日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーの受講生には「話しをしていて言葉がすぐに出てこない」という人が少なくありません。一方で、言いたいことがたくさんあってそれらを次々に話してしまうので「何が言いたいのかわからない」と言われてしまう人もいます。

先日の2日間集中セミナーに参加されたYさんも、言いたいことがわからない、と言われることが悩みでした。Yさんは、日常会話では次々に話をしてその場を盛り上げています。しかし、人前でスピーチをする時も、日常会話と同じように頭に浮かんだことを次々に話すので、話が長くなり、聞いている人がポカンとした顔をすることがよくあるそうです。2日間集中セミナーの最後には、このセミナーで学んで得たことを2分間のスピーチにまとめて話してもらいます。Yさんは、そのテーマを決める際にも、あれも言いたい、これも言いたい、と5~6個の項目を書き出して悩んでいました。
「これを全部話すととても2分では終わりませんね・・・この中で一番心に深く残っていることは何ですか?」
私のこの問い掛けに、Yさんは、
「ん~、一番大きな学びならこれですね・・・言いたいことを1つに絞って短くまとめることです。あっ、まさに、今の私に一番必要なことでしたね!」
このことに気付いたYさんは、その後、すぐにスピーチ原稿を作って練習しました。そして、全員の前でのスピーチも短くて、とてもわかりやすいものでした。
3ヶ月かけて話し方を学ぶベーシックコースの受講生でも、講座が始まった頃のスピーチで2つ以上の言いたいことを盛り込む人が少なくありません。
・あいさつすると娘と話ができるようなったし、職場でも雑談できるようになった
・あわてていても最低限の確認をして、周りの人に気を配らねばならない
・常に勉強することはとても努力を要するけれど、とても大切なことだ
これらはどれも言いたいことが2つある例です。2分間という限られた時間であればこれらの中の1つに絞って話さねばなりません。しかし、話すことを1つに絞る、ということは慣れない人には簡単なことではありません。
では、どうすれば1つに絞れるのでしょうか。
その一つの方法として、言いたいことを20文字以内の短いフレーズでまとめる、ということがあります。
・安全運転に留意して欲しい
・新しいことに興味を持って欲しい
・新たな市場を開拓すべきだ
日本話し方センターでは、このように短くまとめたフレーズを「主題」と読んでいます。この「主題」を作ることで、話すことを1つに絞ることができます。言いたいことに関係のない前置きを長く話してしまうことが長い話の原因の一つですが、主題を意識すると、関係ない前置きかどうかの判断もしやすくなります。また、20文字以上になるのなら、言いたいことが2つ入っている可能性が高いです。
1つのことを2分間で話すことを意識し、できるようになると3つのことなら6分間で話すようになります。3つのことを整理せずに一緒に話してしまうと、聞き手は混乱して理解できません。個条書きなどで整理し、1つ1つを端的に話すことで話が論理的になり、聞き手に理解してもらい易くなります。
日本話し方センターの各コースでは、今回ご紹介したこと以外にも、相手に伝わる話し方、人前であがらずに話すスキルの身に付け方などを講義と実習でご指導しています。その効果は多くの受講生が実感されています。ぜひ「受講者の声」をご確認ください!