日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2024年10月18日常に話す準備をしよう


1.予想していないことが起こると焦る


あなたは、職場の懇親会の席で、上司から突然、


「じゃあ、Kさん、乾杯の挨拶をしてくれる?」


振られたらどうしますか?


または、会議中に議長から、


「Kさん、今の話、どう思う?」


などと急に発言を求められて、すぐに意見を言えますか?



誰でも、予定がないのに急に話さねばならない場面に遭遇した経験はあると思います。


そして、このように急に話をするよう求められると、ほとんどの人は焦ってしまいます。


できれば、こういう場面でも焦らずに、自分のペースで落ち着いて話したいものです。


そもそも、急に話をするように言われると、どうして焦るのでしょうか?


それは、そんなことが起こると予想していないからです。


予想していないことが急に起こると、誰でも焦ります。


例えば、あなたが物陰に隠れていて、通りかかった人の前に急に出て「ワッ!!!」とおどかすと、相手はビックリするはずです。


しかし、あなたが隠れていることを相手が分かっていた場合は、あなたが急に出ておどかしても、相手は驚かないでしょう。


これと同じで、話も、話すことを想定して準備していたなら、突然話すようにいわれても慌てることなく話せます。

懇親会でも会議でも、参加する際に「話をするよう言われるかも知れない」と思って準備していれば焦らなくなるはずです。


常に準備しておくことが、突然に話を振られることへの最善の防御策なのです。



2.常に話す準備をする


実際私は、会議や会合、結婚式などに参加したら、話をする予定がない場合でも、すぐに話ができるように準備しています。


例えば、結婚式に出席する際は次のような準備をします。




  • ①式場に行く電車の中などで新郎または新婦のどういう点を誉めるか、自分との関わりをどう紹介するか頭の中で考える

  • ②会場に着いてから、参列者や会場の雰囲気などを見て話に使えるものはないか探す

  • ③上の材料をもとに頭の中で話のストーリーを大まかに組み立てる


ストーリーは長くても3分程度の短いものを考えます。

余談になりますが、結婚式などで長いスピーチをする人をよく見かけます。

主賓のスピーチとなると、10分以上話す人も珍しくないでしょう。

しかし、話は長ければ長いほど聞いてもらえなくなります。

言いたいことに絞って話せば、主賓のスピーチも長くて5分程度に収まるはずです。

短く切り上げることがとても重要なのです。

 

また、私は会議や会合では、主に次のようなことを考えています。




  • ★今日のテーマの論点は何か

  • ★他の人の発言は論点に沿ったものか、またその発言の根拠は何か

  • ★その発言の奥にある本当に言いたいこと、気にしていることは何か


特に意識を向けているのは、3つ目の本当に言いたいこと、気にしていることは何か、ということです。

人は自分の考えていることを的確に言葉にしているとは限りません。

その言葉の奥にある真意を汲み取ることが、コミュニケーションではとても大切です。

よく他の人の発言の言葉尻を捉えて話をする人がいますが、その発言の真意に目を向けると違った話ができるはずです。

こうした視点で発言を聞いていると、突然に意見を求められても、議論を前進させる発言ができるようになります。

大事なことは、その場しのぎの話をするのではなく、その場に貢献できることを話せるように準備することです。


3.準備は話し方の勉強になる


しかし、こうした準備をしても残念ながら発言の機会がなかった、ということがほとんどです。


実際、結婚式で突然にスピーチをお願いされた経験は、ただの一度もありません。


しかし私はそれで充分だと思っています。


なぜならば、こうした準備を常にしておくと、話のネタや言葉が増えて、話し方を上達させる上でとてもよい勉強になるからです。


はじめは難しいし面倒くさいと思っていましたが、続けていると次第に慣れてきます。


今では、こういう話をしようと考えることが楽しみでもあります。


 

4.ベーシックコースで話す基礎を学びましょう!


日本話し方センターではベーシックコース2日間集中コースを受講された方が、さらに話し方を学ぶアドバンスコースがあります。


そのコースでは、突然に指名されたときの対応をトレーニングしています。


まずはベーシックコース2日間集中コースでしっかりと基礎を身につけてください。


話すことに自信が持てるようになると、あなたの人生がガラッと変わります!

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