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★会議での意見対立から抜け出すには?
会議では意見が対立したり、食い違ったりすることがしばしばあります。そうした状況になるとなかなか出口が見えず、時間だけが過ぎていき、結局たいした結論は出なかったということも少なくありません。私たちは一度「これだ!」と思ったら、なかなかその考えを変えることができないからです。
しかし、新たな情報があれば、考え直したり見方を変えたりすることができるかも知れません。会議で意見が対立した場合でも、新たな情報があれば、意思決定に向けて前に進めることができるでしょう。その情報として有効なものに「発言の真意を確認する」ということがあります。今回は、このことについてお話します。

★意見対立の例
例えば、管理職研修の企画会議で次のようなやり取りがあったとします。
Aさん:今年はホテルに宿泊して3日間、しっかりと学んでもらうことにしたいと思います。
Bさん:いやいや、ホテルを3日間も借りたらコストがかさんで予算オーバーになっちゃうよ。
Aさん:でも、それくらいの時間とコストをかけて学ぶ必要があると思います。
Bさん:そんな必要ないよ。それに業務に支障が出て現場が大変なことになるよ。
Cさん:Bさんの言うとおりだと思うよ。研修は1日で十分じゃないかな。
BさんもCさんも、Aさんがホテルで3日間の研修をしよう、という提案に反対しています。しかし、Aさんの発言の裏には次のような気持ちがあったとしたらどうでしょうか?
「今の管理職は部下に対してやることを指示する人が多いため、若い社員が『指示待ち』人間になっている。これでは自分で考えて動く社員が育たず、我が社は時代の変化について行けなくなる。自分で考えて動く社員を育てるためには、まず上司の部下への接し方を変えないといけない。そのためには、徹底的なトレーニングをする必要があり、研修はぜひ3日間かけて行いたい」
ホテルで3日間という手段はともかく、Aさんの考えていることには、Bさん、Cさんも賛同するかも知れません。そして、その目的に沿った、より有効な策を一緒に考えたでしょう。しかし、BさんもCさんも、このAさんの真意を確認しようとせず、Aさんの案に反対するばかりです。
★手段ではなく目的に焦点を当てる
このような会議になった原因は、BさんもCさんもホテルで3日間の研修という手段がよいかどうかに焦点を当てて考えていたからです。人は、こうすればいい、という手段を考えるのがとても好きです。実際、Aさんも、こういうことをしてはどうか、という手段の話しかしていませんし、BさんやCさんも、その手段がよいか悪いかという反応しか示していません。このように、人はついつい手段に意識を向けてしまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか? そのキーワードは、「何のため」や「なぜ」です。上の例なら、Aさんが研修案を述べたときに、BさんかCさんのどちらかがAさんに、「どうして、ホテルで3日間もかけて研修をせねばならないと思っているの?」とAさんの真意を確認すれば、この会議は建設的なものになったことでしょう。
会議において、発言者の真意をつかむ、というのは、会議を効率的・効果的なものにする上で、非常に大切なことです。この役割は、ぜひ議長や司会者に担っていただきたいものです。他の参加者は議題について考えたり意見を言ったりすることに集中しがちで、他の参加者の真意に思いを巡らすことは難しいです。一方、議長や司会者は、本来会議を効率的・効果的に運営するために、議論をコントロールする立場にあります。従って、発言者の真意を考えやすいので、ぜひ留意いただきたいと思います。
発言者の真意を確認できれば、感情的な議論になることもありませんし、参加者が納得できる結論にたどり着く確率も高まります。ぜひ意識してみてください。