日本話し方センターでは、人になるほどと思わせる話し方や、よい人間関係を作る話し方に関する講義を行っています。
その際、講師は必ず例話を話します。
この例話を私たちはとても大切なものだと考えています。

例えば、ベーシックコースの1回目では、あいさつを励行しよう、という話をします。
周りの人とよい人間関係を築くと、話を聞いてもらいやすくなります。
そのためには、日頃から周りの人に明るく大きな声でこちらからあいさつすることだ、ということを解説します。
しかし、こういう話をしただけでは聞いている人は「ふーん」と思うだけで、ピンとこないはずです。
そこで、講師は次のような例話をします。
・朝起きて奥様にあいさつするようにしたら、奥様からもあいさつするようになり、その後の会話が弾んで家族の仲が一層よくなった
・社長が会社で自分から社員にあいさつするようにしたら、社風が明るいものになり、業績が伸びた
ここでは簡単にどういう話かを書いただけですが、実際はストーリー仕立てで情景が目に浮かぶように話をしています。
これらは話し方センターの長い歴史の中で実際に受講生が体験した実話です。
それらを話すことで、聞いている人は共感を覚え、あいさつの効果を実感できるのです。
人は話を聞いて、その話の内容を頭の中でイメージできて初めて理解できます。
従って、単に物事を説明しただけではイメージが描けず、聞き手は共感できません。
その点、ストーリー仕立てで話をすると聴き手の頭の中に情景が浮かび、理解しやすくなりますし、自分事として捉えることもできるようになります。
こうした例話を普段から集めておくと、話をする際に有効に活用することができます。
例えば、ポジティブに考えよう、ということを伝えたいと思ったとします。
この話をストレートに言っても聞き手には響かないでしょう。
そこで次のような例話をします。
パナソニック創業者の松下幸之助が、会社創業時に電球を作る事業をしていた頃の話です。
仕上げの段階で、電球を布で磨くという作業がありました。
幸之助がある日、工員が作業している様子を見ると、いかにもつまらなさそうに電球を磨いています。
それを見た幸之助は、こう言いました。
「君、ええ仕事しとるな~。
子供らは夜になると暗くなるから勉強したくてもできん。
せやけど、君が磨いた電球があれば、夜も勉強ができる。本が読める。
そうやって勉強した子供らが日本の未来を作ってくれるんや。
君は、今、日本の未来を作る仕事をしてるんや。
ほんま、ええ仕事してるな~。」
この工員は、それ以来自分の仕事に自信と誇りを持ち、やりがいを感じるようになったそうです。
つまらない仕事とネガティブにとらえるよりも、未来を作る仕事とポジティブにとらえるとモチベーションが格段に違いますね。
こうした例話をすれば、あなたが言いたいことの本質もきちんと伝わり、聞き手の記憶にも残るものとなるでしょう。
普段、私たちは様々な情報に接しています。
自分からわざわざ取りに行かないと触れることのできない情報もたくさんあります。
上のような話に使える例話は、自分から取りに行かないとなかなか得られません。
ぜひ積極的に例話を集めて話のネタを豊にするようにしてください。
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーでは、講師がふんだんに例話を使いながら、話し方の秘訣をお伝えしています。
ぜひ一度無料体験教室にお越しください!