日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2024年9月12日プレゼンを成功させる話し方:3つのポイント

 

1.プレゼンの機会が増えている


日本話し方センターの受講生から、

「プレゼンが苦手なので、何とかしたい」

という声をよく聞くようになりました。

確かに、営業職の方は、お客様に対して商品やサービスの説明をする機会があるでしょう。

また、税理士や中小企業診断士の方は、セミナーなどで話す機会が必ずあります。

それらに加えて、最近は、学生の方もゼミなどで発表する機会が増えているようです。



先日、ベーシックコースを受講した大学生のKさんも、

「プレゼンが上手くなりたい!」

という思いで参加されました。

Kさんは大学1年生ですが、2~3年後に訪れるゼミでの発表や就職面接に備えて早めにスキルアップをしておきたい、ということでした。

プレゼンは、他の話す場面と異なり、話した後に「よくわかったよ!」「何か緊張してましたね」など、必ず人から評価されます。

その分、ハードルが高く、また、緊張しやすいものと言えます。

そうしたプレッシャーを減らして、相手に伝わる話し方ができるようになりたい、とKさんは思われたのです。

ベーシックコースでは、人前で2分間のスピーチを繰り返し行います。

このスピーチの中に、プレゼンでも活かせる要素がたくさんあります。

私はKさんに、プレゼン力上達のために、まず次の3つを意識してスピーチ実習を行うようアドバイスしました。

 

2.伝えたいことを短い文章にする


1つ目は、伝えたいことを短い文章にすることです。

セミナーなどのプレゼンを聞いていると、

「現状、原材料の調達コストが月平均で〇〇%上昇しています」

「日本の消費者の製品に対する消費は昨年比XX%低下しています」

など、調査結果や統計数字などを長々と説明する場面をよく見かけます。

私はその度に「で、結局何が言いたいの?」と思ってしまいます。

「今後、日本の企業の経営環境は益々厳しくなっていくことが予想されます」

「人口の高齢化により消費はモノからコトに移りつつあります」

など、調査結果や統計数字を言う前に、まず伝えたいことを短い文章にして話すのです。

その後に、数字などを話すと聞き手は言いたいことが理解できているので、話を安心して聞くことができます。

 

ベーシックコースのスピーチ実習でも、スピーチの前に「〇〇という話をします」と言うようアドバイスしています。

話の方向性や結論を最初に言えば、聞いている人はその後の話を安心して聞くことができます。


3.聞き手の反応を見ながら話す


2つ目のポイントは、話した後に聞き手の反応を見ることです。

プレゼンは、

「なるほど。そういうことか」

「確かに、それは一理あるな」

など、納得してもらいながら、聞いている人の心を動かすことが目的です。

そのためには、話をしながら聞き手の反応を確認せねばなりません。

同じことを伝えるにしても、聞き手に合った話し方やストーリー、例話があります。

例えば、20代、30代の人に松下幸之助の例話をしても共感してもらえません。

ほとんどの人が松下幸之助を知らないからです。

今話したことが聞いている人にフィットしているのか、常に確認する必要があるのです。

聞き手を観察して、うなずくなど、熱心に聞いているそぶりの人が多い場合は、今のプレゼンでよいでしょう。

しかし、首をかしげたり、話に集中できていない様子の人が多い場合は、話の仕方や説明のロジックを変える必要があります。

もちろん、これを臨機応変に行うにはそれなりの準備や経験が必要です。

しかし、まずは、話しながら聞き手の反応を見る、ということを習慣づけることが重要です。

 

このことは、スピーチでも全く同じことが言えます。

スピーチ実習がプレゼンの練習にもなるのです。


4.一文を短くして『間』を取る


3つ目は、一文を短く話して、話と話の間に意図的な沈黙、つまり『間』を入れることです。

話したいことがたくさんあるからでしょうか、マシンガンのように早口でプレゼンする人がいます。

しかし、そうした話し方では、聞いている人は充分に聞き取れませんし、理解もできません。

『話を聞く』という行為と『話を理解する』という行為は、同時進行で行われているようで実は別々に行われています。

従って、話をする場合、聞き手がその話を『聞く』時間と『理解する時間』を別々に作る必要があります。

まず話をきちんと聞いてもらうためには、一文を短く話します。

そして、その後に話を理解してもらうために、2秒~3秒の沈黙の時間を設けます。

この話し方をすれば聞き手はストレスを感じることなく、あなたの話を最後まで集中して聞けます。

慣れないうちは2秒~3秒黙ることに恐怖を感じるかも知れません。

しかし、慣れてくると話すことに余裕ができてあがり症の克服にもつながります。

 

これもスピーチ実習で受講生にお伝えしていることです。

これができれば、説得力倍増のプレゼンやスピーチができます。

 

5.話し方を基本から学びましょう!


さて、Kさんは私のアドバイスを意識してスピーチ実習を繰り返しました。

その結果、この3つができるようになり、とても聞き応えのあって分かり易いスピーチをするようになりました。

繰り返しになりますが、Kさんに伝えた3つのプレゼンのポイントは、プレゼンだけでなく、上司への報告、面接、人前でのスピーチなど、あらゆる場面で使えるスキルです。

これ以外にも、話し方やコミュニケーションに関するポイントはたくさんあります。

それらを基本から学んで修得することは、仕事や日常生活をより豊かにする上でとても効果があります。

あなたも、ぜひ日本話し方センターの話し方教室をご受講ください!
>横田章剛のブログTOP