最近、日本話し方センターのベーシックコースを受講される大学生が増えています。ゼミの発表の場であがらずに話したいという人もいますが、やはり就職面接で相手に伝わる話ができるようになりたいという人がほとんどです。今回ご紹介するMさんも就職面接に備えて受講している方でした。

Mさんは大学3年生でインターンなどの面接を経験していますが、なかなか受からないとのことでした。試しにMさんに「自分はどういう人だと思いますか?」という質問をしたところ、しばらく黙ってから「真面目だと思いますが、あれこれ思い悩んでなかなか行動できないところがあります」と答えてくれました。
この後しばらく話していて、中国に留学しようとしたが事情があって断念したという話が出ました。「どうして中国に留学しようと思ったのですか?」という私の質問にMさんは「色々な価値観を持っている人と話をするのが好きだし、特に中国の人にとても興味がありました。日本でもネットで情報は取れますが、現地に住んで直接その国の人と接して様々なことを理解したいと思ったんです」と答えてくれました。これを聞いて私は「なるほど。これならMさんは面接で上手く話せるようになってもらえるな」と思いました。
そして、幾つかアドバイスをしました。
私が行ったアドバイスの1つ目は「自分がどういう人かということをきちんと言葉でまとめる」ことです。
「どういう人か」は言い換えると、
・自分は何に興味があるのか
・何を大切に思っているのか
・何が許せないのか
・グループの中でどういう役割を果たすのか
などです。
多くの就活生は面接準備として想定問答を作ってそれを丸暗記しているようですが、私はお勧めしません。想定外のことを質問された場合に適切に答えることができないからです。どんな質問をされても自信を持って答えるためには、自分の根本的なことをきちんと把握しておかねばなりません。そのためには上のようなことを言葉で話せるようにしておくことが絶対に必要なのです。
残念ながらMさんは私の「どういう人ですか?」という質問に私が納得できる答えは返してくれませんでした。しかし、その後の留学に関する話から、
・好奇心が旺盛であること
・事実を自分で直接確認するという姿勢があること
・行動力があること
などが伺えました。
自分では気付けていなかった特徴が、留学の質問の答えに表れていたのです。しかしMさんはその答えを話した後も、自分の言葉の中に上に書いたような特徴が表れているとは気付いていませんでした。この時、Mさんは自分の特徴は何かという問題意識を持たずに話していたからです。従って「自分の特徴は何か」という問題意識を持って自問自答することで徐々に自分の本質を明らかにすることができるのです。Mさんにはそれを実行するようアドバイスしました。
アドバイスの2つ目は「ポジティブに解釈する」ということです。
最初に私がMさんにどういう人だと思うか問いかけた際の「あれこれ思い悩んでなかなか行動できない」という表現が気になりました。自分をネガティブに解釈しているなと感じたのです。
「あれこれ思い悩んでなかなか行動できない」と同じことを言う場合でも「慎重に検討してから行動するタイプです。時に慎重になりすぎることがあるのでどこかで割り切って決断を早くすることが今後の課題だと思っています」と言えば、聞き手の印象はかなり違ってきます。これは「言葉選び」の問題ではなく物事をどう捉えるかという「解釈」の問題です。Mさんには自分の性格や過去の行動をポジティブに解釈することをアドバイスしました。
ところで、私が今回Mさんにアドバイスしたことは何れもベーシックコースでお伝えしていることです。それらは日常のあらゆる場面で応用できますし、もちろん就職面接の場でも役立つことばかりです。ぜひ一度無料体験教室にお越しください。