日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2025年9月25日あなたの言葉は、なぜ届かないのか?~「伝わる話」の法則が明かすコミュニケーションの真実

 

あなたは「伝わる話の法則」をご存じでしょうか?


伝わる話 = 考える力 × 伝える力


この法則は、あなたの言葉が相手にどれだけ届くかを決定づける、コミュニケーションの真髄を表しています。


考える力とは、話す内容を整理し、相手に何を伝えたいのかを明確にする力のこと。つまり、話す前の準備」の質です。

伝える力とは、その考えた内容を、声の出し方、言葉遣い、表情、ジェスチャーなど、様々な要素を用いて相手に分かりやすく表現する力のこと。つまり、話す時の表現」の質です。

そして、この「考える力」と「伝える力」は、足し算ではなく、かけ算で効いてきます。


例えば、あなたが話す内容を事前に80%まで完璧にまとめたとしましょう(考える力80%)。


しかし、それを実際に話す段階で、緊張したり、言葉に詰まったりして、まとめたことの80%しか相手に伝えられなかったとしたら(伝える力80%)どうなるでしょうか?


80% × 80% = 64%


残念ながら、あなたの言いたいことのわずか64%しか、相手には伝わっていないことになります。


もし、考える力が50%、伝える力も50%であれば、伝わるのはたったの25%です。


これでは、あなたの努力も、言葉も、ほとんど無力化されてしまいます。


つまり、自分の考えや意見をきちんと相手に伝えようとするなら、事前にしっかりと「考える力」を鍛え、それを適切に「伝える力」も磨くこと、この二つが不可欠なのです。


特に、私たちは「話す」という行為に対して、無意識のうちに「伝える力」ばかりに意識が向きがちです。


そのため、「考える力」、すなわち「話す前の充分な準備」という最も重要な土台をおろそかにしがちです。


「伝えたいことは、頭の中にあるから大丈夫だろう」


「話しながら、うまくまとめればいいだろう」


そう考えてしまうことが、あなたの言葉が「伝わらない」最大の原因なのです。


 

このブログでは、この「伝わる話の法則」を最大限に活用するために、特に多くの人が見過ごしがちな「考える力、つまり話す前の充分な準備」に焦点を当てて、その重要性と具体的な方法を解説していきます。



1.自己流の限界:なぜ「準備不足」があなたの言葉を無力化するのか?


「スピーチが苦手だ」


「人前で話すとあがる」


と感じるあなたは、これまで様々な方法を試してきたかもしれません。


しかし、その根本原因に気づかず、表面的なテクニックばかりに囚われていませんでしたか?


断言します。


 「スピーチが苦手だ」「人前で話すとあがる」という人のほとんどは、話す前に充分な準備をしていないのです。


 

考えてみてください。


苦手なこと、不安なことに対して、「できればやりたくない」「早くやり過ごしたい」という気持ちになるのは、人間であればごく自然なことです。


その結果、「準備に時間をかけるのが億劫だ」「どうせうまくいかないから、準備しても意味がない」といった心理が働き、結果的に準備を怠ってしまうのです。


そして、準備不足のまま話し始めると、どうなるでしょうか?


 

・話の軸が定まらない:
何を一番伝えたいのかが自分でも曖昧なため、話があちこちに飛び、結論が見えなくなります。聞き手はあなたの話についていけなくなり、「結局、何が言いたいの?」という疑問を抱くことになります。

・言葉に詰まる:
次に何を話せばいいのか分からなくなり、「えー」「あのー」といった無意味な言葉が増え、自信がない印象を与えます。これは、あなたの専門性や信頼性を損なう要因にもなりかねません。

・時間配分ができない:
重要な部分に時間をかけられず、どうでもいい部分で時間を使いすぎてしまう、といった事態に陥ります。結果として、本当に伝えたいことが時間切れで話せなかったり、会議の進行を妨げたりする可能性もあります。

・質問に答えられない:
自分の話の論理が破綻しているため、相手からの質問に対して的確に答えることができません。これは、あなたの理解不足や準備不足を露呈させることになり、相手からの信頼を失う原因となります。

 

これらの結果、あなたは「しどろもどろ」になり、「何を言っているのか分からない」と評価され、さらに自信を失い、ますます話すことが苦手になるという悪循環に陥ってしまいます。


日常の仕事の中での報告や連絡などで「何が言いたいのか分からない」と言われてしまう人にも、実は同じことが言えます。


話すことに苦手意識があったり、相手に「わからない」と言われることに焦りを感じてしまい、準備しないで話し始めた結果、さらにしどろもどろになってしまうのです。


この「準備不足の悪循環」は、あなたの仕事、人間関係、そして自己評価にまで、深刻な影響を及ぼします。


 

ビジネスシーンでの損失:


・評価の低下:「何を言っているのか分からない人」「論理的思考力がない」と見なされ、昇進や重要なプロジェクトから遠ざけられる。

・時間の無駄:何度も説明し直したり、質問に答えたりする時間が増え、生産性が低下する。

・ビジネスチャンスの逸失:顧客への提案が伝わらず、契約を逃す。チーム内での連携が滞り、プロジェクトが遅延する。

・信頼の喪失:言っていることがコロコロ変わる、説明が不明瞭だと、周囲からの信頼を失う。

 

