日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2021年4月21日話を聞いて考えるクセをつけよう

日本話し方センターのベーシックコースでは、講師が話し方やコミュニケーションに関する講義をした後、受講生が2分間のスピーチをしています。

話し方を学ぶ上で、人のスピーチを聞くことはとても大切です。

実に多くのことが学べますし、疑似体験ができるからです。

また、話を聞いて考えることで、自分の意見を持つ訓練にもなります。

幾つか例を示しましょう。



 

先日、受講生のHさんが次のようなスピーチをされました。

ある日実家に帰ると弟さんがいました。

その弟さんとはあることがあってから気まずくなり、十数年、口をきいていませんでした。

Hさんはその状態が常々良くないと思っていました。

ベーシックコースの初回講義であいさつの大切さの講義を聞いたHさんは、思い切って弟さんに「おはよう、元気?」と話しかけました。

すると、弟さんはビックリしながらも、「う、うん。おはよう、兄貴は元気?」と返事を返してくれました。

それから、「今どうしてるの?」などと近況をお互いに報告し合い、会話が続きました。

そして、最後には、「じゃあ、今度久しぶりに飲みに行こうか」という話になったそうです。

 

私はこの話を聞いて、次のように考えました。

・仲が良くなかった人との関係が修復するという経験は中々できるものではない

・勇気を出して話してみると、わだかまりがあっさり取れることもある

・話しにくい人と話すきっかけを作るあいさつは本当に大切だ

 

また、別の日にIさんはこんなスピーチをされました。

2年ほど前、旅行でハワイに行くために、家を出て成田空港に向かいました。

ところが、台風の影響で空港までの交通機関が大幅に遅れており、電車、バス、タクシーを乗り継いで出発時間ギリギリに空港に着きました。

急いでチェックインをしようとしたところ、パスポートがありません。

よくよく考えて見ると、途中のバスの中に忘れたことを思い出しました。

仕方なく、その日はバス会社まで行ってパスポートを受け取って家に帰りました。

翌日の飛行機は満席で、ビジネスクラスしか空きはありません。

行くのをやめようかと迷いましたが、現地で待ち合わせている人がいるので、思い切って片道30万円するビジネスクラスでハワイに行きました。

 

これもすごい体験ですが、私が考えたことは次の通りです。

・待ち合わせを守るために片道30万円を払ったIさんは本当に誠実な人だ

・パスポートを途中のバスに置き忘れることがないよう、大切なものは油断せずにこまめに確認すべきだ

 

話し方教室に限らず、人の話を聞く機会は様々にあります。

それらの話を積極的に聞き、自分の中にストックしていくことで、話のネタが増えていきます。

また、その話について様々な切り口で考えることで、自分の意見を持ちやすくなります。

これを習慣にしていくことで、どんな場面でも話ができるようになっていきます。

 

日本話し方センターの各コースでは、話の材料の集め方をはじめ、話し方やコミュニケーションに関して幅広くご指導しています。

その成果は多くの受講生が実感されています。

ぜひ「受講者の声」をご覧ください!
>横田章剛のブログTOP