私は、学生時代から本を読むことが好きで、今でも常に本を読んでいます。本を読むと新たな知識が得られますし、物事を見る新たな視点や気付きが得られます。しかし、最近の15年間とそれ以前では私の本を読む姿勢がかなり違っています

 

15年前まで、私はメガバンクに24年間務めていました。銀行員時代は本を読んでも、その内容を人に話したり、何かに書いたり、その内容を使って人に講義したり、ということは全くありませんでした。従って「ああ、いい本だなぁ」とか「ちょっとつまらなかったなぁ」という感想を持つ程度で、よほど印象が強くない限り、内容をいつまでも覚えているということはありませんでした。つまり、インプットだけを意識した読書になっていたのです。当然ながらどんなに感心した本でもその内容の記憶はどんどん薄れていきます。

しかし、15年前に日本話し方センターが所属するアタックスグループに転職してからはそうした読み方がガラッと変わりました。それは、アウトプットを意識するようになったからです。アタックスグループはコンサルティング会社です。グループのメンバーは、常にお客様に対して何らかのアドバイスや有益な情報を提供せねばなりません。またセミナーの講師を務めたりせねばなりません。コンサルタントは常にアウトプットが要求されます。それも鮮度のよいアウトプットでないと、お客様から満足されません。それらのアウトプットのために常に新しい知識や情報を得る努力をしています

読書もその一手段です。常に人との話やセミナーのネタに使えないかという意識で本を読んでいます。そうした環境ですので、私も自然と本を読んだらその内容を活用することを意識するようになりました。

さて、このアウトプットを意識して本を読むという姿勢は話し方の上達にも極めて有効です。
ここまで本を読むという場面を例にお話しましたが、アウトプットを意識することは本以外のニュースや人の話などあらゆる情報に接する際に大切な姿勢です。話が上手な人は話のネタを豊富に持っています。ネタが豊富にあると日常会話でも様々な話ができますし、人前で話す際にも「何を話そうか」と困ることもありません。「どれを話そうか」という意識になります。自分の中の引き出しが多いほど話は豊かになり面白みが増すのです。

そして、そうした話のネタは常に意識しないと集まらないのです。本を読む時、ニュースを見る時など、情報を得る場面では「このことは話のネタになりそうかな?」と意識しながら見聞きしましょう。また、電車に乗っている時、食事をしている時など日常生活の中でも話のネタになりそうなものがあります。「珍しいなぁ」「これはひどいな」など、感情が動いた出来事に出会った時はその出来事が話のネタに使えるか考えましょう。私も常に話のネタにできそうなものがあると、スマートフォンを活用して記録するようにしています。

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