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ベーシックコース受講生との会話

先日、ベーシックコース受講生のKさんから、「私のスピーチの改善点を教えてください」と相談されました。

日本話し方センターのベーシックコースでは、毎回受講生が教室の前に立って2分間のスピーチをしています。この効果はおもに次の3つです。
・人前で話す経験を何度もすることであがりが抑えられる
・2分間という短い時間で要領よく分かりやすい話ができるようになる
・何度も人前で話すことで相手に伝わる話し方ができるようになる

Kさんはベーシックコースを受講して、この3つがほぼできるようになっていました。
私:「そうですね。Kさんのスピーチは申し分ないと思いますが、敢えて言えば少し声が高いのが気になります。2~3分なら問題ありませんが、その高い声で5分以上話すと、聞き手は疲れてしまうかも知れませんね」
K:「ああ、それは私も前から感じていました。でも、どうしたらいいのか分からないんです」
私:「なるほど。例えば、気持ちの持ち方を変えてみてはどうでしょうか」

★気持ちは声に現れる

私たちの感情はストレートに声に表れます。例えば、上司から何かを頼まれて仕方なく引き受ける場合、「分かりました」という声は何となく素っ気ないものになっているでしょう。また、一生懸命に仕事をしているのに「もっと急いで仕上げろ!」と言われたら、「分かりました」という返事にはイライラした怒りのニュアンスが含まれることでしょう。一方で、以前から提案していたことが承認されて上司から「よろしく頼むよ!」と言われた時の「分かりました」は、きっと喜びに満ちた声になっているに違いありません。このように同じ「分かりました」でも、話す人の気持ち次第で、その音調は全然違います。

「あの人の声は力強い感じがする」「この人の声はとても優しくて聞いていて気持ちがいい」など、私たちは人の声について、このような感想を持ちます。この声の印象も、発する人の気持ちの持ち方とかなり強い関連があります。力強い感じの声を出している人は、前向きな気持ちを持っているはずです。また、優しい感じの声を出している人は、人に対する優しさを持っているはずです。

このように、私たちの気持ちは声にそのまま表れるのです。そして、それが聞き手にストレートに伝わるのです。しかし、私たちはこの事実を普段余り意識せずに話をしています。話す際の気持ちを切り替えることで、より相手に伝わる話ができるようになるのです。

★話す時の気持ちを切り替えてみる

さて、話をベーシックコース受講生のKさんとのやり取りに戻しましょう。私はKさんに次のようにアドバイスをしました。「Kさんが高めの声で話しているのは、もしかすると相手に親しみを感じて欲しい、と思っているからかも知れません。相手に好かれようとすると人は声が高くなります。しかし、相手に信頼されたい、と思うと声は低くなります。なので、Kさんもスピーチをする際、聞き手に信頼されたい、私の話を理解してください、という気持ちで話してみてはどうでしょうか」。私の話に納得されたKさんはその後、少し気持ちを切り替えてスピーチ練習をされました。そして、この話をした次の回では、少し低めの聞きやすい声でスピーチをされました。

話す際の気持ちは音調にストレートに現れます。そして、その音調で聞き手は話し手の気持ちを感じ取ります。ぜひ相手に伝わる話し方をするために、気持ちの持ち方を意識してみてください。

ベーシックコースで話し方を学びませんか?

今回は話す際の気持ちの持ち方についてお話しました。日本話し方センターのベーシックコースでは、これ以外にも話し方やコミュニケーションの取り方に関する知識を幅広く講義でお伝えし、実習を繰り返すことでそれらを受講生に身につけていただいています。その成果は多くの受講生が実感されています。ぜひ受講者の声をご覧の上、受講をご検討ください!