日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2026年5月26日説得力が劇的に上がる『具体的に話す』黄金ルール

 

ビジネスでの会議、商談、プレゼンテーション。プライベートでの友人との会話。


どんな場面でも「話が伝わる人」は、信頼され、チャンスを掴み、人間関係も円滑に進みます。


一方で、「話が伝わらない人」は、誤解を生み、機会を失いがちです。


なぜ、自分の話が思うように伝わらないのか、その根本原因をご存知でしょうか?


実は、多くの人が無意識のうちに、相手に「伝わらない話し方」をしてしまっています。


その最大の原因、そして解決策となるのが、「具体的に話す」というスキル。


このブログでは、話し方教室を30年以上運営する日本話し方センターが、数万人の受講生を「伝わる話し方」へと導いてきた実績に基づき、


・なぜ抽象的な話は伝わらないのか?

・「具体的な話」とは一体どういうことなのか?

・あなたの話を劇的にわかりやすく、説得力のあるものに変える「具体例」の力

・今日から実践できる「具体的に話す」ためのステップ
 

について、豊富な具体例を交えながら解説します。


この記事を読み終える頃には、あなたの話し方に対する認識が変わり、明日からすぐに実践できる「伝わる話し方」のヒントが手に入っていることでしょう。


さあ、あなたも「話が伝わる人」への第一歩を踏み出しませんか?



 

1.「伝わる話」は具体性が命!なぜ抽象的な話は理解されないのか?


「もっとわかりやすく話してほしい」


「結局何が言いたいの?」


こんな言葉を言われた経験はありませんか?


なぜ、私たちは「わかりやすく話しているつもり」なのに、相手には伝わらないのでしょうか。


その原因は、私たちが普段、「具体的な話をしているつもりで、実はかなり抽象的な話をしてしまっている」ことにあります。


 

抽象的な話が相手に理解されない理由は、主に以下の3つです。


 

① 脳がイメージできないから記憶に残らない


人間の脳は、言葉をそのまま記憶するよりも、その言葉から喚起される「イメージ」で記憶しようとします。抽象的な言葉はイメージしづらいため、脳が処理に手間取り、結果として記憶に残りません。「ピンとこない」「頭に入ってこない」と感じるのはこのためです。


 

② 誤解が生じやすい


抽象的な情報は、聞き手それぞれの解釈に委ねられる部分が大きくなります。「良い」「悪い」「たくさん」といった言葉は、人によって基準が異なります。話し手と聞き手の間で認識のズレが生じやすく、これが誤解の原因となります。


 

③ 行動に移せない・共感できない


人は、具体的なイメージが湧かないと、行動を起こすことができません。「頑張ろう!」という抽象的なスローガンだけでは、何をどう頑張ればいいのか分からず、行動に繋がりません。また、具体的な状況が伝わらないと、聞き手は自分ごととして捉えられず、共感も生まれにくいのです。


 

私たちは無意識のうちに「これくらい言えば伝わるだろう」という思い込みを持ってしまいがちですが、この思い込みこそが、話が伝わらない大きな壁となっているのです。



 

2.「具体的な話」ってどういうこと?イメージを喚起する話し方


では、具体的に話すとはどういうことなのでしょうか?


日本話し方センターでは、「具体的な話とは、聞いている人の頭の中にイメージが浮かぶ話だ」と伝えています。


逆に、聞いている人が話の内容をイメージできないなら、それは抽象的な話になっている、ということです。


例えば、会議で意見が出ない状況を考えてみましょう。


上司がこんな問いかけをしたとします。


 

【抽象的な問いかけの例】


「我が社は今期、人事制度改革に取り組むことになりました。どういう策が考えられるか、ご意見ください」


この言葉を聞いて、すぐに具体的な意見を言える人は少ないでしょう。


「うーん」「何から話せばいいんだろう・・・」と沈黙してしまうはずです。


なぜなら、「人事制度改革」という言葉だけでは、その目的も範囲も不明確で、どのような意見を言えば良いのか、全くイメージが湧かないからです。


では、この問いかけをもう少し具体的にしてみましょう。


 

【具体的な問いかけの例】


「我が社は今期、人事制度改革に取り組むことになりました。 目的は、社員が働きやすい環境を整えながら生産性を上げることです。 まずは、社員が今よりも働きやすい環境を整えることから考えたいと思います。 そのために、現在、皆さんが働いていて、この点を改善して欲しい、という具体的な不満や要望をあげてください。例えば、残業時間、有給取得のしやすさ、評価制度の透明性など、どんなことでも構いません」


どうでしょうか?


