2024年9月18日コミュニケーションは人間関係で変わる
1.話がわからない、といわれた受講生のFさん
日本話し方センターは、話し方のテクニックだけでなく、人間関係が良くなる話し方にも力を入れています。
なぜ私たちは人間関係の良さにこだわるのか?
それは、人間関係がコミュニケーションに大きな影響を与えるからです。
以前、ベーシックコースを受講していたFさんは、
「上司に報告する度に、話がわからないと言われるんです。話を途中で遮られることもあります」
と仰っていました。
確かに、Fさんは受講当初、具体性に欠けるわかりにくい話をしていました。
しかし、スピーチ実習を重ねるうちに、短い時間でわかりやすい話をされるようになりました。
ところが、やっばり上司には「よくわからない」と言われて、話をきちんと聞いてもらえないとのこと。
そこで、Fさんに職場の様子をよく聞いてみると、これが原因ではないか、と思えるものが見つかりました。
Fさんは自分から上司に挨拶をしていないし、仕事以外では上司に話しかけることもしていないとのことでした。
つまり、挨拶も話もしないFさんは、上司との人間関係が良好ではなかったようなのです。
この点に気付いた講師はFさんに、上司に自分から話しかけたり挨拶したりするようアドバイスをしました。
それからしばらくしてFさんに確認したところ、上司は以前よりFさんの話をきちんと聞いていくれるようになり、「わからない」と言われる回数も減ったそうです。
Fさんは、「特に意識していませんでしたが、挨拶や雑談はコミュニケーションを良好にする上でとても大切なんですね」と仰っていました。
2.人間関係がコミュニケーションを良くも悪くもする
このFさんの例のように、人間関係は私たちのコミュニケーションに大きな影響を与えています。
人間関係が良くない人には、イライラしたり、その人をわざと避けたりします。
その人の存在が心理的にかなりのストレスになっていることもあるでしょう。
そうした人の話は、どうしても否定的に聞いてしまいます。
逆に、人間関係が良い人とは、頻繁にあって話しがしたいと思いますし、その人が困っていたら助けようとします。
話も好意的に聞くので、多少わかりにくい話でも、
「つまり、あなたが言いたいのはこういうことかな?」
と助け船を出したりします。
このように人間関係を良好に保つことは、コミュニケーションを取る上で、とても大切なことです。
そして、人間関係を良くするためには、先に述べたように、自分から挨拶をしたり、積極的に雑談をしたりすることが効果的です。
しかし、それ以外にも留意すべきことがあります。
それは、『明るくポジティブな考え方をする』ことです。
明るい考え方をしている人は、周りの人から確実に好かれます。
その結果、よい人間関係を築くことができるのです。
3.物事の良いところに焦点を当てる
では、どうすれば、明るい考え方をすることができるのでしょうか。
まず必要なことは、物事の良いところに焦点を当てて見る、ということです。
私たちはともすれば、人や物事の欠点に焦点を合わせてしまいます。
そもそも、人間は本質的に物事の欠点を見るのを好む傾向があります。
人の不幸は蜜の味、という残念な表現もあります。
なので、私たちはあえて意識しないと物事の良い面はなかなか見ようとしません。
しかし、人には必ず良い点があります。
その良い面を意識して発言すれば、聞き手は、この人は明るい人だな、と思ってくれるでしょう。
4.人の良い面を言葉にする
例えば、ミスが多い部下に対して上司が「なんで君はミスばかりするんだ!」と叱ることがよくあります。
しかし、こういう話し方では、部下は謝ることしかできません。
この場合、上司には「二度と同じようなミスをしないで欲しい」という思いがあるはずです。
しかし、ミスを指摘する叱り方では、その思いが部下には伝わりません。
もし上司が部下の良い面を見ていれば、きっと話し方も違うはずです。
「期日通りに資料ができたし、文章もわかりやすいね。
ただ、数字の見直しをキチンとしないと、今回のようにお客様に迷惑をかけるからその点、注意してもらいたい」
と言えばどうでしょうか。
良い点を言葉にすることで、部下は「自分はきちんと評価されている。期待もされている」と思えるでしょう。
そして、改善すべき点を具体的に話すことで「これからは数字をきちんと見直そう」と前向きに反省できるはずです。
この例のように、人の良い面に焦点を当てて、それを言葉にして伝えることで、相手に良い影響を与えることができます。
また、その人との人間関係を良いものにすることができるのです。
5.ポジティブに表現する
また、同じことを言う場合でも、前向きな表現をすることもとても大切です。
例えば、「悪い点」というよりも「改善点」と言った方が前向きな感じがします。
その他にも前向きな表現に変えることができる言葉は数多くあります。
- 「全然できていない」は「伸びしろが大きい」
- 「注意力が足りない」は「おおらかな性格」
- 「細かいことに拘りすぎる」は「とても慎重」
- 「私は事務ミスが多い」は「私の課題は事務ミスを少なくすること」
同じことを言うにしても、このように言えば聞き手に受け入れてもらいやすいでしょう。
私たちの日常は、腹の立つことやストレスに感じることがとても多いです。
しかし、相手の立場に立って、まずその感情を抑えましょう。
そして、物事を明るく考えることを意識し、ポジティブな話をするように心がけましょう。
6.人間関係が良くなる話し方を身につけましょう!
日本話し方センターでは、話の仕方を改善するトレーニングを通して前向きな気持ちを持ってもらうと同時に、明るいものの考え方をするための講義を行っています。
また、スピーチ実習でも講師が前向きなアドバイスをすることで、明るいものの考え方の実践方法に気付いていただくようにしています。
ぜひベーシックコース、2日間集中コースをご受講ください!