プライベートでの損失:


・人間関係の悪化:家族や友人との誤解が生じ、些細なことで口論になったり、距離ができたりする。

・ストレスの蓄積:自分の意見が伝わらないことにフラストレーションを感じ、コミュニケーション自体を避けるようになる。

・自己肯定感の低下:「自分は話が下手だ」「うまく伝えられない」と感じ、自信を失い、消極的になる。

 

しかし、この悪循環は、「話す前の充分な準備」という強力な武器を身につけることで、必ず断ち切ることができます。


充分な準備を重ねることで、話す内容が明確になり、自信が生まれ、だんだんと人前で話すことに抵抗感がなくなっていくのです。


日本話し方センターのトレーニングでは、この「話す前の準備」の重要性を徹底的にお伝えし、実践を通じてあなたの「考える力」を劇的に高めていきます。


 

2.「考える力」を劇的に高める!伝わる話の設計図「PREP法」を徹底解説


では、話す前の準備はどのようにしたら良いのでしょうか?


今回は、ビジネスシーンから日常会話まで幅広く活用できる「PREP法(プレップ法)」をご紹介します。


PREP法とは、以下の英語の頭文字を取った、話の展開のさせ方です。


・Point(主張・結論)~ 最初に言いたいこと

・Reason(理由)~ なぜそれを主張するのか

・Example(具体例・事実)~ その理由を支える具体的な根拠

・Point(再主張・結論)~ 最後に改めて言いたいこと

このPREP法に沿って話を組み立てることで、あなたの話は論理的で分かりやすくなり、聞き手の理解度と納得度を飛躍的に高めることができます。


以下、各要素の重要性と具体的な使い方を解説しましょう。


 
.Point(主張・結論):あなたの話の「核」を明確にする

「結局、何が言いたいの?」と聞かれる人は、往々にして結論を最後に持ってくるか、そもそも結論が曖昧なまま話し始めます。


しかし、PREP法では、まず最初に最も伝えたいこと、つまり結論や主張を端的に伝えます。


 

なぜ最初にPointを伝えるのか?


・聞き手の理解を助ける:
人間は、最初に結論を知ることで、その後の話の「地図」を手に入れた状態になります。話の全体像を把握できるため、内容をスムーズに理解できるようになります。

・集中力を維持させる:
結論が分からないまま話を聞くのは、聞き手にとって大きなストレスです。最初に結論を示すことで、聞き手は安心して話に集中できます。

・話の脱線を防ぐ:
話しているあなた自身も、最初にPointを明確にすることで、話の軸がブレにくくなります。

 

具体的なPointの例:


「今週のミーティングは中止にしましょう。」(会議での提案)

「新しいプロジェクトは、予定より1週間前倒しで完了できそうです。」(進捗報告)

「A社への提案資料は、〇〇の点を修正することで、さらに受注確度が高まります。」(資料レビュー)

「今年の夏休みは、家族で沖縄旅行に行きたい。」(家族への提案)

Pointは、20文字程度の短い文章で、**「〇〇が△△です」**というように、結論を言い切る形でまとめるのが理想です。


 
.Reason(理由):主張に「納得感」を与える論理の柱

Pointを伝えただけでは、相手は「なぜそうなのか?」という疑問を抱きます。


そこで、次にその主張をする「理由」を明確に伝えます。


 

なぜReasonが必要なのか?


・納得感を醸成する:
人は、理由がなければ行動しませんし、納得もしません。論理的な理由を提示することで、相手はあなたの主張を受け入れやすくなります。

・あなたの思考プロセスを示す:
理由を説明することで、あなたがその結論に至った思考プロセスが相手に伝わり、あなたの論理的思考力を示すことができます。

・信頼性を高める:
根拠に基づいた主張は、あなたの信頼性を高めます。

 

具体的なReasonの例: (Point: 今週のミーティングは中止にしましょう。)


「なぜなら、今週は重要案件や緊急案件がないからです。」

「なぜなら、今は他の仕事を優先した方が、会社全体の生産性が上がるからです。」

Reasonも、Pointと同様に、20文字程度の短い文章で、「なぜなら〇〇だからです」というように端的にまとめることを意識しましょう。



.Example(具体例・事実):主張を「実感」させる説得力の源泉

Reasonを伝えただけでは、まだ相手の心に「確かにそうだ」という実感が伴わない場合があります。


そこで、その理由が本当にそうであると相手に思わせるための、具体的な「事実」や「データ」、「エピソード」を提示します。


 

なぜExampleが必要なのか?


