2024年10月24日話の主旨を先に言おう
1.最初に話の主旨を言う
ベーシックコースを受講しているGさんは、仕事で上司に報告をする度に
「ん~、ちょっとわからないな~。要は何が言いたいの?」
と言われていました。
何とか上司に伝わる話し方を身につけたいと思い、私たちの話し方教室を受講しました。
そして、コース修了時には以前よりも相手に理解してもらえる話し方を身につけられました。
相手に伝わる話し方のポイントは幾つかありますが、Gさんの場合は、
「最初に話の主旨を短い言葉で言う」
ことが、効果を発揮しました。
これを実行するだけで話は驚くほど伝わりやすくなります。
逆に、話の主旨を最初に言わないから、Gさんの話は上司に理解されなかったのです。

2.話が伝わらない話し方の例
話の主旨を最初に言うことの効果について、例を示して解説します。
例えば、皆さんは次の様な場面に出くわしたことがあるでしょうか。
以下は、お取引先のF課長と、F課長に提案を行っているBさんの会話例です。
F課長「御社の提案には興味があるのですが、いつまでにできますか?」
Bさん「はい。この提案の実現には3つのステップが必要でして、1つ目のステップは、御社の関係者の合意を得ることです。これには、関係各部の協力がどうしても必要になりますし、場合によっては専門スキルを持った方のサポートもいるかと思います。2つ目のステップは・・・」
F課長「あの~、Bさん。私はいつまでにできるかを教えて欲しいのですが」
Bさん「はい。いつまでにできるか、ですよね。これには3つのステップの進捗が、スムーズに進むかどうかにかかっていまして、特に2つ目が・・・」
F課長「いやいや、ステップの説明は後でいいから、この案がいつまでにできるか教えてください」
Bさん「はい。承知しました。そうですね・・・いつまでにできるかは、先ほどお話ししかけた2つ目のステップの進捗によりまして。というのは、この提案を実現させるには、御社の社内体制を少し変えていただく必要がありますし・・・」

いかがでしょうか。
F課長は「いつまでにできるか」と質問しているのですから、Bさんは真っ先に、
「今発注いただければ6ヶ月後にできます」
と答えるべきです。
その後に「但し、前提条件が3つあります」と説明すれば、F課長は最も知りたいことが聞けたので、Bさんの3つのステップの説明を安心して聞くことができるでしょう。
BさんがF課長の求めている答えを言わないので、F課長はかなりイライラしています。
3.相手が望んでいることを真っ先に言う
しかし、これは決してBさんに限った話ではありません。
相手が知りたいことに対して直接答えない、ということは私たちの日常で頻繁に見られるものです。
ビジネス会話では効率性・効果性、つまり「早く、正しく」伝わることが肝要です。
そのためには、自分が何を言いたいのかを相手にいち早く知らせることがとても効果的なのです。
上の例はお取引先との会話例でしたが、このことは特に会議での発言で留意いただきたいことです。
というのは、会議での発言の多くは、何が言いたいのか最後まで聞かないとわからないものがとても多いからです。
最初に主旨を話さないと時間をロスしてしまいますし、聞き手にも伝わりにくいです。
- 「Aさんの意見に賛成です」
- 「3つの中では、2つ目の案が良いと思います」
などと、まず自分の発言の主旨を短い言葉で言うことで、話はぐっとわかりやすくなります。

4.相談する時にも有効
これは、上司などに相談をする場合でもとても大事なことです。
「S課長、ご相談があります。昨日、T商事にお邪魔したら部長がいなくて課長と話をしました。今度納入する商品について話をしたんですが・・・」
といきなり、詳細な事実を話し始める人がいます。
相談されるS課長からすると、どういうことを相談したいのかわからないまま話を聞くことになるので、かなりストレスに感じてしまう話し方です。
- 「私の判断でよいか確認させてください」
- 「先方の真意がわからないのでアドバイスをいただきたいです」
- 「誰に相談すればいいかご意見を伺いたいです」
など、何を相談したいのかを先に言うと、相手は安心してあなたの話を聞くことができるでしょう。
5.話し方のポイントを身につけましょう!
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、上に述べたことも含めて、人にきちんと伝わる話し方のポイントを講義でお伝えし、トレーニングで身につけていただいています。
その効果は多くの受講生が実感されています。
ぜひ「受講者の声」を確認の上、ご受講ください!