母は77歳になります。
とても元気な人でしたが、最近では当たり前にできていたことが少しづつでき
なくなりました。
たとえば、缶詰やペットボトルを開けることや、イスを運ぶなど、少しづつ自
信を失くしていくようでした。
話し方も、主語がなく、語尾を上げる話し方をするようになってきました。

私はそんな話し方が嫌いでした。つい言わなくてもいいことを、言ってしまう
のです。
「昨日、山田さんのところに行ったじゃない?その時に・・・」
「昨日、出かけたの?山田さんという方の所へ?山田さんて・・・?」
「えぇーと・・・山田さんは・・・」
言いかけたまま。うつむいた母の姿を見て
“やばい。またやってしまった・・・”
と私も落ち込んでしまうのです。

教室で「人に好かれる日常会話」は「聴き上手になる」と教えられました。
・相手に話をさせる・顔をみて聴く・タイミングよくあいづちをうつ
・話は最後まで聴く
母との会話でこのことを実践しようと思いました。

先日、母は法事のために静岡に行きました。
朝早く家を出て、さすがに帰ってきたときには疲れた様子でした。
私は《聴き上手》を実践しようと思い、母に話しかけました。

「みなさんお元気だった」
「うん、元気だったよ」
「美代子おばさんも来たの?」
「うん、去年は具合が悪くて来られなかったけど、今年は来たよ」
「そう、それはよかったね」
「食欲も戻ってすっかり元気になっていたよ」

疲れていた母も話をしているうちに、だんだん元気になりました。
私が幼かった頃、家族で田舎に遊びに行った話もでて、楽しく会話がはずみ、
その夜は母はとてもよく眠れたようです。

母に話をさせる。あいづちをうつ。話を最後まで聴くようにしたことで、母は
元気になりました。私も母の楽しそうな姿を見てうれしくなりました。

聴き上手になることで、相手も自分も楽しくなることを実感しました。
これからも、聴き上手になれるように、人の話は顔をみて最後まで聴き、その
話に共感することを続けていきます。