・説得力を飛躍的に高める:
抽象的な理由だけでは人は動きませんが、具体的な事実や成功事例、失敗談などを聞くことで、相手はあなたの主張を「自分事」として捉え、強く納得します。

・イメージを喚起する:
具体的な例は、聞き手の頭の中に鮮明なイメージを描かせ、あなたの話をより深く理解させます。

・信頼性を補強する:
客観的な事実やデータは、あなたの主張の根拠となり、信頼性を補強します。

 

具体的なExampleの例: (Reason1: 今週は重要案件や緊急案件がないからです。)


「現在上がっている4つの議題のうち、2つはメール会議で十分対応可能であり、残りの2つも来週の定例ミーティングで議論しても遅くありません。」(具体的な現状)

「今週は多くの社員がA社向けの提案資料作成に追われており、連日残業が発生しています。ミーティングを中止することで、この重要業務に集中する時間を確保できます。」(具体的な状況と影響)

 

Exampleは、数字、データ、具体的な人名や場所、出来事など、客観的で検証可能な情報を盛り込むことが重要です。


また、感情に訴えかけるようなエピソードも、聞き手の共感を呼び、説得力を高めます。


 
.Point(再主張・結論):メッセージを「記憶」に刻む反復の力

最後に、もう一度、最初に伝えたPoint(主張・結論)を繰り返して締めくくります。


 

なぜPointを繰り返すのか?


・メッセージの定着:
人は一度聞いただけで全てを記憶できるわけではありません。最後に結論を繰り返すことで、あなたの最も伝えたいメッセージが聞き手の記憶に強く定着します。

・話の締まり:
結論で話を締めくくることで、話全体にまとまりが生まれ、聞き手は「何が言いたかったのか」を明確に理解して終わることができます。

・行動喚起:
結論を再度強調することで、聞き手はあなたの主張に基づいて行動を起こしやすくなります。

 

具体的なPoint(再主張)の例:


「以上の理由から、今週のミーティングは中止にすべきだと考えます。」

「したがって、新しいプロジェクトは、当初の予定より1週間早く完了できる見込みです。」

 

PREP法は、これらの要素を頭の中で整理し、20文字程度の短い文章で書き出すことから始めます。


頭に入りやすいので、話していても忘れることがなく、メモに残す場合でもサッと書けるため、非常に効率的です。


 

3.PREP法は「筋トレ」だ!~実践と継続で「考える力」を鍛える~


「PREP法は分かったけど、いざ話すとなると、なかなかうまくできない・・・」


そう感じるのは当然です。


PREP法は、単なる知識ではなく、繰り返し訓練することで身につく「スキル」だからです。


まるで筋トレのように、最初はうまくいかなくても、意識して継続することで、必ずできるようになります。


この訓練を継続することで、あなたは話す前に無意識のうちにPREP法で思考を整理できるようになります。


話の軸が明確になり、自信を持って話せるようになるだけでなく、相手からの質問にも的確に答えられるようになります。


これは、あなたの「考える力」が飛躍的に向上した証拠です。



4.「考える力」が「伝える力」を覚醒させる!


「伝わる話 = 考える力 × 伝える力」


この法則の通り、「考える力」を鍛えることは、あなたの「伝える力」にも良い影響を与え、相乗効果を生み出します。


・自信が生まれる:
話す内容が明確に整理されていると、あなたは自信を持って話すことができます。この自信は、声のトーン、表情、姿勢に現れ、あなたの「伝える力」を自然と向上させます。

・言葉に詰まることが減る:
話の構成が頭の中で明確になっているため、次に何を話せばいいのか迷うことが減り、「えー、あのー」といった口癖も自然と少なくなります。

・視線やジェスチャーに余裕が生まれる:
話す内容に自信があると、聞き手とアイコンタクトを取ったり、適切なジェスチャーを使ったりする余裕が生まれます。これらも「伝える力」の重要な要素です。

5.あなたの未来を変える「伝わる話」の力~今こそ、言葉の壁を打ち破る時~


「伝わる話」ができるようになることは、あなたの人生に計り知れない良い影響をもたらします。


想像してみてください。


・会議であなたの提案が、誰もが「なるほど!」「素晴らしいアイデアだ!」と膝を打つほど鮮やかに伝わり、プロジェクトリーダーに抜擢される未来。

お客様へのプレゼンで、あなたの言葉が具体的なメリットとして響き、信頼を勝ち取り、契約が次々と決まる未来。

大切な人に、あなたの心からの感謝や愛情、あるいは真剣な思いが、誤解なく、深く伝わることで、より豊かな人間関係を築ける未来。

そして何よりも、自分の言葉で周囲を動かし、影響を与えられるようになったことで、揺るぎない自信と自己肯定感を持ち、人生が大きく好転していく未来。

 

もう「伝わらない」で損をするのは終わりにしませんか?


「伝わる話」の法則を理解し、「考える力」と「伝える力」をバランスよく鍛えることで、あなたの言葉は驚くほど強力な武器となります。


 

日本話し方センターは、あなたの「変わりたい」という強い思いを、確かな「できる」に変える場所です。


私たちは、あなたが自信を持って、あなたの言葉を世界に発信できるよう、全力でサポートすることをお約束します。


このブログを読んだ今が、あなたのターニングポイントです。


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