先日ある上場会社にお邪魔して経営幹部の方々と話す機会がありました。その場にいた数人の幹部の皆さん全員が話すことに苦手意識を持たれているとのことでした。上場会社の経営幹部の方でも苦手意識を持たれていることに正直驚きました。日本話し方センターの各コースを受講される方もほぼ全員が話すことに苦手意識を持っています。一言に苦手意識と言ってもそのお悩みは様々です。
・人前で話す時にあがってしまい、うまく話せない
・他の人から何を言っているのか分からないと言われる
・人見知りで初対面の人と緊張してうまく話せない
・何を話していいかわからず、雑談ができない

こうしたお悩みを持っている人は、話すことに対してそもそも気持ちが負けてしまっています。上司への報告にしても雑談にしても「できれば避けたい」と思っている人が多いようです。まず、その気持ちを変えるためには自分の行動を変えないといけません。行動を変えることで気持ちが変わるということは多くの方が経験していることです。

「行動を変える」ということは、今までと違うことを継続して行なうということです。一時的に変えるのではなく、それが習慣となるまで継続するということです。なかなか難しいことですので、できれば小さな行動から変えてみる方が抵抗感は少ないでしょう。

そこで、私がお勧めする話し方を変える小さな行動は「声に出して返事をする」ということです。
話が苦手な人の多くは余り声を出さない、声を出してもすごく小さいという特徴があります。人と話をすることにストレスを感じ、寡黙になってしまう方も少なくありません。その状況を変えるためには声を出すことを習慣化するとよいでしょう。

そのためのお勧めは「名前を呼ばれたら返事をする」ということです。
例えば、病院で待っていて名前を呼ばれたとき黙って立ち上がる人がほとんどです。病院で名前を呼ばれたら「はい」と返事をするようにしてみてください。病院に限らず、様々なところで名前を呼ばれたら「はい」と返事をするようにしてみてください。はじめは恥ずかしいでしょうから小さな声で構いません。小さな声でもとにかく返事することを続けてください。そうすると次第に声を出すことに抵抗感がなくなってきます。声を出すことに抵抗感が薄れてきたら、次に少しずつ、明るく大きめの声で返事をするようにしてみてください。声を出すことにますます抵抗がなくなりスタッフの人などと簡単な雑談がしてみよう、という気持ちになるでしょう。返事だけでなく、コンビニで会計が終わったら店員さんに「ありがとう」という、外食をして会計が済んだら「ごちそうさま」ということにもチャレンジしてみるとよいでしょう。

話が苦手な人は、相手から受ける圧力に負けてしまっている傾向があります。しかし、明るく大きめの声が出せるようになると、その声によって相手からの圧力をはね返すことができるのです。そして以前より抵抗感がなくなって、初対面の人との会話やエレベーターでの雑談、ひいては人前での話もできるようになるのです。この行動を通して声が出るようなると何事にも積極的な気持ちになれます。実際、ベーシックコースでは、あいさつを習慣にすることで他のことにも積極的に取り組むようになったという受講生が数多くいらっしゃいます。

自分の思うように話ができるようなる最初の一歩は思うように声が出るようになることです。そのために、まず「名前を呼ばれたら返事をする」という小さなチャレンジをしてみてください。

日本話し方センターの話し方教室では、スピーチ実習をはじめとして声を出す、というトレーニングを徹底して行います。詳しくは「受講の成果」をご覧ください。