日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2024年10月6日あがり症克服のために考え方を変えてみよう


1.あがり症は感情の問題


人前に出ると緊張する。


私も含めて、そういう人は本当に多いですね。

私たちの話し方教室を受講している人の8割くらいが、この悩みを解消することを目的にしています。


あがる原因は、自分の感情の中にあります。


人前に立って話をし始めると、脇の下や手のひらが汗でびっしょりになる人がいます。


しかし、話す前と後とで室内の温度が変わったわけではありません。


自分の気持ちが変わったために汗をかくのです。


気持ちの持ち方が変わることで、体に変化が表れるのです。


ベーシックコース2日間集中コースでは、あがりを克服するスキルとして6つのポイントを伝えています。


その中には、気持ちの持ち方に関することが多く含まれています。


その中から2つご紹介しましょう。



2.あがるのはあなただけではない


1つ目は、あがるのはあなただけではない、ということです。


あなたはあがり症ですか?


もしそうなら、人前で話す時に緊張するのは自分だけだと思っていませんか?


「自分だけあがっている」と思うと、仲間はずれになっているようで不安になります。

 
① 人と違うという感覚が不安にさせる

例えば、あるパーティーの招待状に「スーツ着用でお越しください」と書いてあったとしましょう。

あなたはその但し書きをきちんと読まずに、TシャツにGパン姿でそのパーティーに行きました。

パーティー会場に着いた途端、あなたはいたたまれなくなるに違いありません。

全員スーツを着ているのに、自分だけTシャツなのです。

想像するだけで、恥ずかしくなります。

恥ずかしくなる原因は、『人と違う』からです。

このように、私たちは『人と違う』と、強い不安を抱きます。

 
② 誰でもあがる

従って、自分だけあがっている、と思うと、この『人と違う』という感覚になり、不安になってしまうのです。

でも、ご安心ください。


世の中には、人前に出るとあがる、という人がほとんどです。


あがらない人の方が珍しいのです。


その証拠に、テレビなどで活躍しているタレントやアナウンサーの中にも、あがり症の人は大勢います。


故志村けんさん、久米宏さん、レディー・ガガさんなどもあがり症です。


その他にも有名な歌手やコメディアン、アナウンサーであがり症だという人は少なくありません。


 
③ あがるのは『本能』

また、どんなに場慣れした人でも、慣れない場面や突然に指名されると、急に緊張したりします。


つまり、人間は本来あがる生き物なのです。


これは、原始時代、ヒトが危険を察知するとその危険から逃れるために緊張して感覚を研ぎ澄ましたことに由来しています。


普段と違う場面になると、私たちには生き延びるために緊張するという『本能』が備わっているのです。


 

自分があがり症だと自覚している人は、「自分だけがあがる」と思い込んで、無用なプレッシャーを自分に与えています。


しかし、上で述べたように、人間ならあがるのは当たり前、と割り切ると気が楽になるのではないでしょうか。



3.自意識過剰にならない


2つ目は、自意識過剰にならない、ということです。


あなたは人前で話す時、


「聞き手は自分の話すことを真剣に聞いている、間違ったら格好悪い」


と思っていませんか?


しかし、立場を変えて、あなたが聞き手の場合を想像してみてください。


あなたは果たして、人の話をしっかりと聞いているでしょうか?


話をきちんと聞いているつもりでも、ふと


「晩ご飯、何にしようかな~」


とか


「あっ、あの人に電話しなくちゃ」


など、色々なことが頭に浮かんでくることがあるのではないでしょうか。


そうしたことが頭に浮かんでいる間、あなたは話を聞くことがおそろかになっているはずです。

このように、聞き手はあなたが思うほどには話を真剣に聞いていないのです。


ですから、多少自分の思い通りに話せなかったとしても、気にする必要はありません。


それくらい、ゆったりとした気持ちで話せば、以前よりはあがりを抑えることができるでしょう。


 

4.病は気から


ところで、皆さんは「プラシーボ効果」という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?


プラシーボ効果とは「本来は薬としての効果を持たない物質によって得られる効果」です。


薬としての有効成分が含まれていないのであれば、効果はないはずです。


しかし、それを服用する人が「効果がある」と思い込むことで、意外に効果があるそうです。


例えば、薬に依存して、とにかく何か薬を飲まないと落ち着かない、という人が、医学的には何の有効成分も含まれていないプラシーボを服用すると、気持ちが落ち着くのだそうです。


まさに「病は気から」ですね。


たとえプラシーボでも「これを飲んでいれば大丈夫!」と思えば、痛みや気持ちが落ち着いてくる。


それくらい人間にとって気持ちの持ちようというのが大事だということなのです。


あがり症も、上の2つの考え方で気持ちを楽に持てば、解消できる可能性があります。

実際、日本話し方センターの受講生の多くがこの考え方であがり症を克服されています。


5.あがり症を克服できるコースです!


今回は気の持ち方であがり症が緩和される、ということをお話しました。


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでは、これ以外にもあがりを克服するスキルをお伝えし、トレーニングを通じて自分のスキルにしていただいています。


あがり症改善だけでなく、話し方=コミュニケーション全般について幅広く学べるコースを展開しています。


ぜひご受講ください!

>横田章剛のブログTOP