最近、多くの就活生が日本話し方センターのベーシックコースを受講されていることは以前にもこのブログでご紹介しました。

面談でうまく話せない、と感じている就活生の大半は、話が抽象的です。

例えば、こんな感じです。

「私は学生時代、バレーボール部に所属して一生懸命に練習した結果、全国大会で準優勝することができました
練習する際、意識したことは、チームに迷惑をかけないように自分の欠点を克服することです」

チームに迷惑をかけないように、というのは理解できるのですが、どのような欠点を、どのように克服し、結果どうなったのか、ということがこの話ではよくわかりません。

この点を質問しても、曖昧な返事が返ってくる、ということが多いのが実情です。

そして、話を具体的にするには、具体的なエピソードを取り上げるのが最も効果的です。

 

ベーシックコースを受講している就活生のDさんも、自分の話が抽象的で納得感がないことに悩んでいました。

Dさんからどうしたらいいか相談された私は、小学生から今までで、自分の特徴が出ていると思うことや心が動いたエピソードを書き出すようお願いしました。

具体的な事実を集める事をお願いしたのです。

数日後、Dさんは私がお願いしたエピソードを書き出してきましたが、何だか浮かない顔です。

書き出してみたけれど、ピンと来るものがなくて、この後どうすればいいのかよくわからない、ということでした。

しかし、私は書いたものを見て、これはいける! と思いました。

 

Dさんと私は同じものを見ているのですが、その反応にはかなりの差がありました。

そのポイントは「話をつなぐ」という点にあります。

 

Dさんが書き出してくれたものは次の様なものでした。

①高校の時、物理の公式に当てはめて解くのではなく、公式の本質まで掘り下げて理解して解くようにした
これは、誰でもできることをやるのは嫌で自分ならではのユニークさを出したいからだと思う

②小学生から今まで友達は多かったし、友達と関わることが楽しいと感じている

③小学校高学年の時、友達と秘密基地を作るのに熱中した
自分たちだけの落ち着ける空間を作るのが楽しかった

これらを見て、少し感じるものがあった私は「Dさんにとって友達とはどういう存在ですか?」と確認しました。

Dさんからは、

「自分にとってなくてはならないものです。でも、友達には自分と似たような人が多いですね・・・お互いに競い合う存在かも知れません」

という答えが返ってきました。

そこで、私は次のような仮説を考えたのです。

・①と③を見ると、Dさんは自分の個性を活かして自分だからできるユニークさを大切にしているのではないか
また、何かを創り出す、ということにとても興味があるのではないか

・②と③と追加の応答から、Dさんにはお互いに切磋琢磨する存在が不可欠なのではないか

この仮説をDさんに話してみたところ、

「あっ! そうです! 何だかとってもしっくりきます!」

と言ってくださいました。

そうであれば、Dさんがどのような会社に勤めたいと思っているか、ということもイメージできてきます。

・独創性豊かなものを生み出すことにチャレンジしている会社

・新しいものを創り出すことに社員同士が情熱を傾けている会社

Dさんにこれも伝えたところ、

「そうですね。とても納得できます。」

とうれしそうに仰いました。

 

このように一つひとつの話を解釈した上でつないでいくことで、新たなものが見えてきたり、新たな発想ができるようになります。

話をする上でも相手の話と話をつなぐことで会話が膨らみ、一層楽しいものとなります。

ぜひ意識してみてください。