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★「お上手ですね」だけでは相手に伝わらない
日本話し方センターのベーシックコースでは3ヶ月コースの最終回(第12回)に受講生がこの教室で学んで得たことをスピーチします。私はいつもそのスピーチを聞いた感想を受講生全員の前でお話しています。ベーシックコースは毎月平日コースと土曜コースの2コースがスタートします。従って最終回も毎月2回開催されます。先日もその最終回が開催されました。皆さん、3ヶ月前はあがり症でうまく話せなかったとは思えないほど、堂々と話されていました。私はそれらのスピーチを聴いて「皆さんのお話はとても上手だなぁ」と心から思いました。
しかしそれと同時に気付いたのです。「お上手ですね」と言われて受講生はどう思うだろうか? 嬉しいと思うかも知れませんが「どこが?」や「なぜそう思ったの?」という疑問が浮かぶのではないでしょうか。そう考えると「上手ですね」というのは抽象的な言葉であり、これだけを言ったのでは相手は嬉しいとは思わないだろう。そう思ったのです。

上のように考えた上で、この日、私は受講生に次のような話をしました。
「今日の皆さんのスピーチ、私は『皆さん、とてもお上手だなぁ』と思いました。まず、皆さん、とてもハキハキと話をされていましたし、ほとんどの人が文と文の間に『間』を取っているのでとても聞きやすかったです。また、落ち着いて聞き手を一人ひとり見ながら話していたので、聞き手に対して話してくれている、という安心感がありました。これは、受講中に声に出してスピーチの練習を何度もされた成果だと思います。練習をしないとここまでのレベルの話はなかなかできません。
さらに話の内容が実際にご自身が行動を変えた、チャレンジした、というものでしたので、とても説得力がありました。実際に体験し、その成果に納得した話は、話していてもすごく気持ちが乗るものです。それが聞き手に素直に伝わります。皆さんは、今日、とても気持ちを乗せて話をされていました。
以上のことから私は皆様の話がとてもお上手だなぁ、と思いましたし、聞き応えのある話をしていただいたことに心から感謝しています」
少しくどくなってしまいましたが、私が感じたことをそのままお伝えしました。
★良い点を具体的に伝える
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中セミナーのカリキュラムの中に「ほめことば」の講義があります。その中で、人をほめる上で重要なことは「具体的なことをその場でほめる」ことだと説明しています。
「うまいね~」「よかったよ!」「素晴らしい!」「いいね~」
こうした言葉だけで部下や子供をほめることはよくあると思います。しかし、せっかくほめるなら「いいなぁ」と思った言動を具体的に伝えた方が、相手に理解されやすいし、同じ言動を繰り返しできるようにもなるでしょう。
「さっきの会議で誰も気付いていない点を指摘してくれたね。おかげでとてもいい議論ができたよ。ありがとう!」
「今日の朝礼のスピーチ、私も反省させられたよ。相手の立場に立って考えないといけないね。ありがとう!」
「さっき道で困っている人に声をかけていたね。あの人、とてもうれしそうだったよ。素晴らしい!」
もっとも最近では、ほめる、という行為が上から目線のように取られる場合もあります。なので、上の例のように感謝のことばを添えるとより伝わりやすくなるでしょう。
ぜひ実行してみてください。
★人間関係をよくする話し方を学びませんか?
日本話し方センターのカリキュラムでは、上手な話しの仕方とともに『ほめことば』のように人間関係をよくする話し方や態度、表情などをとても重視しています。人間関係をよくする話し方ができるようになりたい、と思われている方はぜひ受講をご検討ください!