日本話し方センターのホームページでは、ベーシックコースや2日間集中セミナーを受講された方の感想や何を学ばれたかということを「受講生の声」で紹介しています。その内容を見てみると受講した成果には、大きく2種類あります。
1つは、話の仕方やコミュニケーションの取り方が上達した、というものです。
・しっかりと準備をすることで人前でも納得できるスピーチをすることができた
・この講座で学んだことを活用して人前であがらずに話すことができた
・日常会話の仕方がわかり、苦手だった雑談が楽しくできるようになった
もう1つは、人間関係や心の持ち方が変化した、というものです。
・話す時に徹底的に相手のことを考えるようになった
・人と話すことに抵抗がなくなり、色々な物事に積極的に取り組むようになった
・話は自分の心や考えがそのまま表れることを学んで生き方や価値観が変わった

話し方教室なので、人にどういう風に話すか、ということを教えているだけじゃないの?と思っている人も多いと思います。しかし、そうではないのです。日本話し方センターのカリキュラムは次の二本の柱でできています。
「大勢の人前で堂々と話しができるようになる」
「よい人間関係をつくる話し方を身につける」
受講される方の当初の目的はほぼ全員、1つ目の「人前で話ができるようになる」や「人に伝わる話ができるようになる」ことです。実際、講座スタート当初は人前に立って話をするだけで精一杯という方がほとんどです。また話も今一つまとまっていません。しかし、スピーチ実習の要領もつかめてある程度落ち着いて分かりやすい話ができるようになってくると、次第に2つ目の「人間関係をつくる話し方」に意識が向くようになります。
それは、伝わる話ができるようになる大前提は、よい人間関係をつくることを意識することだ、ということが分かってくるからです。講師は話し方のテクニックをアドバイスする中でも、
「聞き手がイメージできるよう具体的に話しましょう」
「日常会話は相手に話をしてもらうようにしましょう」
「聞き手が安心して聞けるように表情や態度に気をつけましょう」
など、相手の立場に立った話し方をすることを繰り返し説明します。相手に話を聞こうと思ってもらえるような関係を作らないと話は聞いてもらえないのです。
また、スピーチ実習は受講生が一人ずつ全員の前に立ってスピーチをします。そこでは自分が話し手になるとともに、他の受講生の話の聞き手にもなるわけです。双方の立場を経験することで、聞き手の立場に立ったよい話し方を理解・実践できるのです。
そして、講義でも「よい人間関係をつくる話し方」というテーマを設けて、次のことをお伝えしています。
・積極的に自分からあいさつをしましょう
・物事は明るくとらえてプラス積極的に考えましょう
・ほめことばを使いましょう
これらの講義を聞いて、職場や家庭で実践し、その手応えを感じる人はたくさんいます。
つまり、はじめは話し方のスキル上達を目的に受講をスタートしますが、次第にセンス=人間関係をよくする話し方を意識するようになるのです。成熟した日本社会をこれから牽引するのはスキルに裏付けされたセンスを持った人々だ、と私は思っています。そして、そのセンスは感性がないと身につきません。スキルやテクニックを身につける中で、感性に磨きをかけて人間関係に関するセンスを身につけていただきたい。
そういう思想が日本話し方センターにはあるのです。