日本話し方センターでは短期間で話し方を改善したいという方のために2日間集中セミナーを開催しています。このセミナーでは、話し方に関する知識や心構えを講義で伝えた後、スピーチ実習を行います。
原稿作成→講師のアドバイス→声出し練習→講師のアドバイス→全員の前での発表→講師の講評
この流れを2日間で3セット行って話し方のスキルを磨いていきます。

ところで、このセミナーの最初の実習で受講生が作成したスピーチには共通した改善点があります。それは、言いたいことがクリアになっていないということです。

先日のセミナーで受講生のTさんは、最初の「失敗談」の実習で次のような原稿を作りました。
・奥様に内緒で株を買った
・ところが証券会社から自宅に郵便で通知が来て奥様にバレてしまった
・奥様に将来絶対に利益が出ることを丁寧に説明したが全く納得しなかった
・今も奥様とは気まずい状態が続いている

そして、Tさんはスピーチのテーマ(主題)を「奥さんへの隠し事はやめよう」としました。講師はこの原稿を見て次のようにアドバイスしました。
講師:「Tさん、ストーリーは具体的でわかりやすいですね。でも、せっかくだからこの話をもう少し掘り下げてみましょう。そもそも、どうして奥さんに内緒にしたのですか?」
Tさん:「ん~、それは・・・絶対反対されると思ったからです」
講師:「なるほど。ということは奥様に反対されるようなことがあればまた内緒にするかも知れませんね」
Tさん:「あ~、確かにそうですね・・・」
講師:「隠し事をした原因をもう少し掘り下げると『隠し事をやめよう』という話により説得力が加わると思いますよ」
そしてTさんは、反対されると思って投資する前に奥様に説明しなかったことが根本的な原因だったということに気付きました。
その結果、スピーチのテーマは「何でもきちんと話し合おう」というものに変わりました。

受講生が作成するスピーチは、当初は事実をなぞっているだけ、というものが多いのです。この段階では聞いていて面白かったり参考になったりする話にはなっていません。しかし、そこから「なぜ?」という言葉で深掘りしていくと、自分の気持ちや考えを盛り込んだ、聞き手が納得できる話になっていきます。Tさんの当初のスピーチは奥様に隠していた理由を言っていません。なので聞き手は「本当に隠し事をしなくなるのかなぁ」と疑問に思ってしまうのです。

しかし、講師のアドバイスを受けた後のスピーチは、
・反対されると思ったから内緒にした
・その結果とても気まずいことになった
・これからは奥さんにきちんと事前に説明して納得してもらうようにしよう
というストーリーに変わりました。これだと聞き手も納得できますね。

スピーチに限らず話をするあらゆる場面で大切なことは「話したいことを明確にする」ということです。これがはっきりしていると活き活きと話すことができます。それが聞き手にもストレートに伝わります。上司への報告や会議での発表でも「これが言いたい!」ということをはっきりさせるようにしてください。

日本話し方センターの話し方教室では、話し方のテクニックはもとより、「これが言いたい!」ということの見つけ方も実習を通してご指導しています。話し方のスキルを磨きたい、という方はぜひベーシックコース2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースにご参加ください!