日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2024年9月30日人をほめて人間関係を良くしよう


1.人をほめられない人は意外に多い


私たちの話し方教室を受講している人の中には、


「私は部下をほめることがなかなかできません。


どうしたら気持ちよく人をほめることができるのか、分からないんです」


という人が少なからずいらっしゃいます。


特に40代以降のマネジャーの方からよく聞きます。



話し方教室に限らず、私がこれまで接してきたマネジャーにも「人をほめることができない」という人がかなりいました。


かく言う私も、数年前までは人を絶対にほめませんでした。


「君、仕事できるね~」などとほめてしまうと、その人は自分の全てを認められたと勘違いしてしまい、努力や反省をしなくなるのではないか、という恐れを感じていたからです。


しかし、今では遠慮なく人をほめることができるようになっています。


それは日本話し方センターと関わるようになって、ほめ方がわかったからです。


ということで、今回は人をほめるポイントについてお話します。



1.事実をほめる


1つ目のポイントは、事実をほめることです。


私が人をほめることができるようになったのは、このポイントに気付いたからです。

  • 「君、仕事できるね~」

  • 「あなた、すごいわね~」

  • 「話、うまいね!」


このように、抽象的な表現でほめると、相手は全てを認められたと勘違いしてしまいます。

また、「話、うまいね!」といったほめ方は、言われた方は何を上手いと思ったのかわからないので、それほど嬉しくはありません。

「本当にそう思っているのかなぁ」と疑ってしまうかも知れません。

 

  • 「この資料、簡潔に個条書きにしてくれたのでとても分かりやすいよ」

  • 「さっきの会議の説明、ポイントを抑えていて理解しやすかった」

  • 「今日の君のスピーチは具体例を言ってくれたのでとても分かりやすかった」


このように何が良かったのか具体的にほめましょう。

そうすれば、ほめられた人も良かった点が理解できて、そのことを継続しよう、と思えます。

ほめるということは、人の才能を伸ばす効果もあるのです。

 

3.その場ですぐにほめる


ほめるポイントの2つ目は、その場ですぐにほめることです。


例えば、大口の取引をまとめてきた部下に対して


「今度、彼を見かけたらほめてやろう」などと考える上司がいます。


しかし、その部下は今、自分の成果に喜びを感じているはずです。


部下がその気持ちでいる時にすぐに彼の所に行って、


「あの難しい案件をよくまとめたね! やったね!」


とほめれば、部下の喜びは倍増するはずです。


そして、また頑張ろう、と思えるでしょう。


いいな、と思ったことはその場ですぐにほめましょう。


これも大変重要なポイントです。


4.良い点と改善点を分ける


人をほめるポイントの3つ目は、その人の良い点と改善すべき点を分けることです。


人をほめるには良い点を見つけなければなりません。


しかし、私たちは往々にして改善すべき点にばかり目が行ってしまい、ほめるべき点は見過ごしがちです。


その結果、次のように言ってしまいます。


「また資料の数字を間違えたのか!


なんで同じミスばかり繰り返すんだ?」


しかし、良い点と改善すべき点を分けて考えると、ほめことばを交えて注意を促すことができます。


「資料を期日通りに仕上げてくれたし、文章も大切なことが漏れなく書かれていてわかりやすいね。


ただ、数字の見直しをキチンとしないと、今回のようにお客様に迷惑をかけてしまう。


今回のミスがどうして起こったのか、よく反省して二度と繰り返さないようにしてね」


人を注意する場合でも良い点を見つけ、それを伝えてから注意すべき点を言えば、相手も受け入れやすくなります。


 

5.感謝を伝える


最後のポイントは、感謝を伝えることです。


ほめるという行為は、一般的な言い方をすれば、目上の人が目下の人にする行為です。


社員が社長をほめたり、部下が上司をほめたりすることは、通常はありません。


こういう相手にはほめるのではなく、感謝の気持ちを伝えましょう。


「先輩の会議での発言、いつも分かりやすくてとても勉強になります。ありがとうございます!」


感謝を伝えるようにすれば、上から目線にならないし、相手にも伝わりやすいです。


ほめるのが適切ではない人にはぜひ感謝を伝えましょう。


 

ほめことばを適切に使えば、相手との人間関係は劇的に良くなります。

人は誰でも他の人に認められたいという欲求を持っています。

ほめことばは、その欲求を分かり易く満たす魔法の言葉だからです。

あなたもぜひ積極的にほめことばを使ってください!


6.人間関係をよくする話し方も学べます!


今回はほめるということについてお話しました。


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、相手に伝わる話し方だけでなく、ほめことばなどの人間関係をよくする話し方の講義も行っています。


また、スピーチ実習でも講師は、人間関係をよくする話し方を意識したアドバイスを行っています。


その成果は多くの受講生が実感しています。ぜひ受講者の声をご確認ください!

>横田章剛のブログTOP