日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2023年11月15日話し上手になるために、話と話をつなごう


★話し上手になるための秘訣


日本話し方センターの各コースでは、スタート時に参加者に全員の前で自己紹介をしてもらっています。

皆さんは自己紹介に目的があることをご存じですか?

実は、話には全て、その話をする目的があります。

それをきちんと認識して話すのと認識せずに話すのとでは、話す効果に大きな差が出ます。

自己紹介の目的は、自分の名前を覚えてもらうこと、自分の人柄を印象づけることです。

しかし、それ以外に、その場の人と人間関係を作る、という目的があります。

そのためには、前の人が話したことを引用して話すと効果的です。

例えば、「先ほどのKさんと同じく私も出身は岩手県です」「Iさんの趣味はギターとのことでしたが、私はピアノが趣味です」という具合です。

人の話と自分の話を『つなぐ』のです。

 

 



★話と話をつなぐ


『話と話をつなぐ』ことは、自己紹介だけでなく話をする上でとても有効です。

日常会話、会議での発言、スピーチなどあらゆる場面で使えます。

会議の場を例にとって考えてみましょう。

会議では、その場で決めたことや共有したことに参加者が共感、納得することがとても重要です。

そのために『話をつなぐ』ことでお互いを肯定し合ったり、認め合ったりすることが肝要なのです。

「先ほどの『このイベントは社員の絆作りのために行う』というBさんの話に『なるほど』と思いました。この目的をしっかりと頭に入れて議論すべきですね」
「さっきMさんが『これは今必要なことかなぁ』とぼそっと言ったけど、確かに我々は他に優先すべきことがないか、ということを考えていなかったように思います」
「Pさんの『そんなことをする時間なんかないよ』という発言は多くの社員の気持ちを代弁しています。そうした人たちに理解してもらえる説明の仕方を考えねばなりませんね」

会議の参加者の発言を受けとめて、その言葉に感じたことや気付いたことなどを肯定的に話します。

そうすると、先に発言した人と自分の気持ちがつながって、共感性が高まります。


★相手を否定しない


ところで、話をつなぐ際に留意すべきことは、その人の発言を肯定的にとらえるということです。

発言に対して否定的にとらえてしまうと共感は生まれません。話す目的を意識すれば、そうした発言は絶対に控えるべきです。

しかし、現実にはある人の発言に対して(ちょっと違うな)と思うこともあるでしょう。

そういう場合は、共感できる部分をまず言ってから問題提起をする、という形で発言するとよいでしょう。

例えば、あなたがある人の発言に対して、(今回の社内イベントの目的が社員の絆作りというのはいいと思うけど、いきなりは無理だよなぁ。主催者だけが盛り上がって、ほとんどの社員はシラケているといったイベントになっちゃうよなぁ)と思ったとします。

この気持ちや意見を少し冷静に整理してから発言します。

「今回の社内イベントの目的が社員の絆作りというのはすごくいいと思います。ただ、1回のイベントでいきなり絆を作るのは難しいと思うので、まずは絆作りが大切だという認識を社員に持ってもらうことから始めてはどうでしょうか」

こうした『つなぎ』なら、先に発言した人も自分の発言を受け止めて、更に掘り下げてくれた、と感じて共感が生まれるでしょう。

話を『つなぐ』のは、発言を引用することでお互いの気持ちを『つなぐ』効果があります。


従って、『つなぐ』ためにはお互いの話を肯定的に聞くことが必要です。


ぜひ意識してみてください。



★話し方を勉強しませんか?


今回は話し上手になるための秘訣の一部をご紹介しました。

話し上手になるためのポイントは他にも色々あります。効果的な話をするためには、それらを体系的に学ぶことがとても効果的です。

日本話し方センターのベーシックコースでは、今回お話した『話をつなぐ』ことを初めとして、様々な話し方に関する知識を体系的にお伝えし、それらに沿ったトレーニングを行っています。

どのような雰囲気かご理解いただくために事前に無料でご見学いただけます。

ぜひ無料体験教室にご参加ください!
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