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★非対面営業は難しい

先日、ある会社のコールセンターの皆さんに話し方の一日セミナーを行いました。電話での営業はなかなか成果につながらないもの。余りにも成果が出ないと、担当者の心が折れてしまうこともあります。私自身も営業の電話をすることがありますが、逆に営業の電話を受けることもとてもよくあります。そうした電話を受ける度に「もう少し上手く話せばいいのになぁ」と思っています。今回はそうした経験をもとに、非対面営業=電話での営業に限定して、その効果的な話し方についてお話します。

★非対面営業(電話営業)が難しい理由

そもそも非対面営業(電話営業)が難しい理由を考えてみましょう。私は主に3あると思っています。

◎担当する人となかなか話せない

電話で営業する場合は会社の代表電話にかけるのが一般的です。その場合、電話がつながった途端に「営業はお断り」と言われたり、「担当者が不在」と言われたりして、本来話したい担当者となかなか話ができないことが多いです。私も営業の電話を受けた際に、その口調で「ああ、これは次々に会社に電話をしているんだな」と思うことがよくあります。その場合は最後まで話を聞かずに「今のところそのニーズはないんです」と、お断りしてしまいます。

◎場作りができない

一般的に話は『話す場』を作って話します。会議や雑談、お得意先との商談など、お互いに『話します』『聞きます』という合意ができています。しかし、電話営業ではその場作りができていないまま話さねばなりません。かける方はどういう人にどういう話をしたいのか明確ですが、聞く方は誰からどんな話を聞かされるのか、その心の準備ができていないまま、いきなり一方的に話を聞かされるので、すぐに話を聞こうという気持ちになりません。電話営業ではこのことが最も大きな障害になっているように思います。

◎表情が見えない

そして、運良く担当する人と電話がつながり、ある程度話を聞いてもらえる状況になったとしても、まだまだ緊張は解けません。それは相手の表情が見えないまま話すので、相手がどういう気持ちでいるのか把握しにくいからです。対面営業の場合は相手の表情や態度が見えるので、どういう気持ちかある程度推測できます。しかし、電話営業は声しか頼るものがありません。相手が言葉数が少なかったり無言だったりすると、興味があるのかないのか分からず、どのように話を進めればいいのか焦ってしまいます。表情が見えないことも話がしにくい大きな要素なのです。

★少しでも話しやすくするために

さて、非対面営業(電話営業)が難しい理由を述べてきましたが、ではどうすればよいのか、ということを次にお話したいと思います。
それは大きく分けて「準備」「話し方」「気の持ち方」の3つです。

◎十分な準備をする

1つ目は、事前準備を十分に行うことです。
一般に電話営業をされている方は事前にトークスクリプトを作っていると思います。しかし、そのスクリプトは、会話の流れのパターンに応じて場合分けされていないことがよくあるようです。また、一度作ったらメンテナンスせずにそれをずっと使っていることもあるようです。日々の電話営業の中での成功事例や失敗事例には、より効率的な営業活動のヒントがたくさんあります。それらをきちんと収集してスクリプトをアップデートしていく努力も継続的にすべきです。
特に効果があるのは『べからず集』と言われる、これはやってはいけない、ということをまとめたものです。少しでも失礼があったり相手が違和感を持ったりすることがあると、話は聞いてもらえません。従って、やってはいけないこともまとめて常に効果的なスクリプトにしていく努力もしていただきたいと思います。

ところで、私は過去に「株式会社ABCの山田です。社長お願いします」という営業電話を受けたことがあります。さすがにこの話し方はとても失礼だと思い、早々に電話を切りました。この例のように、言葉遣いが不適切と思われる電話を度々受けます。スクリプトを作成する際には言葉遣いにも十分に目を配っていただきたいと思います。

そして、スクリプトは声に出して何度も何度も練習してください。日本話し方センターではスピーチ練習を何度も繰り返し行っており、これにより多くの人がスムーズに話すことができるようになっています。電話営業の際に、スクリプトを見ながら話す人が意外に多いようなので、ぜひ声に出して練習し、体に覚え込ませましょう。

◎印象の良い話し方をする

2つ目は、印象の良い話し方をすることです。
私が営業電話を受けて最も気になるのが、いかにもトークスクリプトを読み上げていますという無機的な感じの話し方をする人がとても多いということです。義務的に話しているように感じて、話を聞こう、という気持ちになれません。普段友達と話す時には誰でも「え~、そうなの!」「あ~、残念だね~」など気持ちを乗せた話し方をしています。電話営業の際も声に気持ちを乗せた話し方を心がけたいものです。
そのために効果的なことは感嘆詞を使うことです。「あ〜、さようでございましたか」「あっ、承知いたしました」など、話の頭に「あっ」「ええ、」などの感嘆詞を添えるのです。これを使うだけで気持ちを乗せた話し方ができるのでぜひ試してみてください。

また、歯切れ良く話すことにもぜひ留意してください。「しょーちいたぁしましたー」などダラダラとした話し方をする人もよくいます。先にも述べたように、電話営業は話し方や音調で相手の印象は決まります。できるだけ相手に「感じの良い人だな」と思ってもらえるよう、歯切れの良い話し方をしましょう。

ところで、営業電話をしてこられる方で、私が電話に出るなり自社の商品やサービスの紹介をマシンガンのようにまくし立てる人がたまにいます。少し話を聞いただけで私にはニーズがないものだと判断できたとしても、次々に言葉をつないでくるので、こちらが話をするいとまを与えてくれません。これはお互いに無駄な時間を費やすことになります。まず相手が話を聞く可能性があるかどうか確かめてから詳しい説明をするようしましょう。

◎気楽に話す

最後は、気楽に話すことです。私も営業の電話をすることがありますが、ほぼ断られます。上に述べたように充分な準備をして、フレンドリーな音調で相手の興味を確かめながら話しても、断られ続けるとモチベーションはどうしても下がります。しかし、考えてみると、そもそも電話一本ですぐに受注が取れるほど世の中は甘くありません。とは言え、世の中には自社の商品やサービスを待ってくれている人が必ずいることも疑いようのない事実です。そういう人達には数多くの電話をしないとなかなか出会えません。従って、断られて当たり前、と割り切る気持ちを持ちましょう。そして、残念ながらそうではない人との電話は早めに切り上げ、その時間をあなたの電話を待ってくれている人と出会うために使いましょう。そのためにも、先に述べたように、最初から一方的に自社の商品やサービスの説明をすることは避けましょう。

★話し方センターで話すトレーニングをしませんか?

今回は非対面営業(電話営業)についてお話しましたが、上に述べたことは全て日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでお伝えしていることを応用したものばかりです。これらのコースを受講して身につけていただいた話し方のスキルは、どのような場面でも応用できるものです。その効果は過去の多くの受講生が実感されています。ぜひ受講者の声をご確認ください!