2020年9月29日話のストーリーに行き詰まったときには?
先日、知り合いの大学生のSさんから相談がありました。
「大学の授業で『問題→原因→解決策』という流れでプレゼンの実習があります。まず『問題』の部分を作ったのですが、意見を聞かせてもらえませんか。」
私は二つ返事で応じて、プレゼンを聞かせてもらいました。
Sさんの作成したプレゼンのストーリーは、次の様なものでした。
・自分は好奇心があり、筋トレなどを欠かさずやっている
つまり「発展」ということに関心がある
・従って、これから社会に出て行く上で「日本経済の発展」に興味がある
・しかし、国際競争力ランキングを見ると、今年の日本は34位で過去最低だった
・日本の競争力が低下している訳であり、これを『問題』として取り上げたい
今後、これに続く『原因』→『解決策』を作成していくとのことでした。
正直、上のストーリー展開には無理があるように思いました。
皆さんはどうお感じになったでしょうか?
プレゼンを聞いてから、Sさんと下のようなやり取りをしました。
私:「Sさんはこのプレゼン、どう思っていますか?」
Sさん:「ん~、何だかとってつけたようなストーリーだなと思ってるんです。」
私:「そうですね、私もそう思いました。」
Sさん:「実は国際競争力ランキングを見て、これを題材にできないかな、と思ったのがスタートだったんです。
コロナの影響で授業がオンラインになって、家にいることが多くなりました。
それで前から興味があった株式投資を少額で始めたんです。
そうすると株価が上がったり下がったりするのが、アメリカやヨーロッパ、中国などの経済の動きと関係しているなと思ったんです。
それで国際競争力ランキングを見ると日本が34位ととても低いのに驚いてこれを題材にしたいと思ったんですよね。」
私:「Sさん、今のストーリーをプレゼンした方がよっぽど面白いですよ!」
Sさんは、国際競争力ランキングを題材にしようと決めてから改めてストーリーを考えたのだそうです。
そうすると5分という目安の時間に足らなくなったので、前段の好奇心や筋トレの話を付け加えた、ということでした。
結局、Sさんは、私に語ってくれた株を始めたストーリーをもとにプレゼンの準備をすることにしました。
話し方教室の受講生にも、スピーチのストーリーを考えすぎて、複雑なもの、とってつけたようなものにしてしまう人は珍しくありません。
しかし、Sさんの例のように、少し話を聞いてみると多くの人はもともとのわかりやすいストーリーを持っています。
残念ながら、スピーチを考えているうちに、それらを忘れてしまうのです。
これはある意味、自然なことです。
考えるという行為は、今考えていることに意識を集中させます。
そのため、すごく視野が狭くなり、今まで考えていたことを忘れてしまうことがとても多いのです。
皆さんにも、一所懸命考えているうちに「あれ、そもそもはじめは何を考えいたんだっけ?」と思った経験があると思います。
Sさんは国際競争力ランキングを見つけて、これだ!と思った途端、それまで自分が考えていたことを忘れてしまい、改めてストーリーを一から考えたのです。
その結果、よくわからないものになってしまったのです。
私たちは物事を考える場合、自分で思っているよりもストーリー性を持って考えていることが多いです。
なので、話のストーリーを考える上では、自分のもともとの思考プロセスをたどるとわかりやすくなることがあります。
時には「どうして自分はこの話をしようと思ったんだろう?」と自問自答してみるとよいでしょう。
「大学の授業で『問題→原因→解決策』という流れでプレゼンの実習があります。まず『問題』の部分を作ったのですが、意見を聞かせてもらえませんか。」
私は二つ返事で応じて、プレゼンを聞かせてもらいました。
Sさんの作成したプレゼンのストーリーは、次の様なものでした。
・自分は好奇心があり、筋トレなどを欠かさずやっている
つまり「発展」ということに関心がある
・従って、これから社会に出て行く上で「日本経済の発展」に興味がある
・しかし、国際競争力ランキングを見ると、今年の日本は34位で過去最低だった
・日本の競争力が低下している訳であり、これを『問題』として取り上げたい
今後、これに続く『原因』→『解決策』を作成していくとのことでした。
正直、上のストーリー展開には無理があるように思いました。
皆さんはどうお感じになったでしょうか?
プレゼンを聞いてから、Sさんと下のようなやり取りをしました。
私:「Sさんはこのプレゼン、どう思っていますか?」
Sさん:「ん~、何だかとってつけたようなストーリーだなと思ってるんです。」
私:「そうですね、私もそう思いました。」
Sさん:「実は国際競争力ランキングを見て、これを題材にできないかな、と思ったのがスタートだったんです。
コロナの影響で授業がオンラインになって、家にいることが多くなりました。
それで前から興味があった株式投資を少額で始めたんです。
そうすると株価が上がったり下がったりするのが、アメリカやヨーロッパ、中国などの経済の動きと関係しているなと思ったんです。
それで国際競争力ランキングを見ると日本が34位ととても低いのに驚いてこれを題材にしたいと思ったんですよね。」
私:「Sさん、今のストーリーをプレゼンした方がよっぽど面白いですよ!」
Sさんは、国際競争力ランキングを題材にしようと決めてから改めてストーリーを考えたのだそうです。
そうすると5分という目安の時間に足らなくなったので、前段の好奇心や筋トレの話を付け加えた、ということでした。
結局、Sさんは、私に語ってくれた株を始めたストーリーをもとにプレゼンの準備をすることにしました。
話し方教室の受講生にも、スピーチのストーリーを考えすぎて、複雑なもの、とってつけたようなものにしてしまう人は珍しくありません。
しかし、Sさんの例のように、少し話を聞いてみると多くの人はもともとのわかりやすいストーリーを持っています。
残念ながら、スピーチを考えているうちに、それらを忘れてしまうのです。
これはある意味、自然なことです。
考えるという行為は、今考えていることに意識を集中させます。
そのため、すごく視野が狭くなり、今まで考えていたことを忘れてしまうことがとても多いのです。
皆さんにも、一所懸命考えているうちに「あれ、そもそもはじめは何を考えいたんだっけ?」と思った経験があると思います。
Sさんは国際競争力ランキングを見つけて、これだ!と思った途端、それまで自分が考えていたことを忘れてしまい、改めてストーリーを一から考えたのです。
その結果、よくわからないものになってしまったのです。
私たちは物事を考える場合、自分で思っているよりもストーリー性を持って考えていることが多いです。
なので、話のストーリーを考える上では、自分のもともとの思考プロセスをたどるとわかりやすくなることがあります。
時には「どうして自分はこの話をしようと思ったんだろう?」と自問自答してみるとよいでしょう。