと思いました。」
この話を少し振り返ってみましょう。
Cさんは、「今日の夕方」とお客様に伝えたところ、お客様は「それなら宅配便の発送に間に合う」と答えています。
この時点で、お客様は夕方ということは5時ごろには届けてくれるだろう、などと、具体的な時間を想定していたはずです。
一方、Cさんは夕方になっても資料を作成しています。
この時、6時を過ぎてもまだ夕方と言えるだろう、と思っていたかも知れません。
Cさんとお客様の「夕方」という言葉から想定される具体的な時刻にずれが生じたことが伺われます。
もし、お客様に電話をした時、Cさんが「その宅配便の集荷は何時ですか?」と聞いていたらどうでしょう。
お客様から「5時です。」というお答えを聞いていたら、「夕方」という曖昧な表現ではなく、一定の時刻がお互いの間で認識できます。
そうすれば、こうしたトラブルも避けられたことでしょう。
この話のポイントは次の2つです。
一つは、常に相手のことを考える、ということです。
Cさんは自分の仕事は、お客様に資料を提出することだと思っていたように感じます。
話し方教室では、折りに触れて、「相手の立場に自分を置き換えて物事を考える」ということをお伝えしています。
この言葉に従って、Cさんが電話をしている時にお客様の立場に自分を置き換えていればどうでしょうか。
きっと、その資料をいつ、どのように使うか、ということに思いを馳せ、宅配便の集荷時間を確認することができたと思います。
もう一つのポイントは、具体的に話す、ということです。
上でも述べたように、「夕方」という言葉を聞いて連想する具体的な時刻は、人それぞれ違います。
この曖昧さが円滑なコミュニケーションの妨げになることがよくあります。
こうした曖昧な表現を我々は何気なく使っていることが驚くほど多いのです。
このことは、以前のブログで書いた指示代名詞の使い方と共通した危うさがあります。
「近く」「大きい」「すぐに」などはよく使う言葉ですが、曖昧だな、と感じた時は具体的に確認した方がいいですね。
しかし、この曖昧な表現は相手は私と同じように理解しているだろう、という思い込みがあるから平気で使ってしまうのかも知れません。
そう考えると、相手の立場に立って考えるということは、とても大切なことだと思います。
「お客様に資料を作成してお届けする約束をしていました。
しかし、約束の日になっても予想以上に作成に手間取りそうだったので、
『すみません。作成が少し遅れていますが、今日の夕方には必ずお届けします。』
と、お客様に連絡しました。
お客様は、『夕方なら宅配便の発送に間に合うからいいですよ。』
と言ってくださいました。
ところが、その日の夕方、お客様から電話がありました。
『もう6時半だぞ!いつまで待たせるんだ!』
大変怒っておられたので、すぐに上司に報告してお詫びいただきました。
資料はそれからしばらくしてできあがったのですぐにお届けしましたが、
お客様のお怒りは治まりませんでした。
これからは仕事はもっと前倒しでやろうと思いました。」
この話を少し振り返ってみましょう。
Cさんは、「今日の夕方」とお客様に伝えたところ、お客様は「それなら宅配便の発送に間に合う」と答えています。
この時点で、お客様は夕方ということは5時ごろには届けてくれるだろう、などと、具体的な時間を想定していたはずです。
一方、Cさんは夕方になっても資料を作成しています。
この時、6時を過ぎてもまだ夕方と言えるだろう、と思っていたかも知れません。
Cさんとお客様の「夕方」という言葉から想定される具体的な時刻にずれが生じたことが伺われます。
もし、お客様に電話をした時、Cさんが「その宅配便の集荷は何時ですか?」と聞いていたらどうでしょう。
お客様から「5時です。」というお答えを聞いていたら、「夕方」という曖昧な表現ではなく、一定の時刻がお互いの間で認識できます。
そうすれば、こうしたトラブルも避けられたことでしょう。
この話のポイントは次の2つです。
一つは、常に相手のことを考える、ということです。
Cさんは自分の仕事は、お客様に資料を提出することだと思っていたように感じます。
話し方教室では、折りに触れて、「相手の立場に自分を置き換えて物事を考える」ということをお伝えしています。
この言葉に従って、Cさんが電話をしている時にお客様の立場に自分を置き換えていればどうでしょうか。
きっと、その資料をいつ、どのように使うか、ということに思いを馳せ、宅配便の集荷時間を確認することができたと思います。
もう一つのポイントは、具体的に話す、ということです。
上でも述べたように、「夕方」という言葉を聞いて連想する具体的な時刻は、人それぞれ違います。
この曖昧さが円滑なコミュニケーションの妨げになることがよくあります。
こうした曖昧な表現を我々は何気なく使っていることが驚くほど多いのです。
このことは、以前のブログで書いた指示代名詞の使い方と共通した危うさがあります。
「近く」「大きい」「すぐに」などはよく使う言葉ですが、曖昧だな、と感じた時は具体的に確認した方がいいですね。
しかし、この曖昧な表現は相手は私と同じように理解しているだろう、という思い込みがあるから平気で使ってしまうのかも知れません。
そう考えると、相手の立場に立って考えるということは、とても大切なことだと思います。