「働きやすい環境」「生産性向上」という目的が示され、「改善してほしい具体的な不満や要望」という切り口、さらには「残業時間」「有給取得」「評価制度」といった具体的な例まで加わることで、途端に意見が言いやすくなったはずです。


頭の中に、具体的な改善点がイメージとして浮かび上がってくるからです。


このように、「具体的な話」とは、聞き手が頭の中で情景を思い浮かべたり、五感で感じ取れるような言葉を使って話すことを指します。


 

3.聞き手の心に深く刻む!「具体例」が持つ圧倒的な力


話を具体的にするために、最も強力で効果的な手段が「具体例を入れる」ことです。


具体例は、聞き手の頭の中にイメージを鮮明に描き出し、感情に訴えかけ、行動を促すための強力な武器となります。


例えば、あなたが朝礼で「夜間の自転車事故」について注意喚起をするとします。


 

【具体例のない注意喚起】


「最近、夜間の自転車での事故が増えています。皆さんも暗くなってから自転車に乗ることがあると思いますが、夜間は周りもよく見えないので事故が起こりがちです。十分に注意するようにしてください」


言っていることは理解できますが、どこか他人事のように聞こえませんか?


抽象的すぎて、聞いている人の記憶には残りにくい話し方です。


では、この話に「具体例」を入れるとどうなるでしょうか。


 

【具体例を入れた注意喚起】


「皆さん、最近夜間の自転車事故が多発しているのはご存知でしょうか?実は、少し前にこんな衝撃的なニュースがありました。
3年前、横浜で女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で自転車を運転中、前方を歩いていた看護師の女性と激しく衝突しました。看護師は重症を負い、今も手足のしびれで歩行困難な状況が続いています。彼女は一命を取り留めたものの、仕事はおろか、日常生活もままならない状態です。
この事故で、横浜地裁は女子高校生に対し、5000万円もの賠償金を支払うよう命じる判決を下しました。
たかが自転車、と思っている人もいるかもしれませんが、交通ルールを守らないと、たった一度の不注意で、誰かの人生を、そして自分の人生をも一瞬にして破壊してしまう可能性があるということを、このニュースは私たちに突きつけています。
皆さんも、夜間の自転車利用の際は、ライト点灯、携帯操作禁止など、交通ルールを今一度徹底し、十分に気を付けてください」


どうでしょうか?


この話を聞いた時、あなたの心には何が起こりましたか?


「自分も気をつけよう」と強く思ったのではないでしょうか。


具体例には、単なる情報伝達を超えて、聞き手の感情を揺さぶり、「自分ごと」として捉えさせる力があります。


被害者の状況が具体的に描写されることで、痛みが伝わり、賠償額の具体的な数字が示されることで、その責任の重さがリアルに感じられます。


このように、具体例は、


・イメージを鮮明にする:頭の中に情景が浮かび、話が「見える」ようになる。

・共感を生む:聞き手の感情に訴えかけ、話に引き込む。

・記憶に定着させる:物語として記憶され、忘れにくくなる。

・行動を促す:自分ごととして捉えることで、行動変容に繋がる。
 

といった絶大な効果を発揮します。説得力のある話をするためには、この具体例の力を最大限に活用することが不可欠なのです。



 

4.無意識の壁を乗り越えろ!私たちは「具体」からしか気づきを得られない


「具体例の重要性はわかった。でも、なぜかいつも話すときに具体例を省いてしまうんだよな・・・」


そう思われた方もいるかもしれません。


実は、私たちは普段の会話や報告の中で、この「具体例」を驚くほど多く省いて話してしまっているのが現実です。


なぜ私たちは、これほど強力な具体例を、無意識のうちに省略してしまうのでしょうか?


その背景には、いくつかの心理的な要因があります。


・「言わなくてもわかるだろう」という思い込み: 相手も自分と同じ知識や経験を持っていると仮定し、説明を端折ってしまう。

・「面倒くさい」という心理: 具体例を出すには、情報整理や言葉選びの手間がかかるため、ついつい抽象的な言葉で済ませてしまう。
 

しかし、考えてみてください。


私たちは、多くの場合、具体的な事実や経験から「気づき」を得ています。


例えば、


・「もっと社員同士のコミュニケーションを良くしないといけないな」

・「紙の資料を削減しないといけないな」
 

これらは全て、あなたが具体的な状況を「見たり」「聞いたり」「体験したり」したことがきっかけで思ったことではないでしょうか?


にもかかわらず、いざ人に話す段になると、その具体的な背景を省いて、結論や抽象的な意見だけを話してしまうのです。


 

【具体例を省いた会話の例】


「この頃、紙の資料が多いのが気になっているんだ。何とか減らさないとね」


これでは、聞いている人は「そうだね」「大変だね」と答えるだけで、具体的な行動には繋がりません。


なぜなら、彼らには「なぜ減らす必要があるのか」という切迫感が伝わらないからです。


では、具体的な背景を加えて話すとどうなるでしょうか。


 

【具体例を加えた会話の例】


「先日、倉庫に行くと、資料が天井まで積み上がり、通路にまで溢れていました。新しい資料を持ってきた人が、置く場所がなく、仕方なく床に置いていくのを目撃したんです。このままでは業務に支障が出るだけでなく、新たな倉庫を借りるか、書類廃棄業者を呼ぶしかなくなり、無駄なコストがかかるばかりです。だからこそ、今、紙の資料を真剣に減らす必要があると思うんです」


この話を聞けば、聞いている人も「それは大変だ!」「何とかしないと!」と共感し、一緒に解決策を考えようという気持ちになるのではないでしょうか。


具体的な状況を描写することで、聞き手は「なるほど、それは困るな」「自分も見たことがある光景だ」と、まるでその場にいるかのように状況を追体験し、問題意識を共有できるのです。


あなたの「気づき」の源となった具体的な体験や出来事を、ぜひ言葉にして伝えてみてください。


それが、相手の「気づき」を促し、共感と行動を引き出すための強力な一歩となります。


 

5.今すぐ実践!あなたの話を「具体的に」変える3つのステップ


ここまで、具体的な話し方の重要性とその絶大な効果について解説してきました。


「よし、今日から具体的な話し方を意識しよう!」


そう思われた方も多いでしょう。


しかし、長年の習慣を変えるのは簡単なことではありません。


そこで、今日からすぐに実践できる「具体的な話し方」を身につけるための3つのステップをご紹介します。


 

ステップ1:話す前に「誰に」「何を」「どうなってほしいか」を明確にする


あなたが話を始める前に、まずこの3つの問いを自問自答してください。


・誰に:話を聞く相手は誰か?その人の知識レベルや関心事は何か?

・何を:伝えたい最も重要なメッセージ、核となる情報は何か?

・どうなってほしいか:話を聞いた後、相手にどう理解してほしいか?どんな行動を起こしてほしいか?
 

この目的が明確になることで、何を、どこまで具体的に話すべきかが見えてきます。


漠然と話し始めるのではなく、「ゴール」を意識することが、具体的な話し方の第一歩です。


 

ステップ2:常に「例えば?」と自問自答する癖をつける


あなたが抽象的な言葉を使いそうになった時、あるいは話した後で、「これは具体的にどういうことだろう?」と自分自身に問いかける癖をつけましょう。


・「最近、業績が思わしくないんだ」→「例えば、具体的にどの数字が、どのくらい下がっているんだろう?」

・「この商品は素晴らしい」→「例えば、具体的にどんな点が、どのように素晴らしいんだろう?」
 

「例えば?」と問いかけることで、あなたの頭の中にある抽象的な概念が、具体的な事象へと分解され、言葉にしやすくなります。


この習慣を続けることで、自然と具体例が頭に浮かぶようになります。


 

ステップ3:五感を意識した言葉を選ぶ練習をする


あなたの話を、聞き手が頭の中で「見る」「聞く」「感じる」ことができるように、五感を刺激する言葉を選ぶ練習をしましょう。


・「良い天気だった」→「青い空に白い雲が浮かんで、肌に心地よい風が吹く、最高のドライブ日和だった」

・「忙しい一日だった」→「朝から電話が鳴りっぱなしで、デスクには書類の山が積み上がり、休憩する暇もないまま夕方になった」
 

最初は意識的に練習が必要ですが、日常会話の中で少しずつ取り入れていくことで、あなたの言葉はより豊かになり、聞き手の心に響くようになるでしょう。




 

まとめ:あなたの話は、もっと「伝わる」ようになる!


「話が伝わらない」という悩みは、コミュニケーションにおいて大きな壁の一つです。


しかし、今日ご紹介した「具体的に話す」というスキルを習得することで、その壁は確実に乗り越えられます。


・抽象的な話は、聞き手の脳がイメージできず、誤解を生み、行動に繋がりません。

・「具体的な話」とは、聞き手の頭の中にイメージが浮かび、情景が目に浮かぶ話し方です。

・「具体例」は、聞き手の感情に訴えかけ、共感を生み、行動を促す強力なツールです。
 

「具体的に話す」というスキルは、ビジネスでのプレゼンや商談、会議での発言はもちろん、友人や家族との何気ない会話、そして自己表現の場においても、あなたの人生を豊かにする土台となるでしょう。


 

「話がわかりやすくなったね!」


「あなたの話はいつも説得力がある!」


 

こんな言葉をかけられる自分を想像してみてください。


日本話し方センターの話し方教室では、今回ご紹介したような「具体的にわかりやすく話す」ためのポイントを、単なる知識としてだけでなく、実践的なトレーニングを通じて、あなたの話し方として確実に身につけていただくことに注力しています。


経験豊富な講師陣が、一人ひとりの課題に合わせた丁寧な指導を行い、繰り返し練習することで、あなたは自信を持って、自分の言葉で相手の心を動かすことができるようになります。


「変わりたい」というあなたの気持ちを、私たちは全力でサポートします。


ぜひ、日本話し方センターのベーシックコースや、短期間で集中して学びたい方向けの2日間集中コースをご受講ください。


あなたの話し方が変われば、人生が変わります。 私たちと一緒に、あなたの「伝わる話し方」を磨き上げましょう!

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