2024年10月12日発言が出やすい会議にするためには?
1.会議で発言が出ない
あなたの職場では、毎日会議がありますか?
ほとんどの人がこの質問に「Yes」と答えるでしょう。
中には、「毎日の会議に忙殺されてなかなか自分の仕事が進まない」という人もいると思います。
私たちは、日常の多くの時間を会議に費やしています。
しかし、その会議は果たして効果のあるものになっているでしょうか。
先日、私はあるオンライン会議に参加しました。
オンライン会議ではリアルの会議よりも参加者は発言しにくいものです。
案の定、その会議も発言がほとんどありません。
仕方なく、司会者は、参加者を指名して発言を求めました。
指名された人は、発言はするものの、こちらも仕方なしに話しているという感じで、短い話をするだけでした。
このように、発言が出ない会議は多くの職場で見られます。
会議は参加者が発言することで活性化され、効果的なものになります。
では、どうすれば司会者は参加者から発言を引き出すことができるのでしょうか。以下に、ポイントを3つ述べます。

2.発言をうなずきながら真剣に聞く
1つ目は、発言をうなずきながら真剣に聞くことです。
会議で発言が出なければ、司会者は「島田さん、どう思われますか?」と発言を促すでしょう。
促された人は「そうですね~」などと言いながら何とか発言してくれることがあります。
その時、司会者はその発言を、その人の顔を見てうなずきながら笑顔で聞いて欲しいのです。
司会者は発言してくれている人が気持ちよく話せるように心がけなければなりません。
もし発言している途中で横や下を向いていたり、つまらなそうな顔をしながら聞いていたら、発言者は
「自分の発言、つまらないんだな」
と思ってしまい、以後、発言しなくなるでしょう。
また、そうした様子を見ていた他の参加者も同様に、
「あんな態度で聞かれるなら、発言しない方がましだな」
と思ってますます発言が出なくなるでしょう。
逆に、司会者がうなずきながら笑顔で聞くと、発言者は話がしやすいですし、
「自分の発言は意味があると思ってくれている。話のしがいがあるなぁ」
と思うでしょう。
その結果、参加者は発言することへの抵抗感が薄まり、発言が出るようになります。
司会者は、せっかく発言してくれた人が話しやすいように気を配る必要があるのです。
3.会議は質問で進める
2つ目は、会議を質問で進めることです。
基本的に、司会者は自分の意見は言わないようにすべきです。
これは、リアルでもオンラインでも同様です。
発言が少ない会議で、その沈黙を埋めようとして、提案の趣旨や自分の意見を長々と話す司会者を時々見かけます。
しかしその発言は、沈黙を埋めることを目的にしていて、会議を有効なものにするということは考えていません。
会議は参加者が発言することで成り立ちます。
そのためには、参加者の発言を促すような質問をすることが肝要です。

4.具体的な質問を心がける
ところで、司会者はどういう質問をすればいいのでしょうか?
例えば、会議のテーマが「会社創立50周年記念に何をすべきか?」だとします。
この会議で、司会者がいきなり「何をすべきだと思いますか?」と質問したら、参加者は「う~ん」という顔をしてなかなか発言しないでしょう。
それは、質問が抽象的すぎるからです。
どんな話をする場合でも、人は頭の中で具体的にイメージできて、はじめて話すことができます。
上の質問は抽象度が高すぎて参加者の頭の中に具体的なイメージが浮かびません。
司会者は、何について話をすればいいか、具体的にイメージできるように質問をするべきなのです。
- 「50周年記念はお客様向け、社員向けのどちらのイベントとして考えるべきでしょうか?」
- 「お客様向けの場合、どういうことをお客様にアピールすればよいでしょうか?」
- 「社員向けの場合、この記念行事などを通じて社員にどういうことを感じて欲しいでしょうか?」
これくらいの具体的な質問でスタートして、出てきた意見をもとにさらに論点を具体的にしていくと有意義な会議にすることができます。
- 「今の発言は既存のお客様を意識したものですが、対象に新規のお客様は入れなくてよいでしょうか?」
- 「50年続いていることを世間に幅広くアピールするということになりました。では、そのためには何をすればいいですか?」
もちろん司会者は会議の終わりには出てきた意見をまとめていく必要があります。
その場合でも
「では、今回の記念行事は既存のお客様に当社をより信頼いただくために行う、ということで宜しいですね?」
と質問スタイルで確認するとよいでしょう。
質問は人の発想を広げたり意見を引き出す上で大きな威力を発揮します。
ぜひ会議は質問で進めてください。

5.明るい表情と音調で話す
3つ目は、明るい表情で音調豊かに話すことです。
会議などのコミュニケーションの場では、人の感情が伝わることがとても大事です。
司会者がせっかく発言者の話を肯定的に聞こうとしていても、その表情が暗かったりすると、その司会者の姿勢は発言者に伝わりません。
ぜひ明るい表情で、「あなたの話をうけとめていますよ」という姿勢を表情で示してください。
但し、司会者の表情は余り効果がありません。
画面が小さいし、カメラをオフにして会議をする場合もあるからです。
従って、それをカバーするためには、声に感情を乗せることがとても重要です。
言葉は意味を表しますが、音調は気持ちを表します。
発言する時に、できるだけ自分の感情を乗せて話すと、話に迫力が出て説得力が倍増します。
6.話し方の基礎を身につけませんか?
日本話し方センターのベーシックコースでは、話し方を基礎から学んでいただいています。
学んでいただいた基礎的なことは日常のあらゆる場面で応用できます。
今回取り上げた会議の場でも、話し方の基礎は様々に応用できます